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お風呂のお湯を暖かいまま流してないですか?

先日、西東京市(エコプラザ西東京)が主催する講演会を聴講してきた。

「知られざる環境変化-都市河川の温暖化-というタイトルで、東京工業大学 環境・社会理工学院 木内教授のお話しを聴かせて頂いた。

温暖化の問題は、気温の事がよく取り上げられるが、都市河川の温暖化という現象が発生しているとは知らなかった。

河川の温暖化のスピード

地球の平均気温は、100年で0.72℃上昇しているそうだが、都市河川の温暖化のスピードは、それ以上だという。多摩川の過去20年間の水温変化でみると3℃以上上昇している地点があるのだ。

原因

で、その原因が下水処理水だという。

下水処理水が河川へ放流されているのだが、その下水処理水の温度が過去に比べて上昇しているからだという。

これは生活様式の変化のためで、お風呂や厨房で使用された、暖かい排水が下水へながれていることに起因している。

蛇口をひねったときの水温も、ヒートアイランド現象によって、以前より上昇しているが、それを差し引いても、風呂や厨房からの排水に起因する部分が大きいのだ。

夏場は、河川水より処理水の温度が平均的に低いので、影響はあまりないが、冬場は、処理水の温度が河川水より高いので、河川水の水温を上げているのだ。

そういえば、同じようなことを聞いた事がある。東久留米市に黒目川という湧水の小川がある。川沿いの清涼飲料水工場からの処理水が黒目川に放流されているが、そのせいで冬場でも水温が比較的高く、魚がよく確認できるそうだ。

影響

河川の温暖化がこのまま続いた場合、河川の生態系への影響が懸念されている。個々の魚が繁殖や生息に最適な水温があるが、高水温が苦手な生き物にとっては好ましい状況でない

すぐ直接的な影響がでる現象ではないそうだが、影響については注意を払う必要がありそうだ。

簡単にできる対策

最近流行りの「冷めにくいお風呂」は次の日でも暖かいというのが売りであるが、暖かいお湯をそのまま下水へ流すと、河川の温暖化に手を貸すことになるので、注意をされたいところだ。排水する前に、風呂蓋を外し、水温を少しでも下げてから排水を心がけたいところである。

また、厨房では必要以上に暖かいお湯を使わないという心がけも良いだろう。

下水処理水のエネルギー利用という点では、ヒートポンプ技術を使ったシステムが実用化されているということだが、広がりはこれからのようだ。今後の下水処理水エネルギーの利用拡大に期待したい。

ちなみに自宅の風呂はすぐ冷めるタイプである。よしよし!

 

小川の問題に取り組むと身に付くコト

こんばんは。

朝の通勤電車の中で、日能研の「◻︎◯シリーズ」の問題を目にしました。

その中には、干潟についての問題が記載されていました。

干潟についての問題

要約するとこんな感じ。

干潟は、高度経済成長期に干拓によって農地化されてしまった。

Q1:干潟が干拓され易い理由を述べよ。

Q2:干潟を守る上で何が重要か?あなたの考える「干潟の保護」を1行で述べよ。

大人でもなかなか答えに困る問題だなと感じます。

ここで私が言いたいのは、この問いに答えられるかどうかではなく、この問題に込められたメッセージの奥深さです。

問いに込められたメッセージ

原文を引用します。

とても共感できる考えでした。

小川の問題について子どもたちが取り組んだ場合でも、全く同じことが言えるのです。

なので、私はぜひ小川に関する次の問いを子どもたちに投げかけてみたいです。

武蔵野台地上の小川は、地域の都市化が進むに従って、大都市特有の水害(都市水害)が多発するようになった。水害から街を守るため、小川の川底は深く掘られ、垂直の護岸がつくられるようになった。

Q1:地域の都市化が進むにしたがって、水害が多発するようになった理由を述べよ。

ぜひ、子どもたちと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?きっと「自分ごと」として課題に向き合うチカラが身に付いていくと思います。

自然観を高めよう!

こんばんは。

自然観(しぜんかん)という言葉をご存知でしょうか?

先日「自然はそんなにヤワじゃない 誤解だらけの生態系」(花里孝之/新潮選書)という本を読みましたが、この本に書かれている自然観にとても共感しました。

  1. 人類は、他のあまたの生物種と同じく、地球生態系の一員である。
  2. 人類は、すべての生物たちの活動によってつくられているバランスの中で生きている。
  3. 人類が健やかに暮らしていけるように生態系のバランスを維持することが必要である。

1つめについては、紛れもない事実であることはすぐに解ります。

2つめについても、なんとなくバランスの中で生きていることは実感できます。例えば、空気。人間に必要な酸素ばっかりがあっても、二酸化炭素がなければ、植物に必要な光合成ができないので、両方必要ですよね。

そして3つめ。先の例で言うと、植物の光合成のために二酸化炭素は必要だけど、二酸化炭素は温室効果ガスと言われて、地球温暖化の原因なので多すぎると人間にとって困る。人類が健やかに暮らしていくのにやっぱりバランスが大事というのが解ります。

でもバランスを崩す状態って、ここまでは持ちこたえられるけど、この先はダメといった、境界値みたいなものがありそうですが、この境界値がほとんどの場合わからないから困ったものです。

境界値に達するまでは、普通まったく気づくことはないですからね。

そこで、この本の最後ではこんな言葉も記されています。

「我々は常に生態系全体のバランスを意識しながら行動すべきだ。」

人間が生態系になんらかの影響を与えると、必ずなんらかのバランスが変化するので慎重な対応が求められるということです。

例えば、田んぼの脇をながれる小川(水路)を管理のしやすいコンクリートに変更しようとした場合、どんなふうにバランスがくずれるでしょうか?

こういったことは、ほ場整備でたくさん行われてきましたが、失ったものはないのでしょうか?

この自然観が正しければ、バランスは変化して、何かを失っているはずです。

それは生物種の絶滅の話も当然ありますが、それだけではないでしょう。

それまであたりまえだった、何気ない景色だったり、小川のせせらぎだったり、その小川からあふれる子供の笑顔だったりね。

講演会で聴いた地域づくりの秘訣とは?

こんばんは。

先日、水辺からはじまる生態系ネットワーク全国フォーラムという講演会に参加してきました。

河川を軸とした生態系ネットワークを作ることで魅力ある地域づくりを
実施してきたいくつかの事例のお話を聴くことができました。
その中で、兵庫県豊岡市の中貝市町のお話がとても印象に残りました。

豊岡市の取り組み

豊岡市では、円山(まるやま)川流域においてコウノトリと人が共生する環境の再生を目指して多様な主体が連携してコウノトリの野生復帰を果たし、現在も活動をしています。

コウノトリといえば赤ちゃんを運んでくる幸せの鳥というイメージがありますよね。

しかし、そのコウノトリですが、生息環境の悪化により数を減らし、1971年に日本の空から姿を消したというのです。国内最後の生息地であった兵庫県豊岡市では、コウノトリの野生復帰に向けた取り組みが進められました。

例えばこんなこと…

  • 飼育下での保護増殖や放鳥
  • 「コウノトリを育む農法」と呼ばれる無農薬・減農薬農法の普及
  • 湿地の再生(ハチゴロウの戸島湿地)2012年7月にラムサール条約に登録

そして、現在はこの取り組みの結果個体数も187羽になったとのことです。

地域づくりの秘訣は?

パネルディスカッションでは、地域づくりの秘訣について聴くことができました。

同じ夢をみることが大事

この言葉はとても響きました。いざ再生に向けて多様な人が集まったとしても、それぞれに違った価値観をもっているというのです。

ある人は、環境が一番、ある人はお金が一番などと。

だからそこで対話を重ね、同じ夢を見る必要があると。

「環境をよくすると、経済がよくなる」という流れに持ってゆき、それが共有できれば、お金一番の人も味方になって行く。

そして、その夢は、思いを強く持っている人がトップを口説き落せれば話は次第に進んで行くと。

とても聴き入ってしまいました。

夢を持つことは素晴らしいことですが、自分の中だけで持っていてもダメなんですね。その夢をみんなに(特にキーとなる人にも)話し、どんだけ素晴らしいことが起きるかを語ることが大事なんですね。

自分の小川への思いと重なる部分があり、小川の素晴らしさを発信することはとても意義深いことなんだと改めて思うことができました。

最後にこんなお話もされていました。

川の水より魚が多かった」という70年前の話。

実際にはあり得ない表現かもしれませんが、70年前に比べて、我々は明らかに何かを失っているのです。

できることならその頃の川で遊んでみたいと思います。

我々はその時期に戻ることはできませんが、同じ時間をかければ、失ったものを取り戻せる可能性があるのです。

「川の水より魚が多かった」時代、見てみたいですね~

小川と切っても切り離せない「生物多様性」の問題

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか?

私は年末にかけて、「<生物多様性>入門」(鷲谷いづみ/岩波書店)を夢中で読んでおりました。

「地球温暖化」というキーワードは今や多くの人に知れ渡った境問題の1つだと思いますが、「生物多様性」の問題というと、まだまだ認知度の低い問題かと思います。
生き物のあまり興味のない私の妻や母に聞いても、やっぱり「生物多様性」という言葉は聞いたことが無いと。。。

小川の生態系にとって、切っても切り離せない「生物多様性」の問題。「生物多様性」の問題とはいったいどんな問題なのでしょうか?

生物多様性とは

一般的に次の3つの意味があると言われています。

  1. 生物の種類がたくさんあること。
  2. 同じ種類であっても、形や色彩や大きさ、行動の違いといった「個性」があること。
  3. 樹林・草原・水路・水田・ため池など、異なる性質の生態系が多く組み合わされていること。

生物の種類がたくさんあって、同じ種類でも個性がたくさんあって、樹林・草原・水路などの異なる性質の生態系が多く組み合わせれていると生物多様性が高いということになります。

生物多様性の問題とは

まず、人間の暮らしって、「豊かな自然」に支えられているってことはなんとなく理解できるのではないかと思います。

例えば、

  • 食料や燃料などの資源
  • きれいな水や空気
  • 災害防止機能
  • さまざまな喜びや楽しみ、癒し

などを、人間は豊かな自然から得ていますよね。

先ほどの生物多様性は、人間が得るこれら恩恵の源泉であることを認識しないといけません。だから生物多様性が低くなると、人間が得られる恩恵も減るということなのです。

では、今得られている恩恵を維持するために、現時点で人間に利用されている生物のみを保全すればよいのでしょうか?

答えはノーなのです。

現時点では人間に利用されていない生物も、将来よく利用される可能性があるのです。

古来より人間は、生物が環境に適応して獲得してきた形質(戦略)から学んできたといいます。

例えば、オナモミのかぎ状のとげは、マジックテープ(面ファスナー)からヒントを得ているそうです。そして、最近では、群れて飛ぶ鳥に関する理論から車の自動運転技術への応用が検討されているとか。

「生物が長い年月をかけて獲得してきた貴重な戦略情報を、人間がそれを解明し、認識し、利用し、楽しむひまもなく、絶滅によって永久に失わせてしまうことは愚かである。」という言葉に問題の本質が伺えました。

つまり、人間にとって宝であるこの戦略情報を、後世の人たちに残せないことは問題であるということなのです。

だから、生物多様性の保全が必要であるということだったんですね。

小川の生物多様性を考えるうえで、とても理解が深まった1冊でした。

より詳しく見てみたい方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

川にいるコイについて

こんばんは。

先日コイに関するお話を聞いたのでシェアしたいと思います。

コイを都市河川でよく見かける事があります。川に泳ぐコイを見ると「おっ、この川もコイが棲める良い環境になったか~」と感じている方が意外に多いようです。確かに池の錦鯉は昔から親しまれている観賞魚なので、その延長で川のコイもかわいがりたくなる気持ちは分かります。

何も知らなかった時の自分もそう思ってた時期がありました。それがいい事なのか悪いことかなんて、あんまり考えないし、教わる機会なんて滅多にないですもんね。

本来コイは大河川の下流域や大きな湖に生息すると言われ、河川にゴミを捨てさせない対策で都市の中小河川へ盛んに移入した例があり、実際に自治体がやっていたそうです。

しかしこのコイ、肉食に近い雑食性で、貝類や水生昆虫、他の魚の稚魚や卵、水草など、口に入るものは何でも食べてしまうので、その場所の生態系に少なからず悪い影響を与えるという事が後から認められるようになったのです。

悪影響を知ってか、さすがに最近ではコイの移入は無いそうですが、コイは長いと30年くらい生きるので、いまだに移入されたコイを見かける機会が多いのだとか。

コイだけがいる川がはたして良い河川環境と言えるでしょうか?少なくとも、いろんな生き物がいた方が良い河川環境と言えるような気がします。

よくコイにパン屑などの餌を与えている人を見かけますが、あまり宜しくないようです。コイの成長を促し、さらに根こそぎ食べることに繋がる可能性があるというのです。

そういえば以前、井の頭公園の池のコイに餌をあげるのが一種の名物になっていましたが、最近は、食べ残したパン屑が水質を悪くすることや、池の生態系を元に戻そうということで、コイへの餌やりは禁止されるようになってました。

コイに対する考え方は少しずつ見直しされているということを感じますね。。

今では希少種と呼ばれるような生き物や植物が、普通に見られるようになり、子どもたちが身近にあそべる小川が増えることを願っています。

 

 

特定外来生物 オオタナゴについて

こんばんは。

先日は、外来生物法における特定外来生物に追加指定されたオオタナゴの形態と取扱いに関する勉強会(主催:土浦の自然を守る会)に参加してきましたので、知らない人にも知ってもらいたいと思い記事にしてみました。

オオタナゴとは

皆さんは、オオタナゴという淡水魚をご存知でしょうか?

タナゴの仲間で、イシガイなどの二枚貝に卵を産み、産卵期のオスは体表が薄いピンク、腹部が薄い黒、尻ビレに白と黒の縞模様といった婚姻色を呈する魚(外来種)です。

2001年に霞ヶ浦で確認されて以来、爆発的に増えて、在来のタナゴ類(タナゴ、アカヒレタビラ)の生息が危ぶまれています。

これは、オオタナゴが大型になるため、産卵に使用する二枚貝争奪戦に在来のタナゴ類が負けてしまい、共存せずに、排他的にオオタナゴが増えているという事態が起きているからと考えられています。

そもそもなんで、オオタナゴが霞ヶ浦に侵入したのでしょうか?

いくつか説があるようですが、真珠養殖用として中国から輸入されたヒレイケチョウガイの卵や胚から浮出した説が有力のようです。

img_7512写真は今年生まれで体長約5cm。

特定外来生物へ指定

現在は霞ヶ浦だけでなく、千葉県、東京都、埼玉県、栃木県の利根川水系にも生息域が拡大しているということです。

そんなオオタナゴが、外来生物法における特定外来生物に追加指定され、2016年10月1日より、飼養、保管、運搬、放出、輸入等の規制が開始されました。

罰則には厳しく、例えば、
個人が「許可なく飼養等をした場合(愛がん(ペット)等の目的)
⇒「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」
個人が「許可なく野外に放った場合」
⇒「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」
一方、法人が「許可なく野外に放った場合」
⇒「1億円以下の罰金」

詳しくは環境省のホームページ「罰則について」に記載されています。

具体的な取扱い方

この日は、環境省の職員の方が講師として招かれていて、具体的な取扱い方を解説してくれました。

※以下、解説頂いた内容を記載しておりますが、法律的解釈を保証するものではございませんので、ご留意ください。

オオタナゴを釣ってしまったら

【キャッチ&リリース】
釣ったその場所へ放すことは規制されていません。「殺すことしたくない」と思う方は、放すのがよろしいでしょう。しかし、本来は「居てはいけない魚」であり、在来タナゴ類の生息を脅かす存在なので、釣ったその場所へ放つよりは、死に至らしめた方が生物多様性を高めることに繋がるでしょう。それと、「釣ったその場所」というのも曖昧な表現ですが、釣った河川・湖沼の河岸・湖岸と同じ岸であっても、明らかに遠い場所で放つ場合は、アウトになるとのことですので注意が必要です。

【運搬】
釣ってしまったオオタナゴを、釣った河川・湖沼の河岸・湖岸に隣接する道路に至らない範囲で生きた個体運び移すことは出来ます。ですが、生きた個体を持って、釣った河川・湖沼の河岸・湖岸に隣接する道路へ出たらアウトになるとのことですので注意が必要です。

釣った河川・湖沼の河岸・湖岸に戻すか殺処分することが明らかな状況で、数時間生きた個体を取り扱うことは出来ます。(食べるためとか殺処分するための運び移しはセーフとのことでした。)

弱らせる方向にあるかどうかはポイントで、エアーポンプを使って生きた個体をキープしていると弱らせる方向とは言えないのでエアーポンプの使用は避けた方が良いでしょう。

随伴移入

タナゴ類に関しては産卵母貝である二枚貝を媒介して、非意図的な移入が起こって問題になっています。霞ヶ浦へ移入された経緯も、随伴移入が疑われていることは先に述べました。

最近では、観賞魚店のみならず、水質浄化対策を目的として、二枚貝が流通・放流されています。二枚貝の購入や移動には、体中のタナゴ類の卵や胚の存在に注意しないといけません。

最後に

オオタナゴは、定着段階が「侵入初期/限定分布」にあることから、今回の追加指定によって、これ以上の分布拡大は絶対に阻止するという強い意志があるとのことです。

広く周知されて、在来タナゴ類が守られることを期待します。

img_7515写真は、勉強会の参加者がこの日釣り上げたオオタナゴです。この後オオタナゴは、主催者によって殺処分されたとのことです。

参考文献
萩原富司『外来種の防除:初期コントロールを目指して-霞ヶ浦におけるオオタナゴに関する調査-』

葛島一美・熊谷正裕『日本タナゴ釣り紀行』 つり人社

メダカの泳ぐ美しすぎる小川

こんばんは。

img_7439先日は神奈川県小田原市の酒匂川(さかわがわ)左岸に位置する田んぼへ行ってきました。一般社団法人おだわら農人めだかの郷が主催する「めだか米」の収穫ボランティアに参加するためです。

残念ながらこの日の収穫作業は雨のため延期になってしまったのですが、事務局長の山田さんと村田さん(めだかサポーターの会 事務局長)に周辺を案内してもらいながらお話を聞くことができました。どうもありがとうございました。

この団体は、野生のメダカの生息地を守るために、耕作放棄地となっている田んぼを利用して、低農薬で環境に配慮した米作りを行っています。最近では、酒米も作り、地元の酒造店と一緒に日本酒も手掛けています。「丹沢山 桑原」「左岸」というブランドで販売しており、すぐに売り切れになるほど人気だそうです。

環境保全活動というとボランティア100%のイメージが強いですが、ここでは米作り、酒造りという経済活動と結びついた活動が行われているため、利益の一部が環境保全活動にフィードバックされ、活動が継続しやすい状況が巧みに創り出されています。

田んぼと小川を行き来するための出入口

img_7448メダカの泳ぐ田んぼには欠かすことができないのが、この溝です。写真の左側が田んぼで右側が小川(水路)になります。既に田んぼは落水状態でありましたが、田んぼと小川の高さが同じ程度なのがお判りでしょうか?田んぼに水が張られている間、この溝は、メダカが田んぼと小川を行き来するための出入口となります。

昔はこういう風景があたりまえのようにあったのだと思うのですが、今じゃあまり見かけません。この出入り口がメダカにとって重要なんですねσ^_^;

田んぼの中の湿地

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写真は、田んぼの中のある湿地です。ヨシやジュズダマ等の植物が生い茂っていて底が見えませんが、水が溜まっている湿地です。なぜこんなところに湿地があるのかというと、冬場におけるカエルやクモなどの生息地を残しているためだそうです。夏場にはカエルやクモは、この場所から田んぼへ移動して、稲の害虫を捕食してくれるのだそうです。なので有益な生き物のために、冬場の生息地を確保しておくことはとても重要なことです。大学の研究チームがこの湿地からどれくらいのカエルやクモが田んぼへ移動しているのかを調査しているとのことでした。

常に水のある小川

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一般的な乾田では、刈り入れ前に田んぼの水を抜きます。これを落水と言います。落水後は、田んぼには水が必要ないので、水路へ流す水を止めてしまうそうです。しかしここでは、冬でも水路に水があります。この地域の水路は湧水が豊富で比較的水温が高いので、メダカの冬越しに適しているそうです。

 

これまで小川を探していくつもの田んぼへも足を運びましたが、水路が3面コンクリート&冬場は水がないといった水路をたくさん目にしてきました。なので、昔ながらの素掘りの水路&冬場でも清らかな水が流れているこの場所を見て、とても感動しました!

このような田んぼと小川がもっと増えていって欲しいと思います。

そして小川を増やすには、農業のあり方を変えていかないといけないんだと思います。

最後に、あめんぼ目線動画を撮りましたので宜しければご覧ください^^

お魚がピョンピョン跳ねてます!

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

発見!さいたま市の芝川で見たものは?

こんばんは。

先日、実家があるさいたま市の芝川に行って来ました。

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見沼たんぼの自然が多く残るこの場所は、川沿いをのんびりと歩くのがとてもおススメです。

私は大宮第二公園付近の川沿いは馴染みが深く、ひょうたん池と呼ばれる調節池に小学生の頃、よく釣りに行きました。クチボソやフナを釣った記憶がとても懐かしく思います。

ただ、当時の芝川はドブ川と呼ばれており、汚れた川の印象しかありません。

さいたま市のデータ(芝川 八丁橋のデータ)をみると

下水道普及率/河川水質(BOD値)
昭和45年:約6%/約40mg/L
平成26年:91.5%/3.5mg/L

とあり、下水道普及率とともに、BOD値は改善されているのが分かります。

BOD(生物化学的酸素要求量)とは、最も一般的な水質指標のひとつで、水中の有機物が微生物の働きで分解される時に消費される酸素の量を表したものです。BODの値が高いと、水中の有機物が多く、水質が悪いことになります。5mg/L以下だと、コイ・フナが生息できる環境だと言われています。

一般的にBODが10mg/Lを超えると、ドブ臭を感じると言われていますので、今こうして考えると、ドブ川と呼ばれる所以が理解できました。

下水道普及率100%に近づき、さらなる水質向上をして欲しいなと思います。

そんな芝川は私がよく訪れる場所ではありましたが、実際に川に入ったことがなかったので、今回初めて、胴長を着て芝川に入ってみました。

えっ、こんなにあるの?粗大ごみ

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川に入ってみると、水深30cm程の川底がはっきり見えるほど透明度があるのに驚きました。

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だけど、それ以上に驚いたのが、川に不法投棄された粗大ごみの数々です。

バイク、お店のレジ、車のバッテリー、毛布、丼ぶりの器...

とても残念な状態でした。

不法投棄はぜったいにやめましょう!

今度ゴミ拾いをしないといけないなと強く感じました。

えっ、川底のこの穴は?

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川岸に近い川底をみるとなにやら直径10cm程の穴がいくつも空いているのが見られました。

ザリガニの巣穴か?なども考えましたが、これは甌穴(おうけつ)かと思われます。

長瀞の甌穴は日本一大きいということで有名だそうですが、そんな自然現象がさいたま市の芝川で見られたので、ちょっとびっくりしました。(^^;;

写真では水面が揺れていて分かりづらいですが、穴の中に小さな球形のものが見えます。この球形のものが渦流によって回転し穴が拡がっていると思われます。河床は粘土質であったので削られ易いでしょうね。

生き物

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橋の上から覗くと10cm程度の小魚の群れが、お食事中のようで、藻類を食べている様子が伺えました。

丼ぶりの器の近くに集まっているのは単なる偶然です。

なんの魚なのか同定を試みようと釣りをしていた私に、散歩中の男性が声をかけてくれました。男性の話によると、普段はあまり小魚の群れを見かけないのですが、先日の大雨のときに、貯水池と川が水量調整のためつながった際に、池から小魚が移動したのではないかと言っていました。

なるほど、貴重なお話ありがとうございました!

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それから、草に覆われているような場所に隠れていました。スジエビでしょうね。

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増水時の流れで横たわってしまったと思われるのですが、マコモだと思います。

周辺を探してもマコモらしき群落が見当たらなかったので、この周辺では減少傾向にあるのかもしれません。

まとめ

今回、初めて芝川に入って、さまざまな発見ができました。

やっぱり上から眺めるだけでなく、川と同じ目線で見ないと見えてこないものもあるのだな~と改めて感じました。

私のふるさとの唯一の里川を「あそべる小川」にできないかと強く思うようになりました。

大宮第二公園の周辺の芝川には、親水性のある緩斜面の護岸がないので、この周辺に是非ともあそべる場所を作ってみてはどうかなと思いました。

 

三宝寺池のヘドロを再利用してみる(その2)

こんばんは。

前回に引き続き、三宝寺池で採取したヘドロの再利用を研究中です。

ヘドロは確かにドブの臭いがしましたが、きっとリンや窒素を多く含んだ肥料になるのではと期待しています。

生活排水が流れている川底から採取したヘドロだと、有毒な化学物質が含まれている可能性がよく指摘されています。

しかし、この三宝寺池の水源付近では、生活排水が流れる様子は全くないので、有毒化学物質の含まれる可能性は低いのではと思っています。

三宝寺池のヘドロを取り除くことで、どんな効果が期待できるでしょうか?

水質が浄化される

  • 水中に溶けだすリンや窒素が減る⇒池のリンや窒素減る。
  • 池のリンや窒素減る⇒水中の植物プランクトンが減る。
  • 水中の植物プランクトンが減る⇒池の透明度が上がる。(きれいな水)

池の生物多様性が増す

  • 池の透明度が上がる⇒光が水中に良く届き水草が育つ
  • 水がきれいになる⇒昔いたきれいな水を好む生物が生息できるようになる。
  • ヘドロを取り除く⇒池底の酸欠状態が回復する。
  • 池底の酸欠状態が回復する⇒二枚貝などが生息しやすくなる。

肥料として利用できる

  • ヘドロを肥料として利用する⇒おいしい野菜が育つ

どうでしょう?とっても良いと思いませんか?

まずは、家庭菜園のゴーヤとキュウリに肥料として使用してみたいと思います。

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まずはブルーシートに広げて、2、3日天日干しします。

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天日干しの後、白っぽい色に変わってきました。

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枝や葉の大きいものはふるいにかけて取り除きます。

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これだけ見ると、もはやヘドロから作られたとは思えません。いい感じです。

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これををプランターの土に混ぜてゴーヤとキュウリを植えました。

野菜つくり素人の私が試行錯誤しながらやっておりますが、果たして良く育ってくれるのでしょうか。