こんばんは。
先日、水辺からはじまる生態系ネットワーク全国フォーラムという講演会に参加してきました。
河川を軸とした生態系ネットワークを作ることで魅力ある地域づくりを
実施してきたいくつかの事例のお話を聴くことができました。
その中で、兵庫県豊岡市の中貝市町のお話がとても印象に残りました。
豊岡市の取り組み
豊岡市では、円山(まるやま)川流域においてコウノトリと人が共生する環境の再生を目指して多様な主体が連携してコウノトリの野生復帰を果たし、現在も活動をしています。
コウノトリといえば赤ちゃんを運んでくる幸せの鳥というイメージがありますよね。
しかし、そのコウノトリですが、生息環境の悪化により数を減らし、1971年に日本の空から姿を消したというのです。国内最後の生息地であった兵庫県豊岡市では、コウノトリの野生復帰に向けた取り組みが進められました。
例えばこんなこと…
- 飼育下での保護増殖や放鳥
- 「コウノトリを育む農法」と呼ばれる無農薬・減農薬農法の普及
- 湿地の再生(ハチゴロウの戸島湿地)2012年7月にラムサール条約に登録
そして、現在はこの取り組みの結果個体数も187羽になったとのことです。
地域づくりの秘訣は?
パネルディスカッションでは、地域づくりの秘訣について聴くことができました。
同じ夢をみることが大事
この言葉はとても響きました。いざ再生に向けて多様な人が集まったとしても、それぞれに違った価値観をもっているというのです。
ある人は、環境が一番、ある人はお金が一番などと。
だからそこで対話を重ね、同じ夢を見る必要があると。
「環境をよくすると、経済がよくなる」という流れに持ってゆき、それが共有できれば、お金一番の人も味方になって行く。
そして、その夢は、思いを強く持っている人がトップを口説き落せれば話は次第に進んで行くと。
とても聴き入ってしまいました。
夢を持つことは素晴らしいことですが、自分の中だけで持っていてもダメなんですね。その夢をみんなに(特にキーとなる人にも)話し、どんだけ素晴らしいことが起きるかを語ることが大事なんですね。
自分の小川への思いと重なる部分があり、小川の素晴らしさを発信することはとても意義深いことなんだと改めて思うことができました。
最後にこんなお話もされていました。
「川の水より魚が多かった」という70年前の話。
実際にはあり得ない表現かもしれませんが、70年前に比べて、我々は明らかに何かを失っているのです。
できることならその頃の川で遊んでみたいと思います。
我々はその時期に戻ることはできませんが、同じ時間をかければ、失ったものを取り戻せる可能性があるのです。
「川の水より魚が多かった」時代、見てみたいですね~