カーゴ小川 のすべての投稿

1974年生まれ。近所の東久留米市を流れる落合川が大好き。この落合川のように、生き物を捕ったり、水に入ったりしてあそべる小川をもっと増やせたら良 いなと思い活動を開始。自分なりの「あそべる小川」を増やす活動の一環として、本サイトを立ち上げる。東京近郊の小川100箇所めぐりが目標。 「あそべる小川」について日々発信しています。小川に関心のある方からの書き込み大歓迎です。

水鉢で稲を育てる〜作り方とボウフラ駆除の方法~

今年でバケツ稲栽培歴は5年目。正確には、バケツというよりもむしろ不要になった鍋を栽培に多用してきたところはある。ただ古びた鍋が多く並ぶよりは、水鉢の方が見た目が良いので、今年はしばらく放置していた水鉢を使って稲を育てることにした。

準備するもの

  • 水鉢
  • 稲の苗

作り方

      1. まずは、水鉢に土を入れる。どれくらい土を入れるかはお好みで調整すればよいが、私の場合、田んぼと小川がコンセプトであるので、田んぼエリアと小川エリアの2区画をイメージし、2/3程度(田んぼエリア)に土を入れ、1/3程度(小川エリア)には水深が深い場所を用意した。なお後日、メダカを入れることも想定している。
      2. 1/3程度の小川エリアの底には、薄く砂を敷く。
      3. 盛った土の境界には、土が崩れないように、石垣のように石を積む。
      4. その後、苗を植える。植える苗は購入してもよいが、事前に育てておくことをお勧めする。4月中旬から下旬にかけて籾を撒いておけば、比較的簡単に育てることができる。今回、ここへ植えたのは、香り米の一種であるシフク。香りがとても良く、比較的たくさん穂をつける種類だ。

5. 最後に水を入れれば完成

ちょうど以前育てていたヒメホタルイがあったので、小さめの鉢に植えて、これも水鉢の中へ入れた。

3週間後、ボウフラが発生

稲は生長を続け、分けつは3本になっていた。まずまずの生長かと思う。

そして、この日、水の中をよく見るとボウフラがたくさんいた。そう蚊の幼虫であるボウフラだ。目視でざっと数えると30匹以上はいそうだった。これら全部を成虫にさせるわけにはいかない。

そこで、庭にあるプラ船の田んぼ池にいるメダカにボウフラ駆除のご協力をお願いすることにした。

始め4匹を投入。彼らは勢いよくボウフラを食べていたが、しばらくして、お腹一杯になったのか、あまり食べていないように思えたので、選手交代。さらに別の10匹を投入した。1時間もしないうちにあんなにたくさんいたボウフラが、ほとんど見えなくなったのだ。

思った以上の活躍をしてくれた。これからメダカの産卵の時期になるので、たくさん栄養をとってくれたのではないかと思う。

では、メダカはどんな様子でボウフラを食べるのだろうか?その様子は動画でご覧いただきたい。

この時期は、水があるとどうしてもボウフラが発生しやすいが、メダカがいればボウフラの発生を抑えてくれるはずだ。だから水鉢田んぼにもメダカがいて欲しい存在である。ただ注意したいのは、水鉢田んぼを作ってから直ぐにメダカをいれないことだ。十分に微生物とか藻が増え、自然に近い環境が整ってから投入したい。水鉢田んぼを作って3週間経過するが、もう少し、微生物や藻が増えてきてから、メダカも一緒に育てたいと思う。

籾の直播をやってみた

昨年より田んぼを借りて、自然農でのお米づくりを行なっている。自然農では、苗床で稲の苗を作り、耕していない田んぼに苗を一本づつ手で植えていく。栽培できる範囲は限られるかもしれないが、身一つあればすぐに始められるやり方だ。

私が借りている田んぼの広さは1畝より小さいが、それでも、手で植えていくには2日程度かかってしまう。そこで、この労力がもし減らせるものなら減らしてみたいと思っており、今年は、籾の直播を一部で試しているところだ。

播いた籾の種類

今年は、香り米(シフク)、黒米(チベット黒)、赤米(カンニホ)3種類の栽培に挑戦している。それぞれの種類について、3条づつ直播し、それ以外は苗を植えることにした。

籾の播き方

籾を播いた時期は、苗床を作った時と同じく4月11日であったが、気温が低い日が多かったため、発芽は遅く、5月初めであった。播くのが少し早かったかもしれない。

既に区画の周囲の溝には用水からの水が入っており田面は程よく湿っている状態になっていた。籾を播く場所は、雑草のとの競合を避けるために、15cm程クワで表土を薄く削った。こうする事で、生えている雑草と雑草の種を取り除く効果を期待できる。そこに株間20cmで籾を一粒ずつ播き、軽く土をかけ、最後に藁を薄く被せて、表土を保湿した。

その後の苗(シフク)の様子

5月17日、発芽して約2週間、敷き藁の隙間から稲の幼苗がツンと伸びているのをいくつか確認した。敷き藁のお陰で、稲の周辺の雑草が抑えられているようだ。

5月31日、葉が2枚に成長していた。雑草に紛れているため、発芽率がどのくらいなのかこの時点では不明であったが、籾を播いた箇所全てから芽が出ていないようだった。

6月20日、稲の苗と雑草を見分けながら、注意深く雑草を刈った。この作業は、とても神経を使う難しい作業であるが敷き藁のエリアから生えているかどうかで、ある程度稲と雑草を見分ける事はできる。しかし、敷き藁エリアに生えている稲によく似た雑草(ヒエ)もある訳で、これらは、触った時の硬さ、ヒゲの有無などを頼りに見分けることになる。分かっているつもりでも、時々迷う時もあり、雑草を愛情たっぷりに育てているケースが今後あるかもしれない。

雑草が無くなり見通しが良くなったところでようやく苗の生存率が見えてきた。約5割といったところだ。予想以上に低かった。今思う反省点であるが、5割の生存率であれば、1箇所に2-3粒播いておけば、全ての場所で苗が残ることになる。来年の話になってしまうが、次はそうしたいと思う。やってみないとなかなか気付けなかった課題であった。

直播エリアは発芽しなかった場所が半分くらいあるので、カモが着水するのに絶好の場所となってしまう可能性がある。着水しやすい水面を減らすために補植しておきたいところだったが、直播苗と移植苗の区別しておく管理が煩雑になりそうだったので、補植はせずに替わりにカモ着水除けの棒を挿しておいた。カモられないことを祈るばかりだ。

さて、ちゃんとお米ができるかは収穫時期まで待たなければならないが、籾の直播でもある程度いけるんではないかという感触が少し得られた気がする。今後の成長を見守りたいと思う。

庭の田んぼ池リポート2020年

今年で3年目となる我が家の田んぼ池では、ミナミメダカが元気に泳いでいる。

田んぼ池と勝手に呼んでいるが、プラ舟で作った池の半分を田んぼにしているから、そう呼んでいる。元々は、田んぼと小川の生態系の再現がコンセプトで始めたものだ。実際には小川のように水の流れがある訳ではないが、田んぼと小川の世界観というか日本の原風景を自宅で楽しんでいる。

この田んぼ池では、メダカが卵を産み、稚魚が成長し、また卵を産むといった自然の営み、そして稲穂を収穫し、種籾から作った苗を植え、また収穫したお米を頂くといった米作りの営みが、同時に体験できる。これが、この田んぼ池の最大の特長だ。

稲の種まきから今の状況

1年目、2年目ともに苗床で育てた苗を田んぼ池へ植えていたが、今年は、やり方を変えて、種籾を直接田んぼ池に播いた。この田んぼ池のサイズでは、どっちのやり方でも、大して手間は変わらないが、育てた苗を植える場合は、根が活着するまでに一週間くらいかかるので、活着するための余計なエネルギーがかからない直播の方が成長に有利な気がしている。

播いた種籾は、昨年、実際の田んぼで収穫した古代米(紫黒米)だ。古代米の方が、雑草的な強さを持っていると聞いたことがあるので、古代米を選択した。植えたつもりない場所で、以前の収穫時にこぼれた種籾が、ふさふさと実をつけていた事も、雑草のような強さを持つことを裏付ける。

種籾を播いたのは、4/12。昨年より10日程早く播いた。昨年、早く種まきした人が、良い収量を得たというのを聞いて、今年は自分も早く播こうと思った訳だが、今年は雨が多く気温がなかなか上がらなかったせいか、発芽も生育も遅かった。同じ話を仲間内からも聞いたので、全般的な状況のようであった。そして、5月初旬にようやく芽が出て、今はだいぶ育っている。

ちなみに、冬場に田んぼに水を張る(冬期湛水)ことによって、翌年も古株から稲が発生するという現象のことを昨年知り、とても気になっていたので、古株を田んぼ池の中にそのままにしていたが、さすがに新しい芽が出てくる気配はなかった。必要な条件を今後調べてみたいと思う。

メダカと池の状況

この田んぼ池のメダカはおよそ10匹程度が育っている。1年目も2年目も10匹程度であったが、増えすぎたりすることもなく、このサイズの環境に適した個体数が自然に調整されているような気もする。

池の中にはマツモを入れているが、勝手に増殖してきたのが正体不明の藻だ。池の作った初期の頃は、池の水が緑色になったり、アオミドロのような糸状の藻が優先し、マツモに絡まり、取り除くのも面倒であったが、今は、水も透明で、糸状の藻よりこの薄く面状に広がる藻が優先している。この薄く面状に広がる藻の方が、除去するのも簡単であるので、個人的には、こっちが優先してもらった方が都合が良い。見た目は悪いが、藻なので、池に酸素を提供し、そして、水に溶けた栄養分を吸収してくれる存在だ。見た目重視ですぐに除去するよりは、ある程度成長した後にこの藻を池の外に除去した方が、池の水の富栄養化防止にも繋がると思う。池の富栄養化防止の意味では、稲もその機能を担っている。池の藻や稲は池の水の浄化システムの一部になっているのだ。

今後の成長もまたリポートしたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その17〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、作成した自動電圧測定システムを活用し、条件を一定にした状態で、お酢やピルクルを投入した場合の性能を測定した。お酢の投入では、性能向上の傾向がみられたが、時間の経過で元の性能に戻ってしまうことが確認された。一方、ピルクルの投入では、少量であれば一定の性能向上が見られたが、量によっては、逆に性能が低下してしまう事象も発生した。この性質が再現性のあるものなのかは、いづれまた見ていきたいと思う。

今回は、お酢もピルクルも投入しない状態を自動電圧測定システムを使って確認しておきたいと思う。お酢やピルクルの投入以外の要因で性能向上したのではないことを改めて確認しておきたいからだ。また、システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も持たせるようにして、電圧変化の様子も把握してみようと思う。

お酢もピルクルも投入しない状態

使用したのは、電池No.31とNo.32の2つ。

上の折れ線は、電池No.31の7日間のIV特性である。測定1日目のデータは少し低めではあるが、およそ、変化がない結果が得られた。

一方、上のフラフは、電池No.32の7日間のIV特性である。こちらは、1kΩや680Ω接続時の性能が、理由は不明だが、時間の経過とともにやや低下した。

どちらのグラフでも、性能の向上はみられず、やはり前回の結果では、お酢やピルクルの投入が要因で性能向上したと言えると思う。

24時間連続電圧監視

自動電圧システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も追加した。2つの電池を同時に測定できるように、これまで1チャンネルだけであったが、2チャンネル分の電圧が測定できるようにプログラムを変更した。

上のグラフは、電池No.31、No.32における、5月28日の0時から24時間電圧変化を示す。6時と7時には、それぞれ電池No.31とNo.32に対して、負荷抵抗を繋ぐ機能が同時に動いているため、その時の電圧変化の様子も視覚的に捉えることができた。

この結果を分析すると、負荷抵抗を繋ぎ終えた後、およそ10~11時間で負荷抵抗を繋ぐ前の開放電圧の状態に回復することがわかった。また、1時間で、負荷抵抗を繋ぐ前の平均値の90%以上回復し、2時間では、95%以上回復することも分かった。

No.31の電池に負荷抵抗を繋ぐ6時から3時間をクローズアップしてみよう。

グラフの不連続点は、負荷抵抗(2kΩ、1kΩ、680Ω)を繋ぐタイミングと負荷を開放するタイミングである。このグラフを眺めていて、今更ながら気づいてしまったが、抵抗を繋いで電圧が安定したときの電圧を測定するつもりであったが、全く安定していない状態でどうやら測定をしていたようだ。例えば2kΩの抵抗を繋いで10分の時点ではグラフは平衡状態(横ばい)にはなっておらず、描く曲線を予想すると、おそらく30~40分程の待ち時間が必要なのかもしれない。実は、なんとなく10分では安定していないかもと感じていたが、データでみるとハッキリと分かってしまった。自動電圧測定システムを作った甲斐があったということだろう。

まぁ、今更仕方ないというのもあるが、同じ条件で測定さえできていれば、相対的な変化は分かる訳なので、とりあえずこのままの条件でやってみようと思う。

さて、次は、この電池に対して、お酢を投入する実験を再度行ってみたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その16〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、電圧の測定条件を一定にすること、そして測定の手間を大幅に減らすことを目的として、自動で電圧を測定し、測定結果をスマホのLineへ送信するシステムを構築した。次のステップとして、このシステムを使い、お酢や乳酸菌飲料の投入で電池性能がアップするかを再度確認していきたいと思う。

お酢・ピルクル投入実験(続き)

測定する電池は、以前の実験で使用したNo.33(写真左)とNo.34(写真右)。No.33にはお酢を、No.34にはピルクルを、小さじ一杯程度、電池の左上1ヶ所から投入したものだ。

この電池に対して、自動電圧測定システムによって電圧を測定した。結果を次に示す。

I-V特性 No.33 お酢投入(1ヶ所から)

上のグラフは、電池セルの右上1ヶ所からお酢を投入した場合のI-V特性である。グラフの見方であるが、折れ線が右上にいくほど性能が良いという意味となる。4月22日の折れ線は、お酢を投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムを定時起動させる連続運転状態にまだなっていなかったため、測定日と測定時刻が揃っていないのだが、参考程度に結果を見ていきたい。

お酢投入後、およそ性能が向上したことが認められたが、単純にお酢投入の効果なのかは断定することはできない。電流を流すことによって、少しづつ性能が上がることもあるので、今後の実験で切り分けていきたいと思う。

I-V特性 No.34 ピルクル投入(1ヶ所から)

一方、上のグラフは、電池セルの右上1ヶ所からピルクルを投入した場合のI-V特性である。お酢の場合と同様に、ピルクルを投入する前のデータとして4月22日のデータを載せている。4月22日のデータは、性能が低い状態からのスタートになっていたが、ピルクル投入後、およそ性能が向上したことが認められた。しかし、5月13日のデータは、これまでの上昇トレンドから急に低めの性能を示した。測定した時間が他と違い5月13日は夕方(17時)であったという違いがあるのだが、原因を探るにはやはり、条件を揃えて不安要素を取り除いてやらないといけないだろう。

お酢・ピルクル投入実験(3ヶ所から追加)

さて今度は、お酢とピルクルを再度投入して、測定システムを毎朝定時に起動する実験を行った。使用する電池は、前回と同じ電池。

No.33にはお酢を、No.34にはピルクルを、小さじ一杯程度投入するが、投入する箇所は、電池の四隅のうち、別の3ヶ所から投入した。(投入量は1ヶ所で小さじ1/3程度)泥の中のアノード電極に、なるべく均一に投入する液が届くようにする狙いからだ。

I-V特性 No.33 お酢投入(3ヶ所から追加)

上のグラフにおける、5月14日以降の折れ線が、電池セルの四隅のうち別の3ヶ所からお酢を投入した場合のI-V特性である。4月22日の折れ線は、お酢を1か所から投入する前のデータであり、5月13日の折れ線は、お酢を3か所から投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムは、毎朝6時に起動させているので、測定条件がより揃った状態にすることができた。結果、お酢を1ヶ所から投入した時(5月13日の折れ線)よりも、さらに性能の向上が認められた。

しかしながら、上のグラフのように、5月19日をピークに性能は徐々に下がり、お酢を3ヶ所から投入する前の状態(5月13日の折れ線)に戻っていった。このことから、お酢投入後による性能向上は、電流を流すことによる性能向上だけの話ではなく、やはりお酢の効果によるものもあると思われる。そして、その効果は、6日程度でピークに達し、10日程度で効果は消えてしまうようである。この考察が正しいとするなら、効果の持続はとても儚い。

I-V特性 No.34 ピルクル投入(3ヶ所から追加)

一方、上のグラフにおける、5月14日以降の折れ線が、電池セルの四隅のうち別の3ヶ所からピルクルを投入した場合のI-V特性である。4月22日の折れ線は、ピルクルを1か所から投入する前のデータであり、5月13日の折れ線は、ピルクルを3か所から投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムは、毎朝7時に定時起動させている。

結果であるが、思ったようにならず、性能が徐々に低下してしまった。これは、米ぬかを投入したときの結果と同様な状態に陥ってしまったようだ。米ぬかは、乳酸菌といった有用微生物の餌になるので、畑に撒いて使用されるのだが、電池に関しては、乳酸菌が電池の性能向上には良い影響を与えていないような気がする。ただし、1回目のピルクルの投入では、特に性能低下は認められなかったので、乳酸菌は全くダメということにはならないが、投入量が多めになると、乳酸菌が優先し始め、電流発生菌達が劣勢になったということも考えられるだろう。

今回、お酢投入で性能向上の傾向がみられたので、お酢の成分である酢酸を餌とするGeobacter属の電流発生菌がそもそも優先していたという考え方もできる。この考えが正しいとすれば、どんな電流発生菌が優先しているかを調べる一つの指標として使えるのかもしれない。

続く。

 

 

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その15〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、電流発生菌の餌となりうるお酢や乳酸菌飲料を入れることで電池の性能が上がるか実験したが、思った結果が得られなかった。性能を測る上での測定条件がばらついていることや、測定データが少ないことが原因の可能性もあるので、この辺りの懸念を取り除くよう、自動で電圧を測定できる仕組みを構築しようと思う。

実現したいこと(要求仕様)

  • 電池のI-V特性を測るため、開放電圧及び、負荷電圧を自動で測定する。測定は、一定時刻(AM6:00)に開始し、以下4つの状態の電圧を測定する。
    1) 開放状態
    2) 2kΩ抵抗接続時
    3) 1kΩ抵抗接続時
    4) 680Ω抵抗接続時
  • 負荷抵抗を接続した後は、電圧が安定するまで一定時間待ち、その後、電圧を測定する。
  • 負荷電流は、接続する抵抗が既知であることからオームの法則で求める。I=V/R
  • 測定が完了したら、測定した電圧値及び求めた電流値をスマホへ通知する。

※I-V特性のフラフは、上記1)~4)の状態の電圧・電流から手動でグラフを作る。将来的には、グラフの作成も自動化したいと思う。

システムの概要

上図は、要求仕様を満たすためのシステムの概要となる。小型コンピュータであるRaspberry Pi3に、AD変換モジュール(アナログ値をデジタル値へ変換するモジュール)を接続し電圧を測定する。AD変換モジュールは、4チャンネル/分解能16ビット/I2Cインターフェース対応のADS1115のチップを搭載したモジュールを使用。アナログ値からデジタル値へ変換された電圧データはI2Cインターフェースを経由してRaspberry Pi3で取得する。

また4つの状態の切り替えはリレーモジュールによって実現する。リレーとは電磁石を利用したスイッチである。スイッチなのでオンとオフの状態を切り替えられる。例えば下図で考えると、リレー1のスイッチをオン、リレー2のスイッチをオフとすると、電池には抵抗1がつながる。また、リレー1のスイッチをオフ、リレー2のスイッチをオンとすると、電池には抵抗2がつながる。リレー1とリレー2のスイッチを両方オフにすると、電池には抵抗がつながらない状態、つまり開放状態になる。

なので、3つのスイッチを使えば、1)抵抗を繋げない状態(開放状態)、2)2kΩ抵抗を繋いだ状態、3)1kΩ抵抗を繋いだ状態、4)680Ω抵抗を繋いだ状態を作り出すことができる。それぞれのリレースイッチの状態は、Raspberry Pi3の信号(GPIO)から制御できる。

リレースイッチをオン・オフするためのGPIOの制御、測定した電圧を得るためのI2Cインターフェースの制御、そして、電圧データをスマホへ送信するためのLine Notifyの制御は、Python3のプラグラムを作成し、そのプログラムを定時に起動する。

完成したシステム

上の写真は、自動で電圧を測定するシステム概観である。朝06:00にPython3のプログラムが起動し、4つの状態の電圧を測定したあと、計算で求めた負荷電流とともにLineへメッセージが送られるようになった。

これまで、電圧計を使って手動で測定していたが、私が寝ている間にも、自動で測定してくれるので、とても楽になった。

現状は1台の電池の測定しかできないが、リレーモジュールを増やせば同時に複数の電池の測定も可能となるだろう。しかし、実験している電池は2台であるので、電池を繋ぎ変えることで十分対応ができる。06:00と07:00にPython3プログラムを2回起動するようにしておけば、私がやることはたった2つだ。

  1. 1回目の測定が完了する06:30にLine Notifyからのプッシュ通知がスマホにくるので、この音で目覚める。
  2. そして、次の測定が始まる07:00までの間に、別の電池へ繋ぎ変える。

電池の繋ぎ変え作業があると思うと2度寝が絶対にできないので、軽い使命感のもと早起きができて、朝の時間を有効に使うことにも役立っているように思う。

作り方を知りたい人は、以降の記事も読み進めてほしいと思う。

使用した部材

  • Raspberry Pi 3 x1
    OS: Raspbian GNU/Linux 8.0 (jessie)
    Python: 3.6.9
  • AD変換モジュール(HiLetgo 2個セット ADS1115 4チャンネル 16ビット I2C ADC モジュール ゲインアンプ Arduino Rpiと互換) x1
  • リレーモジュール(SODIAL(R) 4チャンネル5Vリレーモジュール) x1
  • 抵抗 2kΩ x1、1kΩ x1、680Ω x1
  • 線材
  • みのむしクリップ x2

接続方法

I2Cのスレーブアドレスは、ADDRピンを繋ぐ場所によって4種類から設定できるが、今回はVDD(+3.3V)へ繋ぐことで0x49とした。

また、差動入力A0-A1を電池の+と-に接続して電圧を測定した。

Raspberry Pi3の初期設定

I2Cの有効化

以下コマンドを入力し、Raspberry Pi3の初期設定画面を起動する。Interfacing Options->I2CからI2Cを有効化する。

$ sudo raspi-config
ライブラリのインストール

以下コマンドを入力し、ライブラリをインストールする。

$ pip3 install adafruit-circuitpython-ads1x15
以下コマンドを入力すると、ライブラリがインストールされていることが確認できる。
$ pip3 list
Adafruit-Blinka
adafruit-circuitpython-ads1x15
adafruit-circuitpython-busdevice
Adafruit-PlatformDetect
Adafruit-PureIO
詳しくは、Python & CircuitPythonを参照。

Line Notifyの初期設定

Line Notifyを使ってRaspberry Pi3からスマホのLineへメッセージを送るには、次の設定が必要になる。

  1. スマホのLineアプリで、メッセージを受け取るためのトークルームを作る。
  2. 次に、LINE Notifyのホームページからログインした後、マイページの「アクセストークンを発行」によってアクセストークンを発行する。発行の際に、トークン名(通知の際に表示される文字)と通知を送信するトークルーム(1で用意したもの)を入力する。発行されたアクセストークンは、Python3のプログラムで使うので、メモ帳などにコピーしておく。
  3. LINE NotifyのLINEアカウントを、1で用意したトークルームに招待する。

作成したコード

プログラムの定時起動

プログラムを定時に起動するには、crontabファイルを編集する。以下のコマンドを入力するとエディタが開く。

$ crontab -u pi -e
一番下の行に次のコードを記述し、保存する。なお、私の環境では、Ppython3のパスが通ていなかったので、フルパスで指定した。(/usr/local/bin/python3)

以上で、毎朝6時と7時にプログラムが起動し、システムが電圧を測定することができる。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その14〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、米ぬか投入実験が思うようにいかなかったので、微生物の餌となる乳酸や酢酸を投入することで性能アップができるのかの実験をしたいと思う。

使用したのはこちらのお酢と乳酸菌飲料。それぞれ酢酸、乳酸が入っているはずである。これらをアノード電極の周辺に送り込んでやれば、電流発生菌の餌が増えて、電流発生菌がより多くの電流を発生すると期待している。

投入方法

アノード電極に酢酸や乳酸を送り込むには、アノード電極より上に被さっている泥を一度取り去ってやる必要がある。しかし、泥を取り外すと、アノード電極が空気に触れるため、嫌気状態になっていた環境が壊れることになる。壊れた環境が復活するまでには数日はかかるので、できれば環境を壊さずに酢酸や乳酸を送り込みたい。

そこでストローを使って直接アノード電極に送り込むことを試そうと思う。ストローは、タピオカドリンクを飲んだ時に使った太めのストローだ。細いストローよりは、液を送りやすいと思うからだ。懸念は、一か所から送り込んで、アノード電極にちゃんと広がっていくかだ。たぶん、ストローの周辺だけにしか広がらない気がする。なので、ダメな場合は複数個所からストローで液を送り込むことも考えたいと思う。

実験条件

2つの電池セルを使った。No.33(写真左)にはお酢を、No.34(写真右)にはピルクルを投入した。量はどちらも小さじ一杯程を電池セルの左上一か所から送り込んだ。

実験結果

4月22日の折れ線が投入前の結果で、4月28日の折れ線が投入して6日後の結果である。ピルクル投入では結果に大きな変化が見られなかったが、お酢投入では、投入後の結果が悪くなっていた。

気になっているのが、抵抗を繋いで電圧を測定するまでのの時間を10分以上とっていたが、待っている間に一時間経ってしまうこともあり、条件があまりそろっていないことがあったことだ。なので、測定までの時間が揃っていないことが、データにばらつきが発生している原因になっている可能性もある。

改めて条件を揃えたいと同時に、もう少し継続して経過を見たいと思うので、自動で測定できるシステムを作成して、今後の測定に臨みたいと思う。

次回、自動電圧測定システムの電子工作についてお伝えする予定。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その13〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

電池セルの性能アップを模索する中、電池セルのヘドロに米ぬかを投入することで、性能アップできるかを試すこととした。そこで前回は、現状の電池セルの性能測定した。今回は米ぬかを投入し、電池セルの性能測定する。

米ぬか投入方法

米ぬかの投入方法であるが、まずカソード電極を取り外し、アノード電極の上にあるヘドロを一度取り出し、米ぬかを5gをアノード電極の上に振り撒く。表面のヘドロと撒いた米ぬかをヘラで軽く混ぜる。その後、ヘドロを入れ戻し、カソード電極を取り付ける。

この方法により、電池セルNo.35およびNo.36の2つについて実施した。

結果

電池セルのそれぞれには10kΩの抵抗をつなぎ、日数経過による電ある[mV]を測定した。

日数 No.35 電圧 No.36 電圧
0 592 521
1 554 516
2 505 475
3 343 356
8 140 127

3日経過したところで、大幅に電圧が下がり始めたので、抵抗を外した状態で開放電圧を測定することとした。しかし、開放電圧は下がる一方で、8日目にいてはそれぞれ140mV、127mVと非常に小さい電圧となってしまった。

これでは、性能アップのどころの話ではない。失敗である。

なぜ失敗?

アノード電極やカソード電極の状態をリセットすべく、電極を水洗いした後開放電圧を測定してみたが、全く良くなる傾向がみられなかった。

その後、ネットである論文(*1)を見つけ内容を読んでみると、有機酸組成の変化が微生物燃料電池の性能に影響を与えるということが書かれていた。電流発生菌の餌となるのが乳酸や酢酸などの有機酸であって、例えば、電流発生菌である、Geobacter属は酢酸を餌に、そしてShewanella属は乳酸を餌にするとのことであった。つまり餌となる乳酸や酢酸の割合が変化すると電池の性能に影響を与えるということのようだ。飯が変わると人間も働きが悪くなるというのはとてもありそうな話だ。

米ぬかを投入したことによって、有機酸組成が変化し、これまで築かれていた電流発生菌の組成が変化、つまり、電流発生菌が大幅に減少してしまったということが起こっているのかもしれない。逆に、米ぬか投入で、電流発生菌よりも優先する微生物がいるのかもしれない。

さて、次の一手は?

米ぬかはいったん横に置いておいて、乳酸や酢酸を投入することで性能アップができるのかの実験に切り替えてみようと思う。

乳酸といえば乳酸菌飲料、酢酸といえばお酢。どちらも我が家にあるものなので実験できそうである。

ちなみに我が家ではヤクルトは少々値が張るので、ピルクル派である。

続く。

*1: 有機酸組成の変化が微生物燃料電池の性能に及ぼす影響 土木学会論文集G(環境),Vol.72,No.8,III_145-III_152,2016

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その12〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、作成した微生物燃料電池32個すべてを使って、小型冷却ファンを約37秒間回すことができた。まずは一つの目標を達成することができたが、引き続き電池セルの性能アップについて実験をしてみようと思う。

性能アップのためにやろうとしていることは、米ぬか投入である。

なぜ、米ぬか?

それは自然農からヒントを得ている。米ぬかを畑の表土に撒くと、乳酸菌、酵母菌、納豆菌などの有用な微生物が米ぬかを餌に増え、草の発酵分解が促進されるという。ならば、発電に関わる微生物も米ぬかを餌に増殖し、結果、電流発生量が増えるのではないかと考えられるからだ。

現状の性能を測る

米ぬかを投入する前と後でどれほど性能が変化したかを見たいと思うので、まず米ぬか投入前の性能を測定しておこうと思う。

測定するのは、電池セル4つ(No.33からNo.36)。それぞれ、開放電圧および2kΩ、1kΩ、680Ω抵抗接続時の電圧の計4種類を測定した。電流については、接続抵抗が分かっていることから、オームの法則により算出した(電流=電圧÷抵抗)

上のグラフが、測定結果から作成したI-V特性となる。各折れ線の点が測定ポイントであり、左から開放時、2kΩ接続時、1kΩ接続時、680Ω接続時となる。以前測定した電池セルでは、2kΩ抵抗接続時の電圧が、高いもので540mV程度であったが、今回のものは4つのうち3つがそれより高い値を示していた。あくまでも推測であるが、時間が経過したことにより、アノード電極周辺の電流伝達ネットワーク構造(電極に直接接する微生物だけでなく、電極から離れた微生物も酸化鉄を通じて電極と接することができる構造)がより整ってきたということもあるかもしれない。

さて、どれくらいの時間をおけば効果がみられるだろうか。畑に撒いた米ぬかは、温かい時期であれば2週間程で分解されることを考えると、やはり1~2週間の期間をみなければいけないかもしれない。この間、微生物の繁殖を促進する意味を期待して、負荷を接続し、少量の電流を定常的に流しつつ、定期的な測定で様子を伺ってみようと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その11〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、作成した微生物燃料電池32個すべてを使って、4個直列x8組の電池でLEDランプを点灯させ、そしてさらに、2個直列x16組の電池へ1kΩ抵抗をつないで電圧・電流を測定した。

今回は、本プロジェクトの目的でもある小型冷却ファンを回す実験をしたいと思う。

とその前に、2個直列x16組の電池へ1kΩ抵抗をつないだ時における、電池1組それぞれから出力される電流について測定してみる。

2個直列x16組の電池で1kΩ抵抗をつなぐ

構成

結果

1組の電池を構成するセル1、セル2の電圧、および1組の電池から出力される電流について、16組分の測定値を示す。

セル1とセル2の足し算はおよそ0.83Vになっており、抵抗端の電圧と一致する。セル1とセル2の電圧は0.3~0.5Vの間でばらつきがあることがわかった。

また、1組の電池から出力される電流についてであるが、均等に電流が流れていると予想したが、電流についても0~0.2mAとばらつきがみられた。組No.2とNo.3については0mAを示したが、電流計のレンジをμAのレンジで測定すると、2μA、15μAとわずかな電流が流れるのみであった。

組No. 電圧(セル1) [V] 電圧 (セル2)[V] 電流 [mA]
1 0.467 0.366 0.03
2 0.428 0.405 0.05
3 0.343 0.491 0
4 0.298 0.531 0
5 0.427 0.406 0.09
6 0.450 0.383 0.17
7 0.440 0.392 0.07
8 0.303 0.530 0.08
9 0.409 0.425 0.11
10 0.485 0.375 0.20
11 0.541 0.290 0.07
12 0.417 0.415 0.14
13 0.461 0.370 0.06
14 0.455 0.375 0.14
15 0.405 0.427 0.08
16 0.335 0.497 0.16

この電流のばらつきの原因は、電池の内部抵抗が関係していると思われるが、今後理由について考察してみたいと思う。

2個直列x16組の電池で小型冷却ファンを回す

さて、次はいよいよ小型冷却ファンを回す実験だ。

構成

まず、実験構成としては、前回に引き続き、2個直列x16組の電池を使いたいと思う。ファンを回すのに必要な電圧は、およそ0.8V、電流は10mAだ。0.8Vを得るために、電池2つを直列にしている。

総数32個の電池を使っても、間違いなく電流が不足すると思われるが、小型冷却ファンを接続して、最初の数秒間だけでも動く可能性があるので、試したいと思う。

結果

遂に回った。まずは動画で確認いただきたい。

負荷接続前の開放電圧は1.13V。

負荷接続直後、ファンが回転し、電圧計(右)と電流計(左)の値は、電圧0.8V、電流12mAを示したのが確認できた。その後、電圧と電流は下がり続けたが、ファンは約37秒ほど回転し、停止、活動限界を迎えた。

停止した時の電圧と電流は、0.58V/11mA。

遂にマイプロジェクトの目的をどうにか達成することができた。

しかし、回転したのはたったの約37秒。やはりずっと回り続けてほしいところだ。そのためには、電池セルを増やすことや電池セルの性能アップが必要である。

引き続き電池セルの性能アップについて実験していきたいと思う。