先日、自然農の会に参加してきた。
3月の集合日では、田んぼの水路の修復について学んだ。
自然農の田んぼでは、田んぼ全体に水が行きわたりやすいように、一定間隔でスコップ幅程(約30cm)の溝を掘るということだ。ここでは間隔5m程で溝が切られていた。溝は、時間が経つにつれて崩れて埋まってくるので、定期的に修復が必要になってくるのだ。
私が理解した手順を以下に示す。
- 田んぼと溝の元々の境界に合わせて2点を決め、紐を貼る。
- 溝に草が茂っている場合は、ノコガマで草を刈っておく。
- 紐に沿って、スコップで切り込みを入れ、それと平行にもう片側にも切り込みを入れ、スコップで溝の泥を掬う。
- 掬った泥は、崩れて低くなった所へ積み、鍬の背で平らにして、溝の形を整える。
この手順でなくても溝は掘れるだろうが、溝を綺麗に掘るための手順としては、効率的だと思う。紐を貼る点は、まるで土木工事さながらだ。草を事前に刈っておくのは、生の草が土に混ざると、作物の生育にあまり良くないからだ。完熟してない堆肥を畑にいれると良くないのと同じだ。
重労働ではあるが、泥にまみれる作業はなぜか楽しい。
その後、汚れた長靴を洗うために通常なら水道へ向かうところだが、田んぼのすぐ裏側を流れている綾瀬川へ向かった。長靴の泥を洗い流すだけなら小川の水で十分だ。東京の河川とは違い、埼玉県の河川は、川沿いに柵が無く、しかも斜面が緩いので、川に近づきやすいのがとても良い点だ。
さて、綾瀬川を見渡すと、この時期の水量は非常に少ない。昨年の夏はタプタプしていた事を思い出す。場所は異なるが、2019年2月の写真と2018年8月の写真で水量を比べると全く違う。
2019年2月の綾瀬川
2018年8月の綾瀬川
なぜこんなに違うのか?台風で増水したから⁉︎私も不思議に思っていた。
調べてみるとさいたま市宮ヶ谷塔に堰(大橋井堰)があり、今でも農業用水がそこから取水されているというのだ。
なるほど〜、だから、田んぼで水を使う時期は取水堰で水が堰き止められるので、8月の水量はタプっタプだったのだ。地元の人にとっては当たり前な事かもしれないが、外の人からすると、ちょっと面白い関係性に思える。
長靴の泥を落とすのに川に入った訳だが、これがきっかけでちょっとした疑問が解決したので紹介した。