こんばんは。
自然観(しぜんかん)という言葉をご存知でしょうか?
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自然観(しぜんかん)とは、価値判断の根底にある自然への価値観のこと。文化の差によって大きな違いがあると考えられる。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
先日「自然はそんなにヤワじゃない 誤解だらけの生態系」(花里孝之/新潮選書)という本を読みましたが、この本に書かれている自然観にとても共感しました。
- 人類は、他のあまたの生物種と同じく、地球生態系の一員である。
- 人類は、すべての生物たちの活動によってつくられているバランスの中で生きている。
- 人類が健やかに暮らしていけるように生態系のバランスを維持することが必要である。
1つめについては、紛れもない事実であることはすぐに解ります。
2つめについても、なんとなくバランスの中で生きていることは実感できます。例えば、空気。人間に必要な酸素ばっかりがあっても、二酸化炭素がなければ、植物に必要な光合成ができないので、両方必要ですよね。
そして3つめ。先の例で言うと、植物の光合成のために二酸化炭素は必要だけど、二酸化炭素は温室効果ガスと言われて、地球温暖化の原因なので多すぎると人間にとって困る。人類が健やかに暮らしていくのにやっぱりバランスが大事というのが解ります。
でもバランスを崩す状態って、ここまでは持ちこたえられるけど、この先はダメといった、境界値みたいなものがありそうですが、この境界値がほとんどの場合わからないから困ったものです。
境界値に達するまでは、普通まったく気づくことはないですからね。
そこで、この本の最後ではこんな言葉も記されています。
「我々は常に生態系全体のバランスを意識しながら行動すべきだ。」
人間が生態系になんらかの影響を与えると、必ずなんらかのバランスが変化するので慎重な対応が求められるということです。
例えば、田んぼの脇をながれる小川(水路)を管理のしやすいコンクリートに変更しようとした場合、どんなふうにバランスがくずれるでしょうか?
こういったことは、ほ場整備でたくさん行われてきましたが、失ったものはないのでしょうか?
この自然観が正しければ、バランスは変化して、何かを失っているはずです。
それは生物種の絶滅の話も当然ありますが、それだけではないでしょう。
それまであたりまえだった、何気ない景色だったり、小川のせせらぎだったり、その小川からあふれる子供の笑顔だったりね。