微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。
前回は、お酢やピルクルの投入以外が要因で性能向上している訳ではないことを確かめるために、お酢もピルクルも投入しない状態でIV特性を測定した。その結果、お酢やピルクルの投入以外が要因で性能向上している訳ではないことを確かめることができた。今回は、その電池に対して、お酢を投入する実験を再度行って、性能向上が再現するのかを確かめようと思う。
お酢の投入実験
No.31およびNo.32の電池に対して、お酢を投入後のIV特性の変化を以下に示す。お酢の投入方法は、タピオカストローによって、小さじ一杯程度を電池の四隅から投入した。
電池No.31、No.32について、5月31日から、毎朝同じ時刻で1週間測定した。お酢を投入して2日目までは、一時的に性能が向上したが、その後は、性能が低下した。さらに1週間後にも計測したが、お酢投入前の結果を上回ることは無かった。結局、お酢の投入の効果がほとんど見えず、本当に効果があるのかよくわからなくなってきた。
味噌や醤油を作るときに発酵菌をコントロールするのが難しいのと同じように、発電に関わる菌をコントロールするのも難しいということなんだろうか。
全ての電池のIV特性を測定
お酢の投入実験が思った結果にならなかったので、一旦この実験からは離れ、自動電圧測定システムも作ったことなので、これまで作った電池のIV特性を全て測定することにした。
上のグラフは電池No.5~No.30及びNo.33~No.36の計30個の電池について、6月7日から6月16日にかけて測定した電池のIV特性である。
分かったポイントは3つだ。
まず1つ目。折れ線が左下寄りにある性能が低いグループ(No.9~No.11)は、アノード電極に炙ったステンレス網を、カソード電極にステンレス網を使った電池だ。以前の記事で、電極の違いによるIV特性の違いを書いたが、以前と同様に、性能が低い結果になっていることが再確認できた。
2つ目。No.19の折れ線(中央付近)が不自然であることだ。後から分かったのだが、カソード電極に挿していたステンレス針金が腐食により折れかかっていた。後日、ステンレス針金を新替えしたら、良好な結果が得られたので、接触不良により正しい測定ができていなかったことが原因であったようだ。
そして3つ目。残り25個の電池の性能に随分差が出ていることが分かった。折れ線の右端の点(680Ω接続時)の電流を見ると、372μA~615μAの開きがあり、全体の底上げをすることが課題に思えた。
上位の結果の電池(No.30、No.20)と下位の結果の電池(No.28, No.35)の違いが分かれば何か手を打つことができるかもしれないので、次回調べてみたいと思う。