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微生物燃料電池のDIY(屋外編)〜その1〜

小型冷却ファンを微生物燃料電池で回すプロジェクトを8月まで行ってきたが、約28分間であるがファンを回す事ができた。次のチャレンジとして、田んぼ発電を目標に掲げ、取り組んだ事があるのでリポートしたいと思う。ただ結果として良い結果にはならなかったので、やり方を変えていく必要がある事は始めにお伝えしておく。

構想

先ずはどんな電極構成にすべきか考える必要があった。

東京薬科大学の研究室が行っていた方式では、稲の周囲にドーナツ型のフェルト電極を配置しているようであった。アノード電極は泥の層に浅く埋めて、カソード電極は、発泡材料を使って田んぼの水面に浮くようにする方式だ(方式1)。ただこの方式だとアノード電極とカソード電極間の距離は、水位の変動によって変わってしまう。電極間の距離が大きくなりすぎると、出力が低下するはずである。なので水位変動をコントロールできる田んぼであればそれで問題ないと思うが、私が借りている田んぼのように水位変動が大きい場所では問題になりそうであった。

そこで電極間距離を固定にした構成も検討してみた。カソード電極が水面に浮いた状態で、そこから例えば5cm下へ離した位置にアノード電極をワイヤーでつるすことを考える(方式2)。水位変動を克服できるはずだが、アノード電極が泥中でなく水中に露出する状態になるので、果たして発電菌が電極に付着するのかが懸念事項であった。違うパターンとしては、カソード電極は水底に配置し、その下5cm程離した位置にアノード電極を配置する。つまりアノード電極は土中に埋めることになる(方式3)。これだと、今までに実験にように、アノード電極が土中に埋まるので、発電菌の付着は実績有りとなるが、カソード電極は水底に位置するため、これでは酸素が少ない環境となりカソード電極の位置としては適さないと思われる。

以上のように、いくつかの電極位置の構成を検討したが、まずは方式1で進めてみてからまた考える事にした。

それと、電極の形状についてだが、稲との共存を考えるとドーナツ型を真似るのも良いのだが、ドーナツ状に加工するのが手間であったので、電極は稲の条間に配置できるように細長い長方形を考えた。

電極の準備

電極の素材であるが、今回も以前使用したグラファイトフェルトを使用した。サイズは1平方メートルのものをAliExpressで購入した。1000x1000mmのサイズが送られてくると思ったら、800x1300mmのサイズで送られてきたので少し驚いた。仕様である1平方メートルは満たしているものの予想外のサイズであった。これを4等分にカットし、1枚は200x1300mmとした。

加工

加工は次の2点を行った。

  1.  フェルトの中にステンレス針金を通す
  2.  カソード電極に浮力材を取り付ける

1 であるが、フェルト短辺の中央から1m以上、針金を通すのは結構難しかった。真っ直ぐで曲がらない棒を通すならまだしも、丸まって販売されている針金なので、真っ直ぐに手直ししたつもりでもクセがついていて、なかなか真っ直ぐに通せないのだ。なので、途中針金がフェルトの外に顔を出しては、また中に埋め込んで進めていく波縫いのような見た目になってしまった。それでも、特に電気的な特性には影響無いはずなのでこれでOKとした。

2については、浮力材として、発泡ポリエチレン(水泳で使うビート板の素材)を使った。

40x150x15mm程度にカットしたものを6本用意し、これらをバランスよくフェルトへ固定した。固定方法は上の写真のように、ステンレス針金で固定した。

田んぼへの設置

いよいよ、田んぼへの設置である。新品のグラファイトフェルトは空気を含んでいるためか、浮力が強く水底に沈めても浮かび上がってしまうほどであった。なので、アノード電極を土中に浅く埋めることが、10cm程水深のあったこの時点では難しく、土中に埋めるのは諦め、水底に竹棒で固定し、浮き上がってこないようにした。一方、カソード電極は、浮力材によって水面に浮かすことができた。電極間の距離はこの時点では、水深の10cm程度である。これまでの実験では、電極間距離は5cm程度だったので離れ過ぎているかもしれないが、とりあえず、この状態でしばらく様子をみることとした。

2週間後、想定はしていた事であるがはやくも田んぼの水がなくなっていた。田んぼに入る用水は既に止まっており、8月下旬から9月上旬は晴天続きであったことから、水が蒸発し、田面が露出してしまったのだ。この状態では電極がほぼくっついているようなもので、電池になっていない。失敗であった。

しかも、ザリガニがフェルトや浮力材をボロボロにちぎるというハプニングも発生した。ザリガニの巣穴の上にフェルトが被さっていたため、障害物を除去する行動をとったのだろう。これについては想定外であった。

気を取り直し、電極配置について修正を加えた。ちょうど水が無い状態なので、アノード電極は浅く(約3cm)土中に埋め、カソード電極はその上に置いた。雨が降り水位が上がれば、水面にに浮く想定である。この状態で一週間程様子を見た。

その後、運良く恵みの雨が降り、水位は上昇していた。この時の電池の開放電圧を測定した結果、1つは230mV、もう一つは128Vとなった。今一つの結果となってしまった。

翌週以降も測定したが、開放電圧は上昇することなく、むしろ少しずつ低下しいった。やはり、このやり方ではダメだったようである。

まとめ

始めから想定していたことであるが、水位変動によって電極間距離が変わってしまう問題に加えて、ザリガニが電極や浮力材をちぎるという問題も発生した。この問題を解決しないと先に進めない気もするが、方向性を変えた方が良いのかもしれない。

そもそもであるが、微生物燃料による発電の規模を少し大きくしてみたいというのが目的であったので、田んぼ以外の場所でもよいのである。例えば、湿地だったり、水量の少ない小川なんかは、大雨時などは別として、平常時を考えれば発電に適した場所かもしれない。次は、そういった場所で実施を検討したいと思う。

 

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その21〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、ワニクリップの錆が原因で測定がうまくいっていなかったところがあったため、全電池のIV特性の再測定を行った。さらに下位の結果の電池に対して、びん沼川の水を投入することで性能が向上することが改めて確かめられた。

全ての電池の性能が全体的によくなってきたので、今回は、全ての電池を使って再びファンを回す実験を行ってみようと思う。

電池2個直列x14組へ94Ω抵抗接続

ファンを接続する前に、100Ω程度の抵抗を接続して電圧や電力の状況を確認してみようと思う。

構成としては上図のように、電池2個を直列に接続したものを14組用意し、これらを並列接続して、94Ω抵抗を接続した。100Ω抵抗がちょうど手持ちになかったので、手持ちにあった47Ω抵抗を2つつないで94Ωとした。

電池の収納と配線は、こんな感じだ。電池が28個もあると置き場に困るので、軒下に手作りの棚を用意して、そこへ上手いこと収納・配線している。冷静にみると異様な光景にも映るが、決して怪しいものではないので。。。

そして、上図が、この構成での電圧変化だ。約1時間で1.4V程度から0.6V程度へ電圧が下がってしまった。一般的なアルカリ単3電池(1.5V)では、こんなにすぐに電圧が下がってしまうことはなく、およそ1.5Vを保つのだが、やはり電池から取り出せる電力が全く不足しているということなのだろう。電池電圧の低下を抑えるには、まだ、電池セルの個数を増やしてやらないといけないようだ。

抵抗接続時の電力も計算で求めてみた。接続直後は約20mWであったが、それから1時間後には、約4mWという結果になった。

電池2個直列x14組へ小型冷却ファン接続

次はいよいよ本番。この電池へ、小型冷却ファンを接続してみようと思う。

構成としては前項と同じく、電池2個を直列に接続したものを14組用意し、これらを並列接続して、小型冷却ファンを接続した。使用した小型冷却ファンの仕様は、0.8Vで動作時の消費電流が13mAである。

接続後、ファンは見事回った!時間にして約28分であった。

上の図は、この構成での電圧変化を示す。ファンを接続する前には、電池電圧が1.495Vであったが、ファンを接続後は、電圧は一気に下がり始め、ファンが停止した約28分後には、電圧は0.494Vになっていた。

最初のファン接続実験では、約37秒間しか回転しなかったが、大幅に回転時間が伸びた結果となった。

まとめ

約28分間であったが、小型冷却ファンを微生物燃料電池で回すことができ、マイプロジェクトは目標を達成することができた。プロジェクトは、一旦これで終了したいと思う。

さて次は、よりサイズ大きい電極を使って、発電の規模を大きくしてみたいと思う。広いスペースが必要なので、田んぼでの発電に挑戦してみたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その20〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、測定で使用していたワニクリップの錆で、いくつかの測定が正しくなかったことがわかってしまった。なので今回は、気になる測定結果について、ワニクリップの錆がない状態で、再度測定することにした。

びん沼川の水投入実験 再測定

 

上のグラフは、びん沼川の水を投入したNo.28の電池のIV特性(再測定)である。比較のため、びん沼川の水を投入する前の値として、6月22日のデータを載せている。前回の測定では、水投入後に性能が上がる傾向を示していたので、錆の影響で大きく結果が損なわれているとは思っていないが、念のため再測定した。結果は、1ヶ月以上経過しても良い状態を保っていることがわかった。ちなみにグラフの見方であるが、折れ線が右上寄りな程、性能が高いことを意味する。

また、上のグラフは、同じ実験におけるもう一方の電池(No.35)のIV特性(再測定)である。比較のため、びん沼川の水を投入する前の値として、6月22日のデータを載せている。こっちは、前回の測定では、電池の性能向上の傾向がほとんど見られなかったのだが、今回の測定では、はっきりと性能の向上が見られた。

以上から、少なくとも、びん沼川の水の投入したことによって、電池性能が向上したと言えそうだ。

全電池のIV特性 再測定

測定に使ったワニクリップに錆があったことから、全電池のIV特性の測定結果も、もしかしたら怪しいかもしれないと感じたので、これも測定し直すことにした。

上のグラフは26個の電池のIV特性(再測定)である。数が多いので地味に労力がかかる作業なのだが数日かけて再測定が完了した。

電池No.7については、他と比べて性能が低めであったが、電池の蓋を開けてみると、大分しっとり感が無かったので、おそらく、泥の乾きが原因かと思う。

それと、電池No.9~No.11については、アノード電極に炙ったステンレス網を、カソード電極にステンレス網を使った電池で、以前のIV特性の測定結果から、性能が他に比べて極端に悪かったので、これらの測定は省いた事をお伝えしておく。

これで一先ず、不審な要素は省いた結果になっていると思う。

下位の結果の電池へびん沼川の水を投入

その後、性能が低かったNo.7とNo.22の電池について、びん沼川の水を投入して結果を見ることにした。

水の投入方法については、微生物への環境ダメージが小さい、タピオカストローからの投入方法で統一したかったが、電池No.7については、泥のしっとり感を復活させるために、泥を一旦取り出してからの水の投入を行った。びん沼川の水の量は、いつものようにペットボトルキャップ一杯分だ。(7.5ml=大さじ半分の量)ここで注意したいのは、アノード電極とカソード電極間の泥をしっとりさせるのに使う水は、酸化鉄の含まれるびん沼川の水ではなく、ただの水が良さそうだ。これまで、カソード電極につなげたステンレス針金が錆びて折れることが2回ほどあったが、これを防ぐためには、カソード電極付近には酸化鉄成分が少ない方が良さそうと考えている。なので、アノード電極とカソード電極間の泥をしっとりさせるのに使う水は、ただの水が良さそうと思う。

で、上のグラフは、電池No.7とNo.22のIV特性の日ごとの変化である。どちらも、びん沼川の水投入で、性能向上している結果が得られた。ついでに改めて分かったが、泥を一旦取り出してからの水の投入を行った電池No.7は、やはり、性能が上がるのがゆっくりである。これは微生物環境が一度乱されてしまうため回復に時間がかかることからなのだと思う。

さて、次は、その他の下位の電池についても、同様に水を加えてみようと思う。およそ性能がいい感じになったら、再度冷却ファンを回す実験を行いたいと思う。

 

 

 

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その19〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、25個の電池性能を測定し、それらに随分差が出ていることが分かった。上位の結果の電池(No.30、No.20)と下位の結果の電池(No.28, No.35)に何か違いあるのか探ってみたいと思う。

びん沼川の水投入

以前、性能アップに効果を示した、酸化鉄が入っていると思われるびん沼川の水を、下位の結果の電池に投入する事で、性能が上がるかを試してみた。

 

上のグラフは、電池No.28へ、ペットボトルキャップ一杯分(大さじ半分)のびん沼川の水を電池の四隅から投入した場合のIV特性である。6月20日のデータは、びん沼川の水の投入前のデータであり、21日に投入後1週間程度をみると、日によって下がることがあったが、徐々に性能が上がっている結果が得られた。

一方で電池No.35 についても同じように測定したが、性能向上する傾向が見られなかった。

 

測定方法の不備が発覚

その後も定期的に測定を継続してみたが、7月1日、7月4日のデータが飛びぬけて良くなってしまった。こんなに急に性能が上がるはずがないので、何か測定方法に問題があるに違いない。調べてみると、測定に使用していたワニクリップがなんと錆ついていた。

おそらく、上記現象は、以下のように説明できる。

電池へ抵抗を接続するワニクリップが錆によって、接触抵抗が増えた。接触抵抗が増えたことで、合計の負荷抵抗が増え、電圧がいつもより高めに測定された。電流値は、測定電圧÷抵抗値で計算しているので、計算で使用した抵抗値は一定なので、電流値も高めに計算された。

んっ、そうすると、電池No.35で性能がほとんど上がらなかったのもワニクリップの錆が原因かもしれない。電池の出力電圧の測定に使用したワニクリップの方も錆ており、錆によって接触抵抗が増えたと仮定すると、接触抵抗分の電圧降下が発生する。そうすると、本来性能向上していたはずの電圧上昇は、電圧降下でキャンセルされていたという可能性がある。これについては、再測定したいと思う。

ここに来て、測定方法の不備が露呈してしまった。これは痛い。。。軒下に電池を置いていたとはいえ、ワニクリップを雨ざらしにしてしまったのは反省すべき点である。しかし、問題が生じるポイントがわかったので次に生かせる経験だと思う。

測定が怪しいと思われる結果については、錆がない状態で再測定し着実な結果を積み上げていこうと思う。

今回は本来の目的からそれてしまったが、次回、錆がない状態で再測定した結果をお伝えしたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その18〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、お酢やピルクルの投入以外が要因で性能向上している訳ではないことを確かめるために、お酢もピルクルも投入しない状態でIV特性を測定した。その結果、お酢やピルクルの投入以外が要因で性能向上している訳ではないことを確かめることができた。今回は、その電池に対して、お酢を投入する実験を再度行って、性能向上が再現するのかを確かめようと思う。

お酢の投入実験

No.31およびNo.32の電池に対して、お酢を投入後のIV特性の変化を以下に示す。お酢の投入方法は、タピオカストローによって、小さじ一杯程度を電池の四隅から投入した。

電池No.31、No.32について、5月31日から、毎朝同じ時刻で1週間測定した。お酢を投入して2日目までは、一時的に性能が向上したが、その後は、性能が低下した。さらに1週間後にも計測したが、お酢投入前の結果を上回ることは無かった。結局、お酢の投入の効果がほとんど見えず、本当に効果があるのかよくわからなくなってきた。

味噌や醤油を作るときに発酵菌をコントロールするのが難しいのと同じように、発電に関わる菌をコントロールするのも難しいということなんだろうか。

全ての電池のIV特性を測定

お酢の投入実験が思った結果にならなかったので、一旦この実験からは離れ、自動電圧測定システムも作ったことなので、これまで作った電池のIV特性を全て測定することにした。

上のグラフは電池No.5~No.30及びNo.33~No.36の計30個の電池について、6月7日から6月16日にかけて測定した電池のIV特性である。

分かったポイントは3つだ。

まず1つ目。折れ線が左下寄りにある性能が低いグループ(No.9~No.11)は、アノード電極に炙ったステンレス網を、カソード電極にステンレス網を使った電池だ。以前の記事で、電極の違いによるIV特性の違いを書いたが、以前と同様に、性能が低い結果になっていることが再確認できた。

2つ目。No.19の折れ線(中央付近)が不自然であることだ。後から分かったのだが、カソード電極に挿していたステンレス針金が腐食により折れかかっていた。後日、ステンレス針金を新替えしたら、良好な結果が得られたので、接触不良により正しい測定ができていなかったことが原因であったようだ。

そして3つ目。残り25個の電池の性能に随分差が出ていることが分かった。折れ線の右端の点(680Ω接続時)の電流を見ると、372μA~615μAの開きがあり、全体の底上げをすることが課題に思えた。

上位の結果の電池(No.30、No.20)と下位の結果の電池(No.28, No.35)の違いが分かれば何か手を打つことができるかもしれないので、次回調べてみたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その17〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、作成した自動電圧測定システムを活用し、条件を一定にした状態で、お酢やピルクルを投入した場合の性能を測定した。お酢の投入では、性能向上の傾向がみられたが、時間の経過で元の性能に戻ってしまうことが確認された。一方、ピルクルの投入では、少量であれば一定の性能向上が見られたが、量によっては、逆に性能が低下してしまう事象も発生した。この性質が再現性のあるものなのかは、いづれまた見ていきたいと思う。

今回は、お酢もピルクルも投入しない状態を自動電圧測定システムを使って確認しておきたいと思う。お酢やピルクルの投入以外の要因で性能向上したのではないことを改めて確認しておきたいからだ。また、システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も持たせるようにして、電圧変化の様子も把握してみようと思う。

お酢もピルクルも投入しない状態

使用したのは、電池No.31とNo.32の2つ。

上の折れ線は、電池No.31の7日間のIV特性である。測定1日目のデータは少し低めではあるが、およそ、変化がない結果が得られた。

一方、上のフラフは、電池No.32の7日間のIV特性である。こちらは、1kΩや680Ω接続時の性能が、理由は不明だが、時間の経過とともにやや低下した。

どちらのグラフでも、性能の向上はみられず、やはり前回の結果では、お酢やピルクルの投入が要因で性能向上したと言えると思う。

24時間連続電圧監視

自動電圧システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も追加した。2つの電池を同時に測定できるように、これまで1チャンネルだけであったが、2チャンネル分の電圧が測定できるようにプログラムを変更した。

上のグラフは、電池No.31、No.32における、5月28日の0時から24時間電圧変化を示す。6時と7時には、それぞれ電池No.31とNo.32に対して、負荷抵抗を繋ぐ機能が同時に動いているため、その時の電圧変化の様子も視覚的に捉えることができた。

この結果を分析すると、負荷抵抗を繋ぎ終えた後、およそ10~11時間で負荷抵抗を繋ぐ前の開放電圧の状態に回復することがわかった。また、1時間で、負荷抵抗を繋ぐ前の平均値の90%以上回復し、2時間では、95%以上回復することも分かった。

No.31の電池に負荷抵抗を繋ぐ6時から3時間をクローズアップしてみよう。

グラフの不連続点は、負荷抵抗(2kΩ、1kΩ、680Ω)を繋ぐタイミングと負荷を開放するタイミングである。このグラフを眺めていて、今更ながら気づいてしまったが、抵抗を繋いで電圧が安定したときの電圧を測定するつもりであったが、全く安定していない状態でどうやら測定をしていたようだ。例えば2kΩの抵抗を繋いで10分の時点ではグラフは平衡状態(横ばい)にはなっておらず、描く曲線を予想すると、おそらく30~40分程の待ち時間が必要なのかもしれない。実は、なんとなく10分では安定していないかもと感じていたが、データでみるとハッキリと分かってしまった。自動電圧測定システムを作った甲斐があったということだろう。

まぁ、今更仕方ないというのもあるが、同じ条件で測定さえできていれば、相対的な変化は分かる訳なので、とりあえずこのままの条件でやってみようと思う。

さて、次は、この電池に対して、お酢を投入する実験を再度行ってみたいと思う。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その16〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、電圧の測定条件を一定にすること、そして測定の手間を大幅に減らすことを目的として、自動で電圧を測定し、測定結果をスマホのLineへ送信するシステムを構築した。次のステップとして、このシステムを使い、お酢や乳酸菌飲料の投入で電池性能がアップするかを再度確認していきたいと思う。

お酢・ピルクル投入実験(続き)

測定する電池は、以前の実験で使用したNo.33(写真左)とNo.34(写真右)。No.33にはお酢を、No.34にはピルクルを、小さじ一杯程度、電池の左上1ヶ所から投入したものだ。

この電池に対して、自動電圧測定システムによって電圧を測定した。結果を次に示す。

I-V特性 No.33 お酢投入(1ヶ所から)

上のグラフは、電池セルの右上1ヶ所からお酢を投入した場合のI-V特性である。グラフの見方であるが、折れ線が右上にいくほど性能が良いという意味となる。4月22日の折れ線は、お酢を投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムを定時起動させる連続運転状態にまだなっていなかったため、測定日と測定時刻が揃っていないのだが、参考程度に結果を見ていきたい。

お酢投入後、およそ性能が向上したことが認められたが、単純にお酢投入の効果なのかは断定することはできない。電流を流すことによって、少しづつ性能が上がることもあるので、今後の実験で切り分けていきたいと思う。

I-V特性 No.34 ピルクル投入(1ヶ所から)

一方、上のグラフは、電池セルの右上1ヶ所からピルクルを投入した場合のI-V特性である。お酢の場合と同様に、ピルクルを投入する前のデータとして4月22日のデータを載せている。4月22日のデータは、性能が低い状態からのスタートになっていたが、ピルクル投入後、およそ性能が向上したことが認められた。しかし、5月13日のデータは、これまでの上昇トレンドから急に低めの性能を示した。測定した時間が他と違い5月13日は夕方(17時)であったという違いがあるのだが、原因を探るにはやはり、条件を揃えて不安要素を取り除いてやらないといけないだろう。

お酢・ピルクル投入実験(3ヶ所から追加)

さて今度は、お酢とピルクルを再度投入して、測定システムを毎朝定時に起動する実験を行った。使用する電池は、前回と同じ電池。

No.33にはお酢を、No.34にはピルクルを、小さじ一杯程度投入するが、投入する箇所は、電池の四隅のうち、別の3ヶ所から投入した。(投入量は1ヶ所で小さじ1/3程度)泥の中のアノード電極に、なるべく均一に投入する液が届くようにする狙いからだ。

I-V特性 No.33 お酢投入(3ヶ所から追加)

上のグラフにおける、5月14日以降の折れ線が、電池セルの四隅のうち別の3ヶ所からお酢を投入した場合のI-V特性である。4月22日の折れ線は、お酢を1か所から投入する前のデータであり、5月13日の折れ線は、お酢を3か所から投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムは、毎朝6時に起動させているので、測定条件がより揃った状態にすることができた。結果、お酢を1ヶ所から投入した時(5月13日の折れ線)よりも、さらに性能の向上が認められた。

しかしながら、上のグラフのように、5月19日をピークに性能は徐々に下がり、お酢を3ヶ所から投入する前の状態(5月13日の折れ線)に戻っていった。このことから、お酢投入後による性能向上は、電流を流すことによる性能向上だけの話ではなく、やはりお酢の効果によるものもあると思われる。そして、その効果は、6日程度でピークに達し、10日程度で効果は消えてしまうようである。この考察が正しいとするなら、効果の持続はとても儚い。

I-V特性 No.34 ピルクル投入(3ヶ所から追加)

一方、上のグラフにおける、5月14日以降の折れ線が、電池セルの四隅のうち別の3ヶ所からピルクルを投入した場合のI-V特性である。4月22日の折れ線は、ピルクルを1か所から投入する前のデータであり、5月13日の折れ線は、ピルクルを3か所から投入する前のデータであり、比較のためグラフに載せた。測定システムは、毎朝7時に定時起動させている。

結果であるが、思ったようにならず、性能が徐々に低下してしまった。これは、米ぬかを投入したときの結果と同様な状態に陥ってしまったようだ。米ぬかは、乳酸菌といった有用微生物の餌になるので、畑に撒いて使用されるのだが、電池に関しては、乳酸菌が電池の性能向上には良い影響を与えていないような気がする。ただし、1回目のピルクルの投入では、特に性能低下は認められなかったので、乳酸菌は全くダメということにはならないが、投入量が多めになると、乳酸菌が優先し始め、電流発生菌達が劣勢になったということも考えられるだろう。

今回、お酢投入で性能向上の傾向がみられたので、お酢の成分である酢酸を餌とするGeobacter属の電流発生菌がそもそも優先していたという考え方もできる。この考えが正しいとすれば、どんな電流発生菌が優先しているかを調べる一つの指標として使えるのかもしれない。

続く。

 

 

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その15〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、電流発生菌の餌となりうるお酢や乳酸菌飲料を入れることで電池の性能が上がるか実験したが、思った結果が得られなかった。性能を測る上での測定条件がばらついていることや、測定データが少ないことが原因の可能性もあるので、この辺りの懸念を取り除くよう、自動で電圧を測定できる仕組みを構築しようと思う。

実現したいこと(要求仕様)

  • 電池のI-V特性を測るため、開放電圧及び、負荷電圧を自動で測定する。測定は、一定時刻(AM6:00)に開始し、以下4つの状態の電圧を測定する。
    1) 開放状態
    2) 2kΩ抵抗接続時
    3) 1kΩ抵抗接続時
    4) 680Ω抵抗接続時
  • 負荷抵抗を接続した後は、電圧が安定するまで一定時間待ち、その後、電圧を測定する。
  • 負荷電流は、接続する抵抗が既知であることからオームの法則で求める。I=V/R
  • 測定が完了したら、測定した電圧値及び求めた電流値をスマホへ通知する。

※I-V特性のフラフは、上記1)~4)の状態の電圧・電流から手動でグラフを作る。将来的には、グラフの作成も自動化したいと思う。

システムの概要

上図は、要求仕様を満たすためのシステムの概要となる。小型コンピュータであるRaspberry Pi3に、AD変換モジュール(アナログ値をデジタル値へ変換するモジュール)を接続し電圧を測定する。AD変換モジュールは、4チャンネル/分解能16ビット/I2Cインターフェース対応のADS1115のチップを搭載したモジュールを使用。アナログ値からデジタル値へ変換された電圧データはI2Cインターフェースを経由してRaspberry Pi3で取得する。

また4つの状態の切り替えはリレーモジュールによって実現する。リレーとは電磁石を利用したスイッチである。スイッチなのでオンとオフの状態を切り替えられる。例えば下図で考えると、リレー1のスイッチをオン、リレー2のスイッチをオフとすると、電池には抵抗1がつながる。また、リレー1のスイッチをオフ、リレー2のスイッチをオンとすると、電池には抵抗2がつながる。リレー1とリレー2のスイッチを両方オフにすると、電池には抵抗がつながらない状態、つまり開放状態になる。

なので、3つのスイッチを使えば、1)抵抗を繋げない状態(開放状態)、2)2kΩ抵抗を繋いだ状態、3)1kΩ抵抗を繋いだ状態、4)680Ω抵抗を繋いだ状態を作り出すことができる。それぞれのリレースイッチの状態は、Raspberry Pi3の信号(GPIO)から制御できる。

リレースイッチをオン・オフするためのGPIOの制御、測定した電圧を得るためのI2Cインターフェースの制御、そして、電圧データをスマホへ送信するためのLine Notifyの制御は、Python3のプラグラムを作成し、そのプログラムを定時に起動する。

完成したシステム

上の写真は、自動で電圧を測定するシステム概観である。朝06:00にPython3のプログラムが起動し、4つの状態の電圧を測定したあと、計算で求めた負荷電流とともにLineへメッセージが送られるようになった。

これまで、電圧計を使って手動で測定していたが、私が寝ている間にも、自動で測定してくれるので、とても楽になった。

現状は1台の電池の測定しかできないが、リレーモジュールを増やせば同時に複数の電池の測定も可能となるだろう。しかし、実験している電池は2台であるので、電池を繋ぎ変えることで十分対応ができる。06:00と07:00にPython3プログラムを2回起動するようにしておけば、私がやることはたった2つだ。

  1. 1回目の測定が完了する06:30にLine Notifyからのプッシュ通知がスマホにくるので、この音で目覚める。
  2. そして、次の測定が始まる07:00までの間に、別の電池へ繋ぎ変える。

電池の繋ぎ変え作業があると思うと2度寝が絶対にできないので、軽い使命感のもと早起きができて、朝の時間を有効に使うことにも役立っているように思う。

作り方を知りたい人は、以降の記事も読み進めてほしいと思う。

使用した部材

  • Raspberry Pi 3 x1
    OS: Raspbian GNU/Linux 8.0 (jessie)
    Python: 3.6.9
  • AD変換モジュール(HiLetgo 2個セット ADS1115 4チャンネル 16ビット I2C ADC モジュール ゲインアンプ Arduino Rpiと互換) x1
  • リレーモジュール(SODIAL(R) 4チャンネル5Vリレーモジュール) x1
  • 抵抗 2kΩ x1、1kΩ x1、680Ω x1
  • 線材
  • みのむしクリップ x2

接続方法

I2Cのスレーブアドレスは、ADDRピンを繋ぐ場所によって4種類から設定できるが、今回はVDD(+3.3V)へ繋ぐことで0x49とした。

また、差動入力A0-A1を電池の+と-に接続して電圧を測定した。

Raspberry Pi3の初期設定

I2Cの有効化

以下コマンドを入力し、Raspberry Pi3の初期設定画面を起動する。Interfacing Options->I2CからI2Cを有効化する。

$ sudo raspi-config
ライブラリのインストール

以下コマンドを入力し、ライブラリをインストールする。

$ pip3 install adafruit-circuitpython-ads1x15
以下コマンドを入力すると、ライブラリがインストールされていることが確認できる。
$ pip3 list
Adafruit-Blinka
adafruit-circuitpython-ads1x15
adafruit-circuitpython-busdevice
Adafruit-PlatformDetect
Adafruit-PureIO
詳しくは、Python & CircuitPythonを参照。

Line Notifyの初期設定

Line Notifyを使ってRaspberry Pi3からスマホのLineへメッセージを送るには、次の設定が必要になる。

  1. スマホのLineアプリで、メッセージを受け取るためのトークルームを作る。
  2. 次に、LINE Notifyのホームページからログインした後、マイページの「アクセストークンを発行」によってアクセストークンを発行する。発行の際に、トークン名(通知の際に表示される文字)と通知を送信するトークルーム(1で用意したもの)を入力する。発行されたアクセストークンは、Python3のプログラムで使うので、メモ帳などにコピーしておく。
  3. LINE NotifyのLINEアカウントを、1で用意したトークルームに招待する。

作成したコード

プログラムの定時起動

プログラムを定時に起動するには、crontabファイルを編集する。以下のコマンドを入力するとエディタが開く。

$ crontab -u pi -e
一番下の行に次のコードを記述し、保存する。なお、私の環境では、Ppython3のパスが通ていなかったので、フルパスで指定した。(/usr/local/bin/python3)

以上で、毎朝6時と7時にプログラムが起動し、システムが電圧を測定することができる。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その14〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、米ぬか投入実験が思うようにいかなかったので、微生物の餌となる乳酸や酢酸を投入することで性能アップができるのかの実験をしたいと思う。

使用したのはこちらのお酢と乳酸菌飲料。それぞれ酢酸、乳酸が入っているはずである。これらをアノード電極の周辺に送り込んでやれば、電流発生菌の餌が増えて、電流発生菌がより多くの電流を発生すると期待している。

投入方法

アノード電極に酢酸や乳酸を送り込むには、アノード電極より上に被さっている泥を一度取り去ってやる必要がある。しかし、泥を取り外すと、アノード電極が空気に触れるため、嫌気状態になっていた環境が壊れることになる。壊れた環境が復活するまでには数日はかかるので、できれば環境を壊さずに酢酸や乳酸を送り込みたい。

そこでストローを使って直接アノード電極に送り込むことを試そうと思う。ストローは、タピオカドリンクを飲んだ時に使った太めのストローだ。細いストローよりは、液を送りやすいと思うからだ。懸念は、一か所から送り込んで、アノード電極にちゃんと広がっていくかだ。たぶん、ストローの周辺だけにしか広がらない気がする。なので、ダメな場合は複数個所からストローで液を送り込むことも考えたいと思う。

実験条件

2つの電池セルを使った。No.33(写真左)にはお酢を、No.34(写真右)にはピルクルを投入した。量はどちらも小さじ一杯程を電池セルの左上一か所から送り込んだ。

実験結果

4月22日の折れ線が投入前の結果で、4月28日の折れ線が投入して6日後の結果である。ピルクル投入では結果に大きな変化が見られなかったが、お酢投入では、投入後の結果が悪くなっていた。

気になっているのが、抵抗を繋いで電圧を測定するまでのの時間を10分以上とっていたが、待っている間に一時間経ってしまうこともあり、条件があまりそろっていないことがあったことだ。なので、測定までの時間が揃っていないことが、データにばらつきが発生している原因になっている可能性もある。

改めて条件を揃えたいと同時に、もう少し継続して経過を見たいと思うので、自動で測定できるシステムを作成して、今後の測定に臨みたいと思う。

次回、自動電圧測定システムの電子工作についてお伝えする予定。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その13〜

微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

電池セルの性能アップを模索する中、電池セルのヘドロに米ぬかを投入することで、性能アップできるかを試すこととした。そこで前回は、現状の電池セルの性能測定した。今回は米ぬかを投入し、電池セルの性能測定する。

米ぬか投入方法

米ぬかの投入方法であるが、まずカソード電極を取り外し、アノード電極の上にあるヘドロを一度取り出し、米ぬかを5gをアノード電極の上に振り撒く。表面のヘドロと撒いた米ぬかをヘラで軽く混ぜる。その後、ヘドロを入れ戻し、カソード電極を取り付ける。

この方法により、電池セルNo.35およびNo.36の2つについて実施した。

結果

電池セルのそれぞれには10kΩの抵抗をつなぎ、日数経過による電ある[mV]を測定した。

日数 No.35 電圧 No.36 電圧
0 592 521
1 554 516
2 505 475
3 343 356
8 140 127

3日経過したところで、大幅に電圧が下がり始めたので、抵抗を外した状態で開放電圧を測定することとした。しかし、開放電圧は下がる一方で、8日目にいてはそれぞれ140mV、127mVと非常に小さい電圧となってしまった。

これでは、性能アップのどころの話ではない。失敗である。

なぜ失敗?

アノード電極やカソード電極の状態をリセットすべく、電極を水洗いした後開放電圧を測定してみたが、全く良くなる傾向がみられなかった。

その後、ネットである論文(*1)を見つけ内容を読んでみると、有機酸組成の変化が微生物燃料電池の性能に影響を与えるということが書かれていた。電流発生菌の餌となるのが乳酸や酢酸などの有機酸であって、例えば、電流発生菌である、Geobacter属は酢酸を餌に、そしてShewanella属は乳酸を餌にするとのことであった。つまり餌となる乳酸や酢酸の割合が変化すると電池の性能に影響を与えるということのようだ。飯が変わると人間も働きが悪くなるというのはとてもありそうな話だ。

米ぬかを投入したことによって、有機酸組成が変化し、これまで築かれていた電流発生菌の組成が変化、つまり、電流発生菌が大幅に減少してしまったということが起こっているのかもしれない。逆に、米ぬか投入で、電流発生菌よりも優先する微生物がいるのかもしれない。

さて、次の一手は?

米ぬかはいったん横に置いておいて、乳酸や酢酸を投入することで性能アップができるのかの実験に切り替えてみようと思う。

乳酸といえば乳酸菌飲料、酢酸といえばお酢。どちらも我が家にあるものなので実験できそうである。

ちなみに我が家ではヤクルトは少々値が張るので、ピルクル派である。

続く。

*1: 有機酸組成の変化が微生物燃料電池の性能に及ぼす影響 土木学会論文集G(環境),Vol.72,No.8,III_145-III_152,2016