微生物燃料電池のDIYやってみた〜その8〜


微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。前回は、8個の電池を追加して全16個の電池を使って、100Ω抵抗に流れる電流と電圧を測定したが、ファンを回すには程遠い結果であった。電流が増えると電池内部の過電圧により、出力電圧が下がってしまうことがあるため、この先いくつ電池を作れば良いのかわからない状態となっている。そこで、もっと先にやるべきであったが、電池の電流−電圧(I−V)特性を測ってみることにした。I -V特性とは電池の出力電流に対する出力電圧を示すもので、電池の性能を測るのに使われている。

電極の組み合わせ

電池は現在、次の3種類の組み合わせがある。No.1の組み合わせが4個、No.2の組み合わせが4個、No.3の組み合わせが12個だ。その中から、2つをピックアップしてI -V特性を測定した。

No. アノード カソード 電池No.
1 炙ったステンレス網 グラファイトフェルト 8, 7
2 炙ったステンレス網 ステンレス網 10, 11
3 グラファイトフェルト グラファイトフェルト 16, 17

測定方法

測定方法としては、可変抵抗器があれば良いのだが、そんなものはないので、5種類の抵抗を変えて行った。(10kΩ、2kΩ(1kΩ2個使い)、1kΩ、680Ω、100Ω)測定は、値がある程度安定するまで待ってから行った。

結果

電池No.8/10/16の結果

電池No.7/11/17の結果

カソードにステンレス網を使った電池No.10や11は、他に比べると過電圧が大きく、50μAも電流が流れると大きく電圧が低下していた。この状態だと、ちょっと使い物にならない気がする。

また、アノードに炙ったステンレス網を使った電池No.8や7は、アノードがグラファイトフェルトの電池No.16や17と比べて、同じ電流値でより高い電圧を示した。

アノード電極の違いが一つの要因であろう。それともう一つは、泥の違いもあるかもしれない。電池No.4から8は、初期に制作したもので、自転車のスポークについた赤錆を削ぎとったものを入れた経緯がある。微生物燃料電池の論文で酸化鉄ナノコロイドをアノード電極にふりかけることで、電流密度の増加が認められるという話があったので、泥に赤錆が多めの状態になっていたと思われる。そのため、性能に差が生じた可能性もある。

さて、次の手はどうしようか。

電池No.7では、250μA/0.5Vの出力得られたので、もし同じ性能のものがいくつもあった場合、13mA/0.8Vを得るのに、104個の電池が必要な計算だ。(2個直列のセットを52個)

ちょっと104個を作るのは現実的でない。それに同じ性能のものをたくさん作れるかも怪しい。なので、もっと電池一つの性能をあげるのを優先しようと思う。まずは、赤錆添加を試していこうと思う。

続く。


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