微生物燃料電池のDIYやってみた〜その20〜


微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、測定で使用していたワニクリップの錆で、いくつかの測定が正しくなかったことがわかってしまった。なので今回は、気になる測定結果について、ワニクリップの錆がない状態で、再度測定することにした。

びん沼川の水投入実験 再測定

 

上のグラフは、びん沼川の水を投入したNo.28の電池のIV特性(再測定)である。比較のため、びん沼川の水を投入する前の値として、6月22日のデータを載せている。前回の測定では、水投入後に性能が上がる傾向を示していたので、錆の影響で大きく結果が損なわれているとは思っていないが、念のため再測定した。結果は、1ヶ月以上経過しても良い状態を保っていることがわかった。ちなみにグラフの見方であるが、折れ線が右上寄りな程、性能が高いことを意味する。

また、上のグラフは、同じ実験におけるもう一方の電池(No.35)のIV特性(再測定)である。比較のため、びん沼川の水を投入する前の値として、6月22日のデータを載せている。こっちは、前回の測定では、電池の性能向上の傾向がほとんど見られなかったのだが、今回の測定では、はっきりと性能の向上が見られた。

以上から、少なくとも、びん沼川の水の投入したことによって、電池性能が向上したと言えそうだ。

全電池のIV特性 再測定

測定に使ったワニクリップに錆があったことから、全電池のIV特性の測定結果も、もしかしたら怪しいかもしれないと感じたので、これも測定し直すことにした。

上のグラフは26個の電池のIV特性(再測定)である。数が多いので地味に労力がかかる作業なのだが数日かけて再測定が完了した。

電池No.7については、他と比べて性能が低めであったが、電池の蓋を開けてみると、大分しっとり感が無かったので、おそらく、泥の乾きが原因かと思う。

それと、電池No.9~No.11については、アノード電極に炙ったステンレス網を、カソード電極にステンレス網を使った電池で、以前のIV特性の測定結果から、性能が他に比べて極端に悪かったので、これらの測定は省いた事をお伝えしておく。

これで一先ず、不審な要素は省いた結果になっていると思う。

下位の結果の電池へびん沼川の水を投入

その後、性能が低かったNo.7とNo.22の電池について、びん沼川の水を投入して結果を見ることにした。

水の投入方法については、微生物への環境ダメージが小さい、タピオカストローからの投入方法で統一したかったが、電池No.7については、泥のしっとり感を復活させるために、泥を一旦取り出してからの水の投入を行った。びん沼川の水の量は、いつものようにペットボトルキャップ一杯分だ。(7.5ml=大さじ半分の量)ここで注意したいのは、アノード電極とカソード電極間の泥をしっとりさせるのに使う水は、酸化鉄の含まれるびん沼川の水ではなく、ただの水が良さそうだ。これまで、カソード電極につなげたステンレス針金が錆びて折れることが2回ほどあったが、これを防ぐためには、カソード電極付近には酸化鉄成分が少ない方が良さそうと考えている。なので、アノード電極とカソード電極間の泥をしっとりさせるのに使う水は、ただの水が良さそうと思う。

で、上のグラフは、電池No.7とNo.22のIV特性の日ごとの変化である。どちらも、びん沼川の水投入で、性能向上している結果が得られた。ついでに改めて分かったが、泥を一旦取り出してからの水の投入を行った電池No.7は、やはり、性能が上がるのがゆっくりである。これは微生物環境が一度乱されてしまうため回復に時間がかかることからなのだと思う。

さて、次は、その他の下位の電池についても、同様に水を加えてみようと思う。およそ性能がいい感じになったら、再度冷却ファンを回す実験を行いたいと思う。