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風呂の水 再利用するなら 植木かな⁉︎

先日、養父志乃夫(やぶしのぶ) さんの著書『里山里海』を読んだ。

里山の暮らしでは、資源の循環がとても効率的に行われてきたというのがとっても良くわかる本だった。

その1つに水の効率的な利用の事が書かれていた。使い回し術がほんとうに凄すぎて感心する。

本書の一節を要約すると以下になる。

  • 沢からの水を上・中・下の3段の水槽へ導く。
  • 上段水槽では沢水から塵を池底に沈殿させて、うわ水を飲料水とする。
  • 余水は、中段水槽へ落ち、ここで食器や鍋釜を洗う
  • 余水は、下段水槽へ落ち、この水が洗濯に利用される。
  • この余水と母屋からの排水(風呂水など)が一緒になり池に集まり、含まれる飯粒や野菜屑などの有機物がコイのえさになる。
  • この池から出る余水は下方の水田に落とされ、イネに養分を吸収させて、浄化された(有機物がより除去された)残り水が里川(小川)へ流れる。

このように、水質浄化の機能を兼ね備えていたため、小川は清い水を保つ事ができていたのだ。

食器洗いや風呂の排水には、程よく有機物が含まれていて、イネの生育にプラスに働き、なおかつ、排水が浄化される。(もちろん当時の洗剤は合成洗剤はなく、米ぬかなどの自然物が洗剤として使用されていた事を断っておく。)

誰かが得をすると誰かが損をするという経済が身近にある一方で、得なことしか起きていないという点に注目したい。しかも、お金もいっさいかかっていないのだ。

生態系の物質循環のおかげである。

それに比べると現代の暮らしは、水をどれくらい使い回しているだろうか?

私の家で実践できている事と言えば、せいぜい次の2つくらいだ。

  • 毎日の洗濯に風呂の残り水を利用する。
  • 植木の水やりに米のとぎ汁を使う。(気付いた時)

雨水を貯めて利用するケースは増えてきているが、我が家では未だだ。

まとめ

里山での水利用方法について学んだが、今の生活スタイルに合わせた、より効率的な水の使い回し術は、考えればもっとありそうだと思う。

程よく有機物が含まれている風呂の残り水が植物の生育にちょうどいいのであれば、もっと積極的に再利用を考えてみたいものだ。

そのまま下水にいけば、下水処理のコストがかかるが下水に流さなければ、その分のコストは浮くわけだ。

雨水タンクをうまく利用して、風呂の残り水を、雨水タンクへ移せたら、再利用もしやすいかもしれない。

お風呂メーカの方にぜひ開発してほしい!

 

石神井川の清掃活動で拾ったゴミの量 〇○ヶ月分!

西東京市の石神井川でゴミ拾いのボランティアをしているMeC西東京さんの清掃活動に参加させて頂いた。

MeC西東京さんは、石神井川にホタルを呼び戻そうと活動をされていて、3年前から、ホタルの幼虫とカワニナの放流にも取り組んでいるとのことだ。

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で、本日回収したごみがこれ。

5人で、約2時間、早稲田大学東伏見総合グラウンド付近の弥生橋を中心に約500mの区間であったが、この量。

月一回の清掃活動を実施しており、たまたま1月が天候の都合で中止であったため、2ヶ月ぶりということであるが、2か月でこの量とは驚かされた。

この日、私が目にしたゴミのうち印象に残っているものを記してみよう。

  • ビニールゴミ
  • あめ玉の小包装
  • コンビニのビニール袋に縛られた弁当ゴミ(中は弁当のトレー、空き缶、空き瓶、ペットボトル)
  • 梅酒とか作る大きめのガラス瓶
  • プラスチックの製保存容器
  • 壊れたビニール傘
  • ステンレス鍋
  • コーヒーメーカー(小型家電)
  • オイルヒーター

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圧倒的に多いのは上から3つのビニールゴミと弁当ゴミだ。

オイルヒーターなんて高さ80cm程の大物だ。

「不要なもの」だから「川へ捨てる」という発想へどうして展開されるのだろうか。川はゴミ捨て場でないことくらいわかるはずだ。

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さらにひどい話も聞かせてくれた。

MeC西東京さんが、市のごみ減量推進課と連携して、拾ったゴミをある集積場所に集め、後日そのゴミを回収してくれるようなシステムになっているそうだが、そこに便乗して、集積場所へ勝手にゴミを捨てていく人がいると。

さすがに酷い行為なので警察に通報したが、犯人特定には至っていないそうだ。

市と協力して防犯カメラ設置も検討しているとのことだが、本当にひどい話だ。

ごみを捨てる人が後を絶たない現状を目の当たりにした。

何か対策ができないものなのだろうか。

先日「オイコノミア」というTV番組で、「ナッジ」の事を紹介していた。

ナッジ(nudge)とは、科学的分析に基づいて人間の行動を変える戦略で、2017年ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が生み出したそうだ。

その一例だが、小便器にハエのシールを貼るだけで、これまでの小便の清掃費が8割も減少したという話が有名だ。ハエを狙い撃ちするため、小便の飛散が減るというのだ。

きっと私も狙っちゃうであろう。

恐るべき、「ナッジ」!

ナッジを使って、ゴミを捨てる行動を抑制できないだろうか?

その昔、東久留米の清流・落合川もゴミの問題があったと聞いた。今でこそ、夏場は子ども達が川に入って遊べる小川であるが、私は、子ども達が遊ぶ姿やきれいな小川の風景そのものが「ナッジ」になっていたのではないかと思う。

石神井川のゴミ抑制のための「ナッジ」をみんなで考えてみてはどうだろうか?

石神井川の中を歩いてみると、〇〇が味わえる

石神井川の川の中を歩いてみた。

IMG_9425自分の素直な感想ではあるが、これは、間違いなくおもろい

非日常が味わえる。

人の生活空間とは分断された場所だからだ。

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その訳は2つある。

1つは、構造上の理由だ。石神井川上流域は、垂直に切り立った護岸が続く。親水性の川とは真逆である。川底に降りるためには、いくつか設置されている梯子を使って降りる必要がある。もちろんその梯子は、基本的に河川の関係者が使用するものだろう。

もし一般の人がここへ降りようとするなら相当な労力が要るはずだ。一般の人を寄せ付けない構造になっている。

もう1つは、見た目の理由だ。一部個所からは、雑排水が流れていて、汚水が溜まっているのが見える。間違ってもそんなところには入りたくないと考えるのが人の心情だ。その気持ち悪さが人を遠ざけている。

このように、石神井川上流域の中は、人の生活空間と分断された、人が近寄らない場所なのである。

だが、人が近寄らない場所だからこそ、逆に行ってみたくなることもある。何が出てくるのかわからないというドキドキ感だ。

実際に、川底に降り立つと普段は感じない緊張感を感じる。何が起こるか予想がつかないことからか、危険を察知しようとする感覚が研ぎ澄まされているように思えた。人間が本来持っている、身を守るための能力なのだろう。

川底には、小さいテトラポットのようなブロックが敷き詰められていて歩きにくいため、転倒するかもしれないリスクがある。

さらに、急に側面の配管から汚水が吹き出してくるかもしれないリスクもある。

石神井川の中は、常にリスクが隣り合わせだ。その意味では、前人未到のジャングルのようなものかもしれない。前人未到のジャングルを進めば、きっと、いつ敵に襲われるかもしれないというリスクと隣り合わせになるだろうから。

石神井川の中を歩く目的

では、そもそもなぜ石神井川の中を歩きたいと思ったのか?

私の掲げるビジョンとして、あそべる小川を増やす活動をするというのがある。3年以上続けているが、良さげな小川で遊んでばかりで、小川を増やす具体的な活動ができていない事に気がついた。

ちょうど新年を迎えたばかりなので、基本に立ち返り、小川のゴミ拾いからでも始めようと思ったのだ。

そこで、思ったのは、「池の水を全部抜く」というテレビ番組の異常な人気ぶりだ。胴長を履いて、水の中に入って、何が見つかるかのドキドキを楽しんでいるように思えた。恐らく、テレビで観ているだけでなく、実際に胴長を履いて水に入る経験をしたいという人が多いのではないかと思っている。

それならば、胴長を履いて、石神井川の中に入って、ゴミを拾うことをみんなでやったらおもろいのではと思ったのだ。お宝が出てくるかはわからないが、何が出てくるかわからないドキドキを味わえる点は人気の番組と共通していると思う。

なので、まず自分が、石神井川を歩いてみようと思った訳だ。

そして、歩き始めると、さまざまな疑問が湧いてきた。

水の流れがどこから始まっているの?
どんな生き物がいるの?
どんだけゴミがあるの?

この疑問については次回にしたいと思う。

その側溝が繋がっている先は?

年末の体験であるが、大掃除でよくある風景について書きたいと思う。

IMG_9378写真は、誰もがよく目にするであろう、側溝だ。雨水を排水する目的があり、大抵は川へ繋がっている。

この写真の側溝も、写真奥にある右から左へ流れる川(暗渠になっている)へ繋がっている。通常は雨水が流れるが、年末の大掃除の時期ということもあり、泡を含んだ汚水が流れたのだろう。流し残した泡が側溝に溜まっていた。

私も側溝に汚水を流してきた経験があるが、最近は、注意していることがある。

中性洗剤などを含む汚水はできるだけ側溝に流さないようにしている。

側溝から流れる汚水が、最終的に川に繋がっている可能性が高いため、川を汚さないための配慮からだ。

こういった汚水は、キッチンや洗面所など、下水と繋がったところに流すよう心がけている。

昨今の都市部では、下水道普及率の高まりが良く、川の汚染が激しかった頃に比べると水質はだいぶ良い。汚染源の一つである家庭排水が川へ直接流れ込む事はほとんど無くなってきた。

しかし、一方で、掃除などで使用した雑排水が、雨水排水路を経由して川へ流れているケースがけっこうある気がしている。どれくらいの影響があるのかはわからないが、とても気になっている。

写真の川は3面コンクリートの小川であるが、上流の台地に降った雨が少しずつ湧水となって集まった流れで、見た目とは裏腹に、意外に水が綺麗だ。そんな水が汚れる原因が、すぐ側にあることを知ると、ちょっと考えさせられる。

自分の経験から想像すると、やはり、悪影響についての認識が無い事に尽きると思う。

掃除で使った汚水をを、側溝に捨てても、川を汚している意識はきっと無いんだろうと思う。下水処理場に繋がっているんでしょ!くらいの勢いだ。

でも実際にこの側溝は、下水処理場ではなく、川に繋がっている。汚いものを何でも吸い込んでくれる魔法の穴では無いことを少なくとも認識しておきたいところだ。

年末の掃除の時に、この事を思い出してもらえたら幸いだ。

 

 

あなたの組織で始める環境活動のはじめの一歩

今の世の中、「生物多様性の保全や持続可能な利用」というものが求められている。生物多様性条約という国際条約に日本も締結しているからだ。

有名企業が里山を再生し、そこに生息する希少な生き物を保全するなんていう活動は、この配慮からだ。

でも、このような活動をやっているのは一部の企業だけだ。「職場で、省エネやってます」という程度のエコ活動に留まる企業も少なくないのではないか。

組織に合った、もう一歩進んだ環境活動をするのであれば、組織の中で、少人数のグループを作り、環境向上をテーマに話し合うことをおすすめしたい。

先日、勤務先の会社でこれを実践してみたので、この活動の一部を紹介したい。

少人数のグループ活動

活動のはじめ

先ずは活動の開始だ。会社がこのような活動を立ち上げるか、社員がこのような活動をしようと会社に提案してもよいだろう。

ポイントは、この活動をすることが会社にとって次のメリットがあることを理解してもらうことだ。

  • 企業が持つ技術やサービスを使って「生物多様性の保全や持続可能な利用」への貢献をすることで、企業の社会的責任を果たす新たな取り組みとなる。
  • 社員が一つのテーマに沿って話し合うことで、社内のコミュニケーションが良くなる。
  • チーム内で協力し合いながら特定の問題解決を行うプロセスを学ぶことができる。

あと、この活動をとりまとめる事務局のような存在があるとより良いだろう。

テーマ募集

活動が開始したら、テーマの募集だ。環境向上に関するテーマを募集する。応募した人がテーマリーダーになる。

私の場合、社員のスキルアッププロジェクトとして、少人数のグループ活動のテーマ募集が既に立ち上がっていたので、自分がそのテーマ募集へ応募した。テーマは「小川・ため池の自然環境向上」だ。

メンバー募集

メンバーは理想的には5人程度がベストだ。意見を出しやすい人数にすることが重要だ。会議で人がたくさんいると意見を言いにくいのと同じだ。

私の場合は、3人で活動を開始した。3人は最低限の人数だと思う。

活動期間

活動期間は、100日が良い。私の場合も100日であったが、理由は100日かけて話がまとまらないものはどれだけ時間をかけてもまとまらないとうことだ。

目的・目標

テーマリーダーは、事前に目的と目標を決めておく必要がある。

目的は、「何のためにこの活動をするのか」であって、目標は、「その目的を果たすためにどこまでやるか」だ。目的や目標をしっかり決めておけば、議論が発散しそうになった時に、立ち返る拠り所になる。

会合の進め方

1回の会合時間は100分がちょうど良いのでおすすめする。また、会合の開催ペースは、メンバーそれぞれの仕事の事情があると思うのでメンバー間で話し合って決めるのが良いだろう。

私の場合は週1回のペースで全15回の会合を持つことができた。

進め方にルールがある訳ではないが、環境向上がテーマになるので、私が行った以下のような流れが参考になれば嬉しい。

  1. 問題点の分析
  2. 解決案のブレスト
  3. 解決案の絞り込み
  4. 絞った解決案の詳細検討
  5. 今後の課題整理

会合を始める前には、司会や板書担当・議事録担当を決めておくことも必要だ。

また、時間通りにスムーズな会合を行うには、リーダーが事前にアジェンダ(議題)を用意しておくことは必須だ。その会合で得たい結果が得られるように議題と議論する時間の目安を決めておくと良い。

議論が発散しそになったら、司会役が間に入り、議論を元の軌道へ戻すことも必要になるだろう。

もしかしたら、会合中、メンバー間で意見の食い違いがおきるかもしれない。複数の人間がいるので、自分と同じ意見を持つ人もいれば、異なる意見を持つ人もいる。当たり前のことだ。だが、大事なのは違う意見の人と話し合うことで、自分の案でもない、相手の案でもない、第三の案を導いていくことだ。自分の意見を通すため、相手とかけひきをすることは不要である。こういう考えで良い議論を導いていって欲しい。

成果発表会

最後には成果発表会は欠かせないだろう。メンバー全員が一所懸命考えた結論について、社内へ発表をして欲しい。その結論は小さな一歩かもしれないが、環境向上へきっとつながるだろう。

また結論だけでなく、活動の中で起きた紆余曲折もぜひシェアしてほしいと思う。物語があると共感を得やすいからだ。

キーパーソンの共感を得られれば、その成果が具体化するチャンスかもしれない。

まとめ

あなたの組織で始める環境活動のはじめの一歩について、私の経験を交えて紹介した。

企業が持つ技術やサービスを使って「生物多様性の保全や持続可能な利用」への貢献についてぜひ話し合って欲しいと思う。この活動が広がりを見せることで、生物多様性の危機が少しでも小さくなってくれたら嬉しい。

できれば、小川の自然環境向上をテーマにしてもらえたら個人的にさらに嬉しい!

お風呂のお湯を暖かいまま流してないですか?

先日、西東京市(エコプラザ西東京)が主催する講演会を聴講してきた。

「知られざる環境変化-都市河川の温暖化-というタイトルで、東京工業大学 環境・社会理工学院 木内教授のお話しを聴かせて頂いた。

温暖化の問題は、気温の事がよく取り上げられるが、都市河川の温暖化という現象が発生しているとは知らなかった。

河川の温暖化のスピード

地球の平均気温は、100年で0.72℃上昇しているそうだが、都市河川の温暖化のスピードは、それ以上だという。多摩川の過去20年間の水温変化でみると3℃以上上昇している地点があるのだ。

原因

で、その原因が下水処理水だという。

下水処理水が河川へ放流されているのだが、その下水処理水の温度が過去に比べて上昇しているからだという。

これは生活様式の変化のためで、お風呂や厨房で使用された、暖かい排水が下水へながれていることに起因している。

蛇口をひねったときの水温も、ヒートアイランド現象によって、以前より上昇しているが、それを差し引いても、風呂や厨房からの排水に起因する部分が大きいのだ。

夏場は、河川水より処理水の温度が平均的に低いので、影響はあまりないが、冬場は、処理水の温度が河川水より高いので、河川水の水温を上げているのだ。

そういえば、同じようなことを聞いた事がある。東久留米市に黒目川という湧水の小川がある。川沿いの清涼飲料水工場からの処理水が黒目川に放流されているが、そのせいで冬場でも水温が比較的高く、魚がよく確認できるそうだ。

影響

河川の温暖化がこのまま続いた場合、河川の生態系への影響が懸念されている。個々の魚が繁殖や生息に最適な水温があるが、高水温が苦手な生き物にとっては好ましい状況でない

すぐ直接的な影響がでる現象ではないそうだが、影響については注意を払う必要がありそうだ。

簡単にできる対策

最近流行りの「冷めにくいお風呂」は次の日でも暖かいというのが売りであるが、暖かいお湯をそのまま下水へ流すと、河川の温暖化に手を貸すことになるので、注意をされたいところだ。排水する前に、風呂蓋を外し、水温を少しでも下げてから排水を心がけたいところである。

また、厨房では必要以上に暖かいお湯を使わないという心がけも良いだろう。

下水処理水のエネルギー利用という点では、ヒートポンプ技術を使ったシステムが実用化されているということだが、広がりはこれからのようだ。今後の下水処理水エネルギーの利用拡大に期待したい。

ちなみに自宅の風呂はすぐ冷めるタイプである。よしよし!

 

小川の問題に取り組むと身に付くコト

こんばんは。

朝の通勤電車の中で、日能研の「◻︎◯シリーズ」の問題を目にしました。

その中には、干潟についての問題が記載されていました。

干潟についての問題

要約するとこんな感じ。

干潟は、高度経済成長期に干拓によって農地化されてしまった。

Q1:干潟が干拓され易い理由を述べよ。

Q2:干潟を守る上で何が重要か?あなたの考える「干潟の保護」を1行で述べよ。

大人でもなかなか答えに困る問題だなと感じます。

ここで私が言いたいのは、この問いに答えられるかどうかではなく、この問題に込められたメッセージの奥深さです。

問いに込められたメッセージ

原文を引用します。

問題に取り組むことで、子どもたちは、あまりなじみのない干潟というテーマについて、科目の枠を超えて多角的な視点から見つめ直す過程を体験します。また、自分なりの考えを説明することによって、自分の考えだけでなく、他の人の考えにも興味を持つなど、自分とは異なる意見に触れたり、新しい答えをつくり出したりすることにも目が向いていきます。

子どもたちがこの問題に取り組むことは、今後さまざまな未知の課題に出あったときに、課題を「自分ごと」としてとらえて考えるきっかけになることでしょう。

とても共感できる考えでした。

小川の問題について子どもたちが取り組んだ場合でも、全く同じことが言えるのです。

なので、私はぜひ小川に関する次の問いを子どもたちに投げかけてみたいです。

武蔵野台地上の小川は、地域の都市化が進むに従って、大都市特有の水害(都市水害)が多発するようになった。水害から街を守るため、小川の川底は深く掘られ、垂直の護岸がつくられるようになった。

Q1:地域の都市化が進むにしたがって、水害が多発するようになった理由を述べよ。

ぜひ、子どもたちと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?きっと「自分ごと」として課題に向き合うチカラが身に付いていくと思います。

自然観を高めよう!

こんばんは。

自然観(しぜんかん)という言葉をご存知でしょうか?

自然観(しぜんかん)とは、価値判断の根底にある自然への価値観のこと。文化の差によって大きな違いがあると考えられる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

先日「自然はそんなにヤワじゃない 誤解だらけの生態系」(花里孝之/新潮選書)という本を読みましたが、この本に書かれている自然観にとても共感しました。

  1. 人類は、他のあまたの生物種と同じく、地球生態系の一員である。
  2. 人類は、すべての生物たちの活動によってつくられているバランスの中で生きている。
  3. 人類が健やかに暮らしていけるように生態系のバランスを維持することが必要である。

1つめについては、紛れもない事実であることはすぐに解ります。

2つめについても、なんとなくバランスの中で生きていることは実感できます。例えば、空気。人間に必要な酸素ばっかりがあっても、二酸化炭素がなければ、植物に必要な光合成ができないので、両方必要ですよね。

そして3つめ。先の例で言うと、植物の光合成のために二酸化炭素は必要だけど、二酸化炭素は温室効果ガスと言われて、地球温暖化の原因なので多すぎると人間にとって困る。人類が健やかに暮らしていくのにやっぱりバランスが大事というのが解ります。

でもバランスを崩す状態って、ここまでは持ちこたえられるけど、この先はダメといった、境界値みたいなものがありそうですが、この境界値がほとんどの場合わからないから困ったものです。

境界値に達するまでは、普通まったく気づくことはないですからね。

そこで、この本の最後ではこんな言葉も記されています。

「我々は常に生態系全体のバランスを意識しながら行動すべきだ。」

人間が生態系になんらかの影響を与えると、必ずなんらかのバランスが変化するので慎重な対応が求められるということです。

例えば、田んぼの脇をながれる小川(水路)を管理のしやすいコンクリートに変更しようとした場合、どんなふうにバランスがくずれるでしょうか?

こういったことは、ほ場整備でたくさん行われてきましたが、失ったものはないのでしょうか?

この自然観が正しければ、バランスは変化して、何かを失っているはずです。

それは生物種の絶滅の話も当然ありますが、それだけではないでしょう。

それまであたりまえだった、何気ない景色だったり、小川のせせらぎだったり、その小川からあふれる子供の笑顔だったりね。

講演会で聴いた地域づくりの秘訣とは?

こんばんは。

先日、水辺からはじまる生態系ネットワーク全国フォーラムという講演会に参加してきました。

河川を軸とした生態系ネットワークを作ることで魅力ある地域づくりを
実施してきたいくつかの事例のお話を聴くことができました。
その中で、兵庫県豊岡市の中貝市町のお話がとても印象に残りました。

豊岡市の取り組み

豊岡市では、円山(まるやま)川流域においてコウノトリと人が共生する環境の再生を目指して多様な主体が連携してコウノトリの野生復帰を果たし、現在も活動をしています。

コウノトリといえば赤ちゃんを運んでくる幸せの鳥というイメージがありますよね。

しかし、そのコウノトリですが、生息環境の悪化により数を減らし、1971年に日本の空から姿を消したというのです。国内最後の生息地であった兵庫県豊岡市では、コウノトリの野生復帰に向けた取り組みが進められました。

例えばこんなこと…

  • 飼育下での保護増殖や放鳥
  • 「コウノトリを育む農法」と呼ばれる無農薬・減農薬農法の普及
  • 湿地の再生(ハチゴロウの戸島湿地)2012年7月にラムサール条約に登録

そして、現在はこの取り組みの結果個体数も187羽になったとのことです。

地域づくりの秘訣は?

パネルディスカッションでは、地域づくりの秘訣について聴くことができました。

同じ夢をみることが大事

この言葉はとても響きました。いざ再生に向けて多様な人が集まったとしても、それぞれに違った価値観をもっているというのです。

ある人は、環境が一番、ある人はお金が一番などと。

だからそこで対話を重ね、同じ夢を見る必要があると。

「環境をよくすると、経済がよくなる」という流れに持ってゆき、それが共有できれば、お金一番の人も味方になって行く。

そして、その夢は、思いを強く持っている人がトップを口説き落せれば話は次第に進んで行くと。

とても聴き入ってしまいました。

夢を持つことは素晴らしいことですが、自分の中だけで持っていてもダメなんですね。その夢をみんなに(特にキーとなる人にも)話し、どんだけ素晴らしいことが起きるかを語ることが大事なんですね。

自分の小川への思いと重なる部分があり、小川の素晴らしさを発信することはとても意義深いことなんだと改めて思うことができました。

最後にこんなお話もされていました。

川の水より魚が多かった」という70年前の話。

実際にはあり得ない表現かもしれませんが、70年前に比べて、我々は明らかに何かを失っているのです。

できることならその頃の川で遊んでみたいと思います。

我々はその時期に戻ることはできませんが、同じ時間をかければ、失ったものを取り戻せる可能性があるのです。

「川の水より魚が多かった」時代、見てみたいですね~

小川と切っても切り離せない「生物多様性」の問題

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか?

私は年末にかけて、「<生物多様性>入門」(鷲谷いづみ/岩波書店)を夢中で読んでおりました。

「地球温暖化」というキーワードは今や多くの人に知れ渡った境問題の1つだと思いますが、「生物多様性」の問題というと、まだまだ認知度の低い問題かと思います。
生き物のあまり興味のない私の妻や母に聞いても、やっぱり「生物多様性」という言葉は聞いたことが無いと。。。

小川の生態系にとって、切っても切り離せない「生物多様性」の問題。「生物多様性」の問題とはいったいどんな問題なのでしょうか?

生物多様性とは

一般的に次の3つの意味があると言われています。

  1. 生物の種類がたくさんあること。
  2. 同じ種類であっても、形や色彩や大きさ、行動の違いといった「個性」があること。
  3. 樹林・草原・水路・水田・ため池など、異なる性質の生態系が多く組み合わされていること。

生物の種類がたくさんあって、同じ種類でも個性がたくさんあって、樹林・草原・水路などの異なる性質の生態系が多く組み合わせれていると生物多様性が高いということになります。

生物多様性の問題とは

まず、人間の暮らしって、「豊かな自然」に支えられているってことはなんとなく理解できるのではないかと思います。

例えば、

  • 食料や燃料などの資源
  • きれいな水や空気
  • 災害防止機能
  • さまざまな喜びや楽しみ、癒し

などを、人間は豊かな自然から得ていますよね。

先ほどの生物多様性は、人間が得るこれら恩恵の源泉であることを認識しないといけません。だから生物多様性が低くなると、人間が得られる恩恵も減るということなのです。

では、今得られている恩恵を維持するために、現時点で人間に利用されている生物のみを保全すればよいのでしょうか?

答えはノーなのです。

現時点では人間に利用されていない生物も、将来よく利用される可能性があるのです。

古来より人間は、生物が環境に適応して獲得してきた形質(戦略)から学んできたといいます。

例えば、オナモミのかぎ状のとげは、マジックテープ(面ファスナー)からヒントを得ているそうです。そして、最近では、群れて飛ぶ鳥に関する理論から車の自動運転技術への応用が検討されているとか。

「生物が長い年月をかけて獲得してきた貴重な戦略情報を、人間がそれを解明し、認識し、利用し、楽しむひまもなく、絶滅によって永久に失わせてしまうことは愚かである。」という言葉に問題の本質が伺えました。

つまり、人間にとって宝であるこの戦略情報を、後世の人たちに残せないことは問題であるということなのです。

だから、生物多様性の保全が必要であるということだったんですね。

小川の生物多様性を考えるうえで、とても理解が深まった1冊でした。

より詳しく見てみたい方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。