湧水のシンボル、バイカモが自生する水路

こんばんは。

年末に行った長野県南佐久郡佐久穂町にある妻の友人の別宅へお邪魔させてもらいました。

知らない地へ訪れた際は、恒例の早朝小川調査です。朝の散歩がてら近くの小川へ行くのはウキウキしますね。

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友人のお家の前に水路が流れていたので、この水路沿いに歩いてみました。この水路、山からの水を集めて千曲川へ注ぐ流れのようでした。この日は、朝雪が降っていたので、写真の左下に雪が積もっているのがお分かりでしょうか?

で、注目頂きたいのは、この水草の群生です。湧水のシンボルであるバイカモがたくさん生えていました。

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個体を少量採取したものがこれです。

バイカモは、冷たい流れのある河川や水路などに生育する常緑多年草の沈水植物です。春から秋にかけて梅の花に似た白い小さな花を咲かせます。 これが名前の由来になっているそうです。漢字で書くと「梅花藻」。節から出る白く長い根(不定根)で流されないように水底に張り付きます。

止水域では上手く育たないとのことですが、理由はおそらく光合成のために光を受ける量が少なくなるからだと思います。以前、知り合いの方(有限会社ピクタの陶さん)から聞いた話ですが、ミクリなど、流れのある川に育つ水草は、流されることで葉っぱを横一杯に伸ばすことができるので、光をたくさん受けることができるそうです。止水域では、葉っぱがたくさん光を受けられる状態にはならないので光合成が少なくなるそうです。バイカモでもこの話が当てはまるのだろうと思います。

水鉢ビオトープのお掃除

こんばんは。

すっかり更新を怠っていたため新年が明けてしまいました。

皆さま本年もよろしくお願い致します。

さて、自宅の水鉢ビオトープが、昨年の夏からアオミドロ(緑藻の一種)に占領されてからずっと放置していたため、ひどい姿になってしまいました。

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反省を踏まえてアオミドロ殲滅のため、「池干し」に習って、水を抜いてお掃除を行うことにしました。

池干しとは、大雑把に言うと、「池の水を抜いて泥を空気にさらすことで水質を改善してあげる、ため池の管理方法」だそうです。ため池は放っておくと貯められる水が少なくなったり、水質が悪くなったりして、ため池の水を使用する田んぼでおいしいお米が取れなくなるそうです。なので昔の農家の人は、ため池を定期的に池干しして管理してきたのです。

引用:東海タナゴ研究会 http://toukaitanago.web.fc2.com/ike.html

で、池干しの効果はいろいろあるようですが、今回のなんちゃって池干しによって、

  1. アオミドロを乾燥、紫外線によってやっつける。
  2. 新鮮な水に入れ替えて、富栄養化した状態を改善する

を狙います。

そもそもなぜアオミドロに占領されてしまったのでしょうか?

この水鉢ビオトープでは、タニシ、シジミ、カワニナ、ヌマエビ、ホトケドジョウを飼っています。彼らが出す糞や飛んでくる枯葉などが微生物によって分解され窒素やリンが溶けた水の濃度が増します。その栄養と夏場の太陽光によって、そして水の流れが無いという条件が加わることでアオミドロがどんどん増殖したのだと思います。

定期的に水替えをしたりすれば、水が富栄養化するのが抑えられるので、増殖の度合いも抑えられたでしょう。

水替えって面倒なんですよね。

なんちゃって池干しですが、

  1. まずは小さいバケツで水を抜きます。
  2. 中にいる生き物をバケツに退避します。
  3. 手で取れるアオミドロを除去します。この際、水鉢に植えていたヤナギモにアオミドロがからみついているので、とりあえず、ヤナギモともども一旦バケツに退避しました。
  4. 地下茎で増えたオオトクサも退避します。増えた分の地下茎をハサミで切って取り出します。
  5. 水鉢内の石を取り出して、石にこびりついているアオミドロをタワシで洗います。

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とりあえず目に見えるアオミドロは大部分除去できました。明日一日、お日様の下で干してみることにします。除去できていない細かいアオミドロはこれで干されてやっつけられると思います。

明日も作業します。続きはまた明日!

富士見市水谷田んぼの水路の水上&水中映像

こんばんは。

もうすぐクリスマス。大人もサンタさんからプレゼントが欲しいですね~。

さて、冬の寒さにも負けず、今回は日本の原風景とも言える、田んぼと小川の環境を求めて走り回りました。

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そして、見つけたのが、富士見市にある水谷田んぼです。

この水谷田んぼの中央を流れる水路ですが、柳瀬川から取水して水谷田んぼを潤し、新河岸川へ排出する素掘りの水路です。

同じ日に国道254号バイパス沿いの田んぼもいくつか見て回りましたがやはりコンクリで作られた水路が圧倒的に多く、素掘りの水路は、生物多様性の面からもとても良い環境ですよね。

東京の都市部ではなかなか見られない光景なので感動しました!!

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上の写真下部にあるのは「ひっつき虫」の代表格コセンダングサです。今回小川沿いを歩いただけで、靴やズボンに細長い種子がくっつきまくっていました。これが靴下にくっつくとまれにチクチク痛いので、こういうところを歩くときは長靴が一番です。

ちなみに近縁のアメリカセンダングサの種子はひらべったく、クワガタムシのように見えます。

そんな小川の風景をあめんぼの目線で撮影しました。

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

動画の最後の方に、稚魚が群れて泳ぐ姿が見られますよ^^

小畔川の水上&水中映像

こんばんは。

一段と寒さが増してきましたね。

久しぶりの小川調査に行って来ました!

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行ったのは埼玉県川越市などを流れる小畔川。荒川水系越辺川の支流です。

ススキが生い茂った川沿いは、雰囲気がとてもよく、散歩やサイクリングを楽しむ人を何人も見かけました。

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精進場橋付近の土手を降りて川へ近づくと、気持のよい水のせせらぎの音が聞こえてきます。見た目の水は綺麗に見えました。少し水の流れは速いですが、浅瀬の水深は20cm程のところもあるので、子供が川に入って十分あそべそうでした。

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少し下流の農業用水路との合流地点。流れが少し緩い箇所があったのでここであめんぼ目線カメラの撮影をすることにしました。

種の同定はできませんでしたが、緩い流れのところに稚魚やコイが確認できました。

少し残念なのはゴミが目立ったことですね。小畔川から流れてきたゴミがちょうど吹き溜まりのような感じでこの場所に集まってくるようで、私が撮影している最中にも、菓子折りの箱のようなものがどんぶらこ~と流れてきました。

捨てた人、ゴミを捨てるのはダメですよ~!!!と思いながら今日も夢中でラジコン操作です。

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

遊べる疎水ガイド

こんばんは。

本サイトでは、親子であそべる小川の情報を提供しておりますが、農林水産省の疎水名鑑がとても興味深かったのでご紹介します。

疎水とは、潅漑(かんがい)や舟運(しゅううん)のために、新たに土地を切り開いて水路を設け、通水させること、あるいはその水路のことをいいます。

疎水名鑑の定義では、日本の農業を支えてきた用水を対象にしているようです。(飲用水として利用された上水は対象外のようです。)

この疎水ですが、日本全国に張り巡らされていて、総延長はなんと40万kmに及ぶそうです。地球10周分です。人体の毛細血管のように張り巡らされているのです。

川から取水して田んぼを潤した後にまた川に戻す。とてもシンプルなことですが、水の位置エネルギーを利用して高いところから低いところへ水を導いていくことは、高い技術が必要だったと思われますね。

昔ながらの田舎の風景といえば、「田んぼ」と「小川」を思い浮かべる人も多いと思います。私もその一人です。田んぼに春の小川なんて言ったら他に何もいりません!

でも、実は田んぼの側を通る水の流れは、疎水つまり用水がほとんどなんですよね。

でも、日本人は田んぼの側を流れる疎水を「小川」って呼んできたのだと思います。

「春の疎水」でなく「春の小川」と。

改めて「小川」という言葉のイメージの良さを実感させられます。

で、疎水名鑑のサイト内に、遊べる疎水ガイドというのがありました。全国の遊べる疎水を紹介しています。以前私も訪れた「府中用水」も紹介されていました。

私は、その小川版、「あそべる小川ガイド」を作るのが夢ですね^^

 

落合川上流の水上&水中映像

こんばんは。

今日も寒かったですね。風邪など引いて無いでしょうか?

さて、先日、私の念願でありました、落合川全長約3kmをあめんぼカメラで撮影をするということをようやく実行に移すことできました。

厳密に言うと、カメラの電池切れが発生し、全行程の三分の二程しか撮影できませんでしたが、満足のいく映像が得られました^^

しかし、撮影は、思ったより困難を極めました。

思った以上に水草(ナガエミクリ)が水面を覆っていて、カメラ付きラジコン船がうまく前に進められないことが多々ありました。

そんなときは、川に入って船を救助して、船が航行できるところまで運んであげる、そんなことを繰り返し、なんとか撮影を続けて行きました。

落合川マップ

撮影工程は上図のように全9か所を撮影しました。

各箇所の映像はいづれ時間があるときにアップしたいと思います。

今回は上流の2箇所をピックアップした映像です。

東久留米を代表する川、「落合川」ですが、上流の雰囲気はまさに、きもちのよい小川です。小川のの魅力をぜひ味わって頂ければと思います。水中に登場するお魚は、遊泳魚であるカワムツかと思います。

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

 

あなたにとって良い川って、どんなイメージですか?

こんばんは。

最近の寒さですこし喉の調子が悪くなってきました。皆さんはお風邪などひかれていないでしょうか?

本日は、とある川沿いを歩いているときに作業をされていた男性のお話をします。

その方は、川沿いを歩きながら、先端にかぎ爪が付いた棒を使用して何やら川底から緑色のものを採っていました。声をかけてその緑色のものをみせてもらうと、アオミドロ(緑色をした糸状の藻類)のようでした。

「川が汚れているからアオミドロがすぐ増えてしまうんだよね~」とのことでした。汚れているとは、窒素やリンなどの栄養塩が多い状態(つまり富栄養化した状態)を指していると思いますが、確かに、富栄養化状態では、アオミドロが増えやすい状態ではあります。

さらにその方は、アオミドロ以外にも川底に生える水草も除去していました。水草は、その川に広く生えているナガエミクリのようです。「えっ」と思いながら理由を聞くと、「これ(水草)が増えちゃうと川の流れを悪くしちゃうんだよね~」と。

環境省のレッドリストによるとナガエミクリは準絶滅危惧種にランクされています。

川を良くするという思いでは皆さん一緒だと思うのですが、人によって良い川のイメージが異なるのだな~と考えさせられました。

恐らく、その方のイメージは、川底に水草もアオミドロもない、清流を目指しているのかもしれません。

私の良い川のイメージは、水草も川の構成要素の1つと考えます。水草が、水中の栄養塩を吸収して、水を浄化する働きがあるからです。なので、水草をむやみに除去する必要はないと思いますね。水草を増やせば逆にアオミドロの増加は抑えられるのではと思います。

流れを悪くするといっても、水草を完全除去しなくても、ある程度の流れは確保できると思うのですが。

あなたにとって良い川って、どんなイメージですか?

川島町のアドベンチャーワールド~中山用水

こんばんは。

三連休最後は、曇りぎみなお天気でしたが、リフレッシュできましたでしょうか?

さて、三連休初日に訪れた埼玉県比企郡川島町を流れる中山用水のご紹介です。

越辺川(おっぺがわ)から取水して川島町の水田を潤している用水路だそうです。歴史的なことはこちらに詳しく書いてあるのでおすすめです。

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素掘りな感じの雰囲気がとっても良く、見た目の透明度も良好です。このままこの雰囲気が保存されることを期待します。

 

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住宅のすぐ側を流れる水路です。ここは水深20~30cm程で、オオカナダモが流れになびいていました。

そのオオカナダモの間をすいすいと泳ぐ魚影も確認できました。ゆっくり釣りでもしたいですね。

 

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家の裏庭から水路に降りる階段を発見。今でも使っているかは不明ですが、野菜を洗うために使っていたのでしょうか。

身近にこんな水辺があるのは本当にうらやましいです。

 

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そして、道路から少し離れた場所を流れる水路は、こんな森の中をくぐり抜けることもあります。アドベンチャーワールドな感じです。

人が入らないだろうと思われる場所には、あめんぼカメラで潜入して観察してみたくなります。

ということで、水上&水中映像を撮影してみました。

 

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

 

 

 

都幾川の素敵な水中の世界

こんばんは。

三連休2日目、いかがお過ごしでしょうか?

この日は、あめんぼカメラのユニットボックスの設計者である

ANOTHER PRODUCTの関口氏

と一緒に、新型あめんぼカメラによる、都幾川での撮影に来ました。

この日の天気は青空が広がっており、清々しい一日でした。

都会に住んでいると青空を感じることは少ないと思いませんか?

おそらく、都会にいると高い建物が多いので、歩く時の視線から、さらに上を見ないと空がよく見えないのだと思います。

一方、都幾川周辺は、視線を遮る高い建物は少ないため、視線に青空が直接飛び込んでくるので、より青空を感じやすいのではと思います。

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さて、あめんぼカメラですが、こんな感じで、水中と水上にカメラを搭載し、ラジコンで操作できます。

関口氏の設計した3DCADデータによって3Dプリンターでユニットボックス(上の写真の薄緑の箱部分)を作成しております。関口氏は、3Dプリンターの出来上がりを見て、「思ったよりしっかりしている。」と好印象でした。

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写真の上が上流、下が下流になります。本流の流れは早く、あめんぼカメラが遡航するには早すぎるので、流れが緩やかな部分で行いました。

こういった流れが緩やかなところには、稚魚がよくいますね。流れが速いと稚魚は流されていっちゃいますからね。

たくさんの稚魚たちが泳ぐ映像はこちらです。

設定で「画質=1080p」を選ぶと最高画質でご覧いただけます。

親子でぜひ楽しんでくださいね!

 

自由に道を切り開いて行こう!都幾川

こんばんは。

今日は、埼玉県東松山市を流れる都幾川へ行って来ました。

都幾川は、荒川水系越辺川(おっぺがわ)の支流です。

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久しぶりの青空のもと、清い流れを見ていたら、今週の仕事の疲れが一気に吹き飛びました!

「都会にないものがここには全部ある」といった感じですね。

さて、こんな景色に会うためには土手から河原まで歩いて行かねばなりません。

国道407号線周辺の土手から河原までは、100m程、その間、ヨシやススキ、ノバラの合間を抜けて歩いていく必要があります。

最初は河原までの道がないから「どうやって降りるの」と思ってしまうかもしれません。都会に住んでいると、誰かが敷いた道を歩くことが当たり前になっているので、道ないと行き方に困ってしまうのです。

ですが、「道は自分で切り開いてよい」のです。

ヨシやススキ、ノバラなどを上手くよけて、自分で歩ける道を探して河原まで降りて行けばよいのです。

なんだか、人生そのものですね^^

子どもに「自分で道を切り開くことの大切さ」をここ都幾川で教えることができるのではと思いました。

みなさんはどんな3連休の初日を迎えられましたでしょうか?

都幾川へもぜひ家族でお出かけしてはいかがでしょうか?