微生物燃料電池のDIYやってみた〜その17〜


微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。

前回は、作成した自動電圧測定システムを活用し、条件を一定にした状態で、お酢やピルクルを投入した場合の性能を測定した。お酢の投入では、性能向上の傾向がみられたが、時間の経過で元の性能に戻ってしまうことが確認された。一方、ピルクルの投入では、少量であれば一定の性能向上が見られたが、量によっては、逆に性能が低下してしまう事象も発生した。この性質が再現性のあるものなのかは、いづれまた見ていきたいと思う。

今回は、お酢もピルクルも投入しない状態を自動電圧測定システムを使って確認しておきたいと思う。お酢やピルクルの投入以外の要因で性能向上したのではないことを改めて確認しておきたいからだ。また、システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も持たせるようにして、電圧変化の様子も把握してみようと思う。

お酢もピルクルも投入しない状態

使用したのは、電池No.31とNo.32の2つ。

上の折れ線は、電池No.31の7日間のIV特性である。測定1日目のデータは少し低めではあるが、およそ、変化がない結果が得られた。

一方、上のフラフは、電池No.32の7日間のIV特性である。こちらは、1kΩや680Ω接続時の性能が、理由は不明だが、時間の経過とともにやや低下した。

どちらのグラフでも、性能の向上はみられず、やはり前回の結果では、お酢やピルクルの投入が要因で性能向上したと言えると思う。

24時間連続電圧監視

自動電圧システムを少し改造し、1分毎に、24時間連続で電圧を測定する機能も追加した。2つの電池を同時に測定できるように、これまで1チャンネルだけであったが、2チャンネル分の電圧が測定できるようにプログラムを変更した。

上のグラフは、電池No.31、No.32における、5月28日の0時から24時間電圧変化を示す。6時と7時には、それぞれ電池No.31とNo.32に対して、負荷抵抗を繋ぐ機能が同時に動いているため、その時の電圧変化の様子も視覚的に捉えることができた。

この結果を分析すると、負荷抵抗を繋ぎ終えた後、およそ10~11時間で負荷抵抗を繋ぐ前の開放電圧の状態に回復することがわかった。また、1時間で、負荷抵抗を繋ぐ前の平均値の90%以上回復し、2時間では、95%以上回復することも分かった。

No.31の電池に負荷抵抗を繋ぐ6時から3時間をクローズアップしてみよう。

グラフの不連続点は、負荷抵抗(2kΩ、1kΩ、680Ω)を繋ぐタイミングと負荷を開放するタイミングである。このグラフを眺めていて、今更ながら気づいてしまったが、抵抗を繋いで電圧が安定したときの電圧を測定するつもりであったが、全く安定していない状態でどうやら測定をしていたようだ。例えば2kΩの抵抗を繋いで10分の時点ではグラフは平衡状態(横ばい)にはなっておらず、描く曲線を予想すると、おそらく30~40分程の待ち時間が必要なのかもしれない。実は、なんとなく10分では安定していないかもと感じていたが、データでみるとハッキリと分かってしまった。自動電圧測定システムを作った甲斐があったということだろう。

まぁ、今更仕方ないというのもあるが、同じ条件で測定さえできていれば、相対的な変化は分かる訳なので、とりあえずこのままの条件でやってみようと思う。

さて、次は、この電池に対して、お酢を投入する実験を再度行ってみたいと思う。