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1974年生まれ。近所の東久留米市を流れる落合川が大好き。この落合川のように、生き物を捕ったり、水に入ったりしてあそべる小川をもっと増やせたら良 いなと思い活動を開始。自分なりの「あそべる小川」を増やす活動の一環として、本サイトを立ち上げる。東京近郊の小川100箇所めぐりが目標。 「あそべる小川」について日々発信しています。小川に関心のある方からの書き込み大歓迎です。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その6〜

微生物燃料電池で小型モーターを回す計画を前回立てたが、電池をもっと増産していかないといけない事がわかった。そこで、微生物燃料電池の増産を少しづつ始めたのでリポートしておきたいと思う。

微生物燃料電池の増産(電池No.9-12)

電極の組み合わせは、アノード電極に炙ったステンレス網、カソード電極に、ステンレス網(炙っていないステンレス網)を採用した。

電池No. アノード カソード
9 炙ったステンレス網 ステンレス網
10 炙ったステンレス網 ステンレス網
11 炙ったステンレス網 ステンレス網
12 炙ったステンレス網 ステンレス網

各電池の開放電圧(mV)の日数変化を以下に示す。

日数 電池9 電池10 電池11 電池12
0 349 370 387 327
1 408 408 432 412
2 576 533 626 610
3 656 631 690 651
4 733 674 760 685
5 740 639 768 681
6 727 664 766 695

思ったより開放電圧が上昇しなかったが、もしかしたら、グラファイトフェルトをカソード電極に使用した時との差が発生しているのかもしれない。もしくは、10月になり気温が下がってきたことによるのだろうか。

その後、負荷を接続してみることにした。電池No.9からNo.12を直列につなぎ、1kΩ抵抗とLEDを接続し、電流を流した。およそ1日経過した後の負荷両端の電圧は2.02Vを示し、その後は1.73V程度に安定し、2週間以上点灯を続けている。

前回作った微生物燃料電池の長期モニタリング

一方で、前回作った電池No.5-No.8の解放電圧も測定を続けた。次の表は各電池の開放電圧(mV)の日数変化を示す。21日目までの結果は、前回の結果を再掲している。

解放電圧45日目にはNo.6の開放電圧が459mVまで下がった。この時、泥が乾燥してきた可能性を疑い、No.5-No.8の電池へ少し水を加えてみた。その結果、50日目にはNo.6の開放電圧は799mVに回復した。しかしその後、61日目には146mVにまで下がってしまった。

日数 電池5 電池6 電池7 電池8
0 583 627 612 594
1 739 794 772 770
2 759 804 779 785
21 872 846 834 816
45 624 459 743 757
50 859 799 828 831
61 846 146 849 794

このように開放電圧が低下する理由として、少しずつ泥が乾燥してきたことが関係しているように思われたので、泥の乾き具合を確認し、湿り気をリセットすることにした。

各電池の泥を一旦取り出してみると、やはり初期の状態に比べると乾燥しているようだった。

上の写真は、電池を作る前の初期の泥の状態であるが、これと比べるとその差は明らかだ。

水を加え、練り直した泥を、電池へ再び充填した。

湿り気をリセットした後の各電池の開放電圧(mV)の日数変化を以下に示す。

日数 電池5 電池6 電池7 電池8
0 531 366 345 541
1 552 466 479 707
2 562 538 530 741
3 591 555 574 750
5 611 567 599 679

電池の解放電圧は、回復の兆しを示したようだ。やはり、時間の経過に伴い解放電圧が低下してくる現象は、泥が乾燥してくることが関係していると言えそうだ。

解放電圧の低下をさせないために、水分の蒸発を抑える工夫が必要かもしれない。ただ、カソード電極での反応では酸素が必要なので、通気性の確保も同時に考慮しないといけないだろう。

失敗から新たに学んだことを活かし、さらに電池の増産に励もうと思う。

発酵熱をペット用の暖房に利用できるかの実験〜その1〜

我が家では、今年の夏からセキセイインコを飼っており、我が家のスーパーアイドルとなっている。

10月に入り、そろそろ気温も下がってくるので、妻は寒さに弱いインコのためにヒーターを準備しようとしているが、災害時に電気が止まってしまった場合を想定して、電源の要らない熱源をバックアップで用意したいと思っている。

そこで、調べていたら、踏み込み温床なるものを知り、これをインコの熱源に利用できないかと考えている。

踏み込み温床とは、落ち葉や藁などの有機物が微生物によって発酵するときに発生する熱を利用して、まだ寒い時期に、作物の苗を育苗する技術だ。

一般的には、木枠を作って、その中に落ち葉などの有機物を入れ、その上に米ぬかと水を撒いて足で踏み込む。これを何回も繰り返していくわけだ。

上手くいけば40度くらいの熱が2ヶ月程持続できるそうだ。ただ、加減が難しく、数日間高温(60-70度)になった後、低温になってしまうことも。

我が家には木枠を置けるほどにスペースがないし、たくさんは必要ないので、省スペースで少量を作る事にチャレンジしてみた。

材料

  • 落ち葉
  • 米ぬか
  • 土嚢袋

作り方

  1. 落ち葉集め
    近所の雑木林で収集した。
    分解しやすいのは、クヌギなどの落葉樹の葉だ。枝はなるべく入れない方が良い。針葉樹の葉は分解しづらいそうだ。袋一杯3.4kgとなった。そういえば、落ち葉であれば、池や小川の底にも体積しているので、その落ち葉でもいけるのか、今後実験してみたいと思う。池や小川の富栄養化の予防に貢献するかもしれない。
  2. 袋に落ち葉を入れる。
  3. 米ぬかを撒く
  4. 米ぬかが均等になるようにかるく混ぜる
  5. 水を撒く
  6. 足で踏む
  7. 2から6を繰り返す完成したのがこちら。

テスト

さて、これが上手くできたかは、温度を監視していかないとわからない。毎日、温度計で確認していくのも面倒くさいので、ここは自動で温度を測ろうと思う。Raspberrypiという小型コンピューターと温度センサーを使い1時間ごとの温度を測定する。温床の中央付近にセンサーを差し入れ、温床内温度を測定した

ローカルネットワークにいるスマホから、過去24時間の温度変化をグラフで確認できるようにもした。ちなみに凡例にWater Temperature となっているが、温床内の温度を示している事を付け加えておく。

開始から1日目で約45度まで温度が上昇した。

2日目には、40度から50度の範囲で推移した。

そして3日目には、48度前後で安定した。今のところ、ちょうど良い感じで発酵熱が発生しているようだ。

さて次は、インコの鳥かごへ設置したいと思う。

つづく。

 

魚影が濃い10月の石神井川

10月の石神井川の川掃除に参加してきた。

この日の5日前に、臨時で川掃除が行われたそうで、カンやペットボトルといった大き目のごみは少なかった。その代わりよく目立ったのが、プラスチックの個包装のごみだ。この日私が拾った約9割は、飴、お菓子、たばこ、おにぎり等の個包装やその切れ端だ。

レジ袋にコンビニ弁当のごみをポイ捨てするのは論外であるが、こういった個包装やその切れ端は、うっかり風で飛ばされやすい。そんな経緯で川に集ってくるゴミも多いと思われる。ポイ捨ての意図があるなしに関わらず、ゴミの発生元にならないよう注意をしてほしいと思う。

さて、小川の様子はどうであろうか。

東伏見神社のある東伏見橋から下野谷遺跡のある下野谷橋付近までを主に清掃しているのだが、この時期になると、このエリアに小魚が泳いでいるのが観察できる。とてもほっこりとなれる良い時期である。

2019年は6月の後半からこのエリアにも水が流れるようになり、それから3か月以上経ち、降雨による増水が度々あるものの、水は枯れることなく安定してきている。小魚達も、安定して住める環境になってきているのを確かめながら下流から上がってきたのではないだろうか。

一方で、小魚達の楽園という訳ではなく、野鳥アマチュアカメラマン曰く、カワセミが小さい魚を上手に狩りする様子をみかけるそうだ。野鳥の方が、この時期の小魚の様子をよくわきまえているのかもしれない。この状態はいつまで続くのか来月も観察したいと思う。

 

追記

翌日小魚の正体を明らかにするため、一匹釣ってみました。アブラハヤでした。

緑色の池の水を綺麗にしたい~その2~

前回、紙のコーヒーフィルターを使って、池のアオコの濾過実験を行なった。コーヒーのドリップに時間がかかるように、濾過にはそれなりに時間がかかるので、外から力を加える事で、効率を上げられないか考えてみた。

そこで考えたのが、遠心力だ。バケツに水を入れてグルグルと回しても水が溢れないという遊びをした事があると思うが、それと同じように、濾過する液体に遠心力をかけたら、濾過が早く進むのではないかと考えた。

試しに小さいバケツの中に濾過装置一式を置き、子どもの頃に回した記憶を思い出しながら、グルグルと10秒ほど回してみた。

むむっ、濾過のスピードは早まったが、濾過された液体は緑色だ。いったい何が起きているのだ。

アオコを形成する藍藻は、群体(コロニー)を形成し、複数の個体が集まって生活をしているそうだ。なので、個体でいる時よりもサイズが大きくなっている。重力(1G)で濾過される時は、群体が紙のフィルターを通過しないで除去できたのだと思うが、その群体に遠心力を与えたため、その群体が分断されて、サイズが小さくなり、紙フィルターを通過するようになったのではないかと予想している。

なので、この予想が正しければ、小さい個体を漉し取るよりは、群体が形成された状態で漉し取ることを考えた方が良さそうだ。

さて、次は、もう少し本格的なフィルターを自作して挑戦したいと思う。

ネットを検索してみると、既に多くの人が、災害用の水確保や自宅の池の浄化を目的に、ペットボトルを使った浄化フィルターを作っている。それぞれ少しづつ素材やその詰め方の順番が異なっているが、基本的な構成要素は、次の4つだ。

  1. 砂(細かい砂、粗い砂)
  2. 砂利、小石

詰め方の順番としては、水が上から浸透していくに従って、大きな不純物から取り除かれていくのをイメージして、下から順に、1→2→3→4の順で詰めていくやり方を採用した。

ただ、雨水が地下の砂礫層を浸透していく場合を考えると、砂や砂利が層に分かれていることはなく、混じり合っている。なので、層に分けずに、例えば、炭と砂と砂利が混ざり合っていても、問題ないのかもしれない。

材料

  1. タオルハンカチの端切れ(5cmx10cm)
  2. ハンマーで砕いたバーベキュー用炭
  3. 川砂
  4. 小石
  5. 2L ペットボトル

作り方

1) 2Lのペットボトルの底部分をカッターで切り落とす。

2) ペットボトルの口を下にして、容器の上へ設置する。

3) 1から4までの素材を順番に詰める。

実験

水道水を注いで、水が通過する事を確認したら、いよいよ実験。

アオコを含む池の水は1週間前に採取した水のため、一部腐敗し臭いがキツイ状態になってしまったが、この水を使った。水は枝葉などの大きいゴミを含むため、ザルでゴミを漉しながら、濾過装置へ注いだ。

その後、下からは、透明な水が落ちてきた。濾過が上手くできたようだ。しかし、しばらく経つと、やはり目詰まりが発生して、水が落ちるスピードが徐々に遅くなってきた。

結局、一晩待って、ようやく濾過が終了した。透明感は今ひとつであるが、一応濾過はできたようである。

ただ、濾過時間がとても長いのは、大きな課題であり、目詰まりをどう克服するかがポイントだ。次の一手を考えることにしよう。

あと、健康を害する恐れがあるので、くれぐれも濾過した水は飲まないように!

 

白っぽく光る川底の石ころの正体は?

先日、石神井川沿い(西東京市東伏見の付近)を歩いていたら、川底の石ころが白っぽくなっていることに気が付いた。

いつもであれば、川底の石ころは、主に珪藻の付着で茶色く見えるのだが、様子がいつもと違うので、小川の近くまで下りて確認してみることにした。

白っぽく見える石ころに近寄ってみると、その正体は、気泡であった。気泡が光って白っぽく見えていたようだ。

気泡のついた石ころを一つ取り上げて見ると、小い気泡がびっしりとついている。観察してる間に、みるみる気泡ははじけて消えていく。バブルがはじけるということはこういうことだ。

この気泡は、石ころの表面に付着している珪藻類が、光合成で出している酸素であろう。水中の生物にとって必要な酸素は、ここからも提供されているのだ。

気泡といえば、水草が気泡を発生させて、幻想的な光景をつくりだすイメージがある。なので、石ころに付着した珪藻も、気泡を出せば、良い観賞対象になるのではないか。

ということで、試しに一つ持ち帰り、ガラス瓶に砂と水と珪藻の付いた石ころ入れてみた。果たして気泡は発生するのだろうか?

家の中の明るい場所に数日置いてみたが、気泡が出る気配は全く感じられなかった。屋内では光が弱いようだ。

採取した場所は、日当たりが良い場所なので、やはり同じような環境に置く必要があると思われる。そこで、今度は、よく日が当たる庭のとある場所に置いてみることにした。

簡易的に照度が測れるスマホアプリ「QUAPIX Lite」を使って、照度を測ってみたが、屋内では2000lx未満だったのが、日の当たる屋外では、9999lxを示し、測定範囲を振り切る結果となった。これであれば思う存分に光合成をしてもらえそうだ。

数日間、日当たりが十分でないところに置いていたせいか、付着していた珪藻類は半分以上、消滅してしまったようであるが、数時間、日に当てた後、僅かに気泡が発生しているのが確認できた。

採取した時のようにはいかなかったが、もうしばらく日当たりの良い場所へ置いておき、石ころ観察を継続してみたいと思う。

石ころから発生する気泡をボーっと眺めて癒されてみたい。

 

 

緑色の池の水を綺麗にしたい~その1~

武蔵関公園にある冨士見池を久しぶりに訪れてきた。

2017年12月に訪れたときは、池の水が緑色ではなかったのだが、この日の池は、一面緑色であった。特に池の南側には、緑色の抹茶の粉のようなものが表層を覆い尽くしていた。

富栄養化した湖沼などに発生するアオコと呼ばれている微細藻類(主に浮遊性藍藻)だ。

池の水をペットボトルに入れて観察すると、その濃さがよくわかる。抹茶といえば聞こえは良いが、毒性のあるアオコもあるようなので注意が必要だ。汲み取るときにわかったが、粉のように見えるものは表層数cmに集中して浮いているようだ。

少し北に行くと、池へ向けて水が供給されている箇所があった。すぐ側にポンプ所があるので、そこからの水が流れ込んでいるのかもしれない。しかし、この水量では、池の緑色は全く薄まることがなく、焼け石に水という印象だ。

池の北側では、水門から池の水が少しずつ石神井川へ放流されていて、石神井川の透明な水と池の緑色の水が合わさるところで、境界線が生じている。色の違う二つの川が合流した時に、二色のコントラストが生じるのと同じ光景を見ているようだ。

さて、こんな緑色の池は、景観として面白くはないので、なんとか透き通るような池にできないものだろうか?

まず浮かぶアイディアは、藻類だけをろ過して除去できないかということだ。すぐに始められそうなろ過といえば、コーヒーの紙フィルターがある。

さっそく、実験してみることに。透明のプラスチック容器の上にコーヒーの紙フィルターを置き、池の水を注いでみた。

とてもゆっくりではあるが、ぽたぽたとろ過された水が溜まってきた。一見透明ではあるが、よ~く見ると、少し緑色だ。フィルターの目を通れる程、小さいサイズの藻類だと思われる。しかし、すぐにフィルターは目詰まりを起こし、なかなかろ過が進まなくなった。これでは、実用には向いていない。別なろ過方式を次回検討したいと思う。

ちなみに、ろ紙に残った濃厚な藻であるが、何かに利用できないだろうかと思い、試しに指に少量をつけて、紙に文字を書いてみた。

割とイケる!

もっと濃度を高めれば、緑色の墨汁として使えるかもしれない。

アオコで書道が流行れば、池からアオコが消えるかも。

追記

海外ではアオコの発生する場所でカヌーをしていた人が 皮膚炎になったり、 アオコの水を飲んだ人が下痢をしたりといった事例が知られているそうなので、接触には注意されたい。

参考: アオコをつくる藍藻 こどもガイド 国立科学博物館

まるで天然のプール!道志川

先日、ママ友つながりのグループで、神奈川県相模原市にある道志川沿いの新戸キャンプ場へ行ってきた。早いものでこのつながりでキャンプへ一緒に行くのも6年目になる。娘が年中組の時に初めて行った時のことが、ついこの間のように感じる。

このキャンプ場に隣接する区間には、流れの穏やかな淵が続く。淵は大人でも足がつかないくらい深いが、流される不安が無いことから比較的安心して遊べる川だと思う。

浮き輪でゆっくり流れたり、岸の岩場から飛び込んだり、シュノーケリングで魚を観察したり、大人の私も、子どもたちと一緒に楽しむことができた。とても良い場所であった。

さて、そんな道志川の映像をあめんぼボートで、撮影してきた。

撮影のあと、早朝にも関わらず、子ども達4人が興味を持って見に来てくれたので、急遽、操縦体験会となった。

以前も旧バージョンでのあめんぼボートを操縦した事がある子ども達だ。操縦性能は年々改良を重ねていることもあるが、子ども達が成長しているため、昔に比べて見事な腕前であった。

子ども達からの評判は上々で、喜んでもらえてこちらも大変喜ばしい限りだ。

そんな道志川の映像はこちら。

魚が映らなかったが、水の青さは絶品。

流域の機能って?

先日、又吉直樹のヘウレーカというテレビ番組で、「なぜ水がここに流れているの?」という内容が放送されていた。慶応義塾大学の岸由二先生が、案内役で、流域についての事がとてもよく分かる内容でとても勉強になった。

先生によると「地面の水は、流れる水流れない水」があるということで、その事がよく分かる場所として、神奈川県三浦市にある小網代(こあじろ)の森が紹介されていた。

小網代の森には、1300m程の浦の川(うらのかわ)という小川が流れており、この森が浦の川流域を形作っている。水の流れを遮る人工物がなく、大地に降った雨水の流れがそのまま観察できる希少な場所だという。ちなみに、流域とは、降った雨がその川に集まる区域のことだ。集水域とも言われる。

番組終盤には、流域の最大の機能について紹介されていた。

「流域は水を集める。流れる水になることも、流れない水になることもある。流れない水は池に溜まったり、溝に集まったり、土に浸みたりする。土に浸みた水が川を作る。流れない水とは、乾燥していても川に水が出てくるもとになる。これが流域の最大の機能の一つ。」

とても、分かりやすい内容であった。

「流れない水」という表現が始めはピンと来なかったが、湿地帯における保水効果のことを意味しているということで、後から合点がいった。

もし保水効果がなければ、川の水は雨が降った時しか流れないことになってしまうだろう。保水効果があるからこそ、雨が降らない時も、少しづつ保水した水を放出し、川の流れが作られるのだ。

我がまちの石神井川の上流部では、雨が降らないと、水の流れがなくなってしまう川だ。もともと水源に湧水が豊富な川ではないので、流域の保水機能が十分ではなかったとも言える。だが、近年の流域における開発により、田んぼ・畑、森や湿地が減り、保水機能はさらに減少しているといえる。降った雨水は一気に川へ集まり、増水にによるリスクが増加している。

保水機能を向上するために、私たちにできることは無いものなのだろうか?改めて考えさせられる。

番組の最後には、小網代の森で何を学べるかが紹介されていた。

「小網代の森は、源流の森から海まで、全部1つの自然の水の循環が体験できる場所。ここで水のことのことを体験すると、密集している街何をしてはいけないか流域の洪水を緩和するにはどうするべきか、そういう知恵をここから学ぶことができる。」

子どもの夏休みも残りわずかであるが、この夏、小網代の森へ行ってみて、水のことを学んでみてはいかがであろうか?

私も行ったことがないので、ぜひ一度訪れてみたい。

微生物燃料電池のDIYやってみた〜その5〜

微生物燃料電池について、新たな実験を始めたのでリポートしたいと思う。新たな実験の目標は、微生物燃料電池で超小型の冷却ファンを回すことだ。もしファンが回れば、きっとエコな涼しい風に当たれるはずである。

ということで、前回までに作った微生物燃料電池の部品を一度ばらし、新しい微生物燃料電池を4つ作ることとした。電極の組み合わせは、安定して起電力が発生していた、炙ったステンレス網とグラファイトフェルトの組み合わせを採用した。

電池No. アノード カソード
5 炙ったステンレス網 グラファイトフェルト
6 炙ったステンレス網 グラファイトフェルト
7 炙ったステンレス網 グラファイトフェルト
8 炙ったステンレス網 グラファイトフェルト

 

電極作り6〜グラファイトフェルト(改)〜

これまでの実験で使用してきたグラファイトフェルトの電極であるが、1月以上経過し、遂に不具合が生じてきた。

グラファイトフェルトに挿していた銅線部分が腐食によって断線してしまったのだ。

さらには、電線は細い複数の銅線でできているため、毛細管現象によって電線が水を吸ってしまい、電線を通して、容器の外に水滴がポタっと滴れる事態も発生してしまった。

このタイプの電線では、長時間の運用には向いていなかったようだ。

そこで、今回使用したのは、ステンレスの針金だ。これも100円ショップで売っていたものだ。ステンレスなので、錆びないし、細い銅線の集まりではなく、一本の線なので、毛細管現象も起きないはずだ。半田付けの手間も掛からないし、ただグラファイトフェルトに針金を差し込むだけというところも良い点だ。

材料

グラファイトフェルト(3x100x100mm)
ステンレス針金(φ0.9 x130mm)

手順
  1. ステンレス針金をグラファイトフェルトへ差し込む。

使う土

前回までの実験では、使う土が実験によって違ってしまったこともあったので、条件を一定にするため、これまで使った土を混ぜて、均一化した土を用意した。プラ舟田んぼの土、田んぼの土、川底のヘドロのスペシャルブレンド土を使用した。

組み立て後の様子

組み立てに関しては、以前の記事が参考になる。注意点としては、グラファイトフェルトがアノード電極の電線に接近していたので、絶縁のために、電線付近(上写真の左下)に食品ラップを少しだけ間に挟んだ。

実験結果

各微生物燃料電池の解放電圧(mV)の日数変化を以下に示す。

日数 電池5 電池6 電池7 電池8
0 239 212 150 445
1 511 724 532 659
2 727 831 783 773
3 738 837 795 787

3日経過後の状態で、電池4つを直列につなぎ10kΩ抵抗を接続した。そのときの、抵抗両端の電圧は1.48V、電流は0.15mAであった。

その後、抵抗を外し、各電池の開放電圧(mV)の日数変化を計測した。途中、旅行で留守にしたこともあり、計測ができなかった時もあるが、気づいたら20日以上計測を続けることになった。21日目の各電池の開放電圧は800mVを超える値となり、合計で3.43Vとなった。なかなか良い出来に仕上がったと思う。

日数 電池5 電池6 電池7 電池8
0 583 627 612 594
1 739 794 772 770
2 759 804 779 785
3 738 837 795 787
21 872 846 834 876

超小型冷却ファン

微生物燃料電池の出力電力はとても小さいので、できるだけ消費電力の小さい、超小型冷却ファンを探した結果、秋月電子通商のDC超小型冷却ファンを購入した。

秋月電子通商 DC超小型冷却ファン 0.8~2V 17mm角型

  • 消費電流:25mA(@2V)、13mA(@0.8V)

0.8Vから動作し、0.8V時の消費電流が13mAなので、微生物燃料電池を複数用意すれば、なんとか動作できるのではと思っている。

ちなみに、電池5~電池8を並列につなぎ、このファンを接続したが、もちろん回らない。ファンにかかる電圧と電流は、分極現象により電圧が下がり、約340mV、約2.7mAであった。

今回作った同じセットを、もっとたくさん作らないといけないかもしれない。

こりゃぁ、大変だ。

小川へのポイ捨てを減らすアプローチ~その後~

小川へのポイ捨てを減らすアプローチとして、中洲に稲を植える実験を行なっている。

先月、中洲に植えた稲の状況を確認してきた。

残念ながら植えた苗の半分は消えてしまったが、生き残っている苗もあった。ただ、成長が極めて悪く、1月前の大きさから変わっていない様子だ。辛うじて生命を維持している状況のようだ。

土の表面は枯れ草で覆われているものの、梅雨明けから晴れが続いているため表面は乾いていた。中州の土は、水面より50cmくらいは盛り上がっていて、畑で言うところの高畝の状態になっている。周りの川の水を吸い上げているとは思うのだが、やはり稲の生育には水が足りていないのかもしれない。

もっと水がある場所という意味では、川と中州の境界付近に植えるのが良かったのかもしれない。あるいは、水稲ではなく陸稲の種類を植えるのが正解だったのかもしれない。

上手くいかなかったことは、次への改善につなげていきたいと思う。

いづれにせよ、残った稲がなんとか持ちこたえてくれるのを願うばかりだ。また来月も状況をリポートしたいと思う。