微生物燃料電池のDIYやってみた〜その7〜


微生物燃料電池で小型冷却ファンを回すマイプロジェクトを実行中である。今回は、8個の電池をまとめて作ったのでレポートしておこうと思う。

電極について

先日、Aliexpressでグラファイトフェルトをまとめ買いしたので、アノード電極とカソード電極の両方に、グラファイトフェルトを採用した。

採用の理由はもう一つある。

これまで、アノード電極用に、100円ショップで購入できる、ステンレスあく取り網を使っていたが、私が通っているダイソーさんではとうとう商品が入れ替わってしまっていた。薄々感じてはいたが、やはり商品の入れ替わりが早い。そして、代品においては、残念ながら電極には不向きな感じであった。身近な材料で作るという狙いがあったのだが、今後は材料が安定して購入できそうなグラファイトフェルトの採用に寄せていこうと思う。また、グラファイトフェルトの方が、電極としての下準備も少なく、コストもあまり変わらないので、むしろ良いのかもしれない。

堆積汚泥(ヘドロ)の採取

堆積汚泥を採取しようと思い、新河岸川水系のとある小川へ。水はきれいなのであるが、ヘドロが20cm以上溜まっている。この川底のヘドロを網ですくって採取した。

材料

  • 容器
  • グラファイトフェルト(3x100x100mm)
  • ステンレス針金(φ0.9 mm)
    カソード用:230mm、アノード側:190mm
  • 熱収縮チューブ(60㎜)

手順

1. アノード電極用として、グラファイトフェルトにステンレス針金を対角線に挿して折り曲げる。(長さは容器の外に線を出せる長さで)

2. 絶縁のため、熱収縮チューブを通し、熱を加えて収縮させる。(今回使ったチューブはサイズが合っていないため締まっていない)

3. カソード電極用としても、グラファイトフェルトにステンレス針金を対角線に挿して折り曲げる。(長さは容器の外に線を出せる長さで)

4. 容器の側面上部に導線を通す穴を開ける。

5. 容器にヘドロを入れる。約1.5cm。

6. アノード電極を設置して、針金を容器の穴に通す。

7. さらにアノード電極の上にヘドロを入れる。約3-4cm。

8. カソード電極を設置して、針金を容器の穴に通す。

手順は以上。

同じものを作ること全部で8個。手順もシンプルになり、作るのも手慣れてきた感じだ。

動作確認

これらの電池の解放電圧(mV)を1週間測定した。

日数 電池13 電池14 電池15 電池16 電池17 電池18 電池19 電池20
0 202 255 160 199 58 199 170 109
1 312 345 266 334 163 320 303 298
2 335 366 286 351 270 338 326 347
3 477 565 420 620 501 477 437 484
4 564 658 492 716 658 633 530 544
5 651 629 483 670 688 666 650 625
6 726 675 647 716 697 721 712 707
7 728 675 677 707 686 724 672 736

1週間程経過して電池が育ってきた感じだ。

ここで、これまで作ってきた電池No.5からNo.20の計16個の電池を二つペア(直列)にして、8個の電池とし、これらを並列接続してみた。

この時の解放電圧は、1063mV。その後、100Ωの抵抗を接続し、30分ほど経った後電流を測定すると、2.07mAであった。計算上の抵抗両端の電圧は、207mVになる。電流が増えるにつれ内部抵抗が増えるようだが、電圧がここまで下がってしまった。

さらに電池を作る必要がありそうだが、個々の電池をいくつ直列にするかでも結果が違ってきそうなので、そのあたりも試してみようと思う。

まだ先が長そうだ。