水元公園 睡蓮池のかいぼり リポート


11/4、東京都公園協会が主催する都立公園の池のかいぼりボランティアに参加してきた。

かいぼりとは

かいぼりとは農閑期にため池の水を抜き一定期間干して、清掃、堤や水路にの点検補修を行なう作業だ。近年は、池の水質改善や外来種の駆除を目的に行われる例が増えてきている。かいぼりの効果については、以前の記事にも書いたのでので詳細は省くが、特に水質改善で言えば、池を干すことで底泥の状態を酸素が多い状態(好気状態)に変え、富栄養化をもたらす窒素を底泥から除去(脱窒)することを促すことになる。

水元公園

かいぼりの会場は、葛飾区にある水元公園にある睡蓮池だ。水元公園を代表する池である小合溜(こあいだめ)のかいぼりではない。

ちなみに、私は今回初めて水元公園を訪れたのであるが、園内の広さに大変驚いた。調べてみると、都内23区最大だという。園内にある小合溜という池は、かつての利根川の本流で、江戸時代には溜井(用水池のこと)として利用されていて、50あまりの町村を潤す水源だったそうだ。そのためここを「水元」と呼ぶようになったとのこと。

園内には小合溜につながる池や小川もあり、釣り人にも人気のスポットにもなっている。

現場リポート

さて、上の写真は、かいぼり開始前の睡蓮池の様子だ。池の看板には、睡蓮の他にマコモも生息していると書かれていた(小さいが写真の右上)。マコモに関しては、10月に借りている田んぼの脇でマコモダケが収穫できたこともあり、馴染み深い植物である。イネ科の抽水植物で、人の背丈程に大きくなるが、ここのマコモは、田んぼで見たマコモよりやや小ぶりであった。

さっそく池に進入すると、足がヘドロに沈む。急に深い部分に足を置くと転びそうになる程だ。一歩一歩慎重に歩いていった。

序盤は、睡蓮やマコモがないエリアで、浅場に泳ぐ2cm未満の小魚(カダヤシやモツゴ)やオタマジャクシを捕獲したが、あまりそれ以外の魚が出てこない。

その後、マコモのエリアへ進入していったところ、マコモ近くの深みで、4~9cmほどのフナや、4cmほどのモツゴがぞくぞくと網に入るようになった。水はヘドロの土が撹拌された泥水状態で、魚たちもだいぶ弱ってきているようであった。かいぼり終盤には、水面に横たわるフナがよく見られるようになった。

そんなフナやモツゴを、そしてそれ以上に出てくるオタマジャクシをせっせと捕獲した。

このオタマジャクシの正体であるが、捕獲した生き物の展示ブースに特定外来生物のウシガエルとそのオタマがいたのでの、恐らくウシガエルのオタマだったと思う。10cmを超える大型オタマもいた。このかいぼりで、大部分は駆除されると思うが、かいぼりがなかったら、大量にウシガエルの大合唱があったのだろうか。

かいぼり終了後、本日の結果が簡単に発表された。

大物としては、カルムチーが2個体捕獲された。50cmを超える大物だった。それからミシシッピアカミミガメとイシガメがそれぞれ1個体づつ。

アメリカザリガニはプラ船いっぱいの水揚げだった。

小型の魚類では、モツゴ、ギンブナ、ドジョウ、タイリクバラタナゴ、カダヤシで、メダカはその時点でで確認できていないとのことでった。

昨年に続き、3度目のかいぼり参加であるが、泥だらけになりながら、ひたすら生き物を網で追いかけるのは、新鮮な体験となる。自然から離れた生活をしている人にとっては、良い刺激が得られる事だろう。おススメである。恐らくまた来年もボランティアを募集すると思うので興味があったら応募してみたらいかがだろうか。

私はまた来年も参加したいと思う。