家庭でなんとか籾摺りをしたい〜その1〜


昨年は、自然農という方法でお米作りを1から10まで体験した。その中で特に不便を感じた籾摺りについて、家庭でなんとかできないかを考えてみたので内容をお伝えしたいと思う。

自然のでの米作りを体験

自然農での米作りは、無農薬、無肥料、無耕起で行われるが、その大まかな手順は次のようになる。

  1. 4月末、種降ろし→種まき・苗づくり
  2. 6月上旬、田植え
  3. 7月・8月上旬、雑草取り
  4. 11月、稲刈り・稲架掛け(はざがけ、刈った穂を干す作業)
  5. 12月、脱穀(だっこく、稲穂から籾を外す作業)、籾摺り(もみすり、籾から籾殻を取り除き玄米にする作業)

上記以外にも、溝を掘ったり、スズメの食害を防ぐ防鳥ネットを張ったりもした。

9か月間にわたり、車で片道1.5時間以上かけ、2畝分の田んぼをやりくりするのは、結構大変な作業であったが、家族・親戚のヘルプもありなんとか収穫までこぎつける事ができた。この場を借り感謝したいと思う。

収穫したお米は、うるち米の他、赤米、黒米、香り米で、少量ながら多品種の栽培を経験した。特に香り米は、買ったお米に少し混ぜるだけでも、炊いた時の香りが格別で、このお米に出会えた事に感激である。

一方で、個人的に課題と感じた点も多々ある。

植えた苗がカモに倒され(「カモられる」と皆さん呼んでいた)苗の植え直しが発生したこと、草取りが大変過ぎて、雑になってしまったこと等だ。収量が期待していたより少なかった事を考えると、さまざまな要因が改善点としてあるので、次期は、プロセスを見直して、あらたな挑戦をしたいと思う。そして、終盤に感じた問題は、籾摺りの問題だ。

籾摺り機の問題

所属する会で利用できる籾摺り機は、精米機能のある籾摺り機で、私が加減を知らなかったというのもあり、籾を全て外そうと長い時間機械を運転したため、黒米に関しては、黒い皮がほとんど剥がれて白色になってしまった。短い時間で終わらせれば、黒いままの黒米が得られるのだが、その分、籾殻が外れない籾が多くなるからだ。また、機械が大きいが故に、気軽に少量を扱えないという問題もあった。

では、精米機能が無く、籾殻だけを上手くはずしてくれる籾摺り機はというと、メジャーなのが、ミニダップという籾摺り機である。遠心力を利用して籾をゴムにぶつけ、その衝撃で殻を割る方式のようだ。これであればうまく籾殻だけを外すことができるのだが、なにせ高価だし、そこそこ大きいので置き場にも困るので、個人で購入するにはハードルが高い。

そのため家庭用の籾摺り機が欲しいというのが切実な思いである。しかし、ネットで調べても、家庭で使えるような小型の籾摺り機が圧倒的に少ないのだ。家庭用として唯一ネットで見つけたのが、非電化工房さんの非電化籾摺り機だ。だが、一般的なうるち米が対象のようで、米粒のサイズが長いものや雑穀には非対応となっていたので、今回作った黒米は米粒が長いので対応できない可能性が伺えた。

ならば、黒米なんかにも対応できる籾摺り機をどうにか自分で作れないかと思うようになったのだ。家庭にあるものをできるだけ使って、安く抑えたいというのがコンセプトだ。

バーミックスで籾摺り

そこで考えたのが家庭用のハンディフードプロセッサーであるバーミックスの利用だ。容器下部の2枚刃が回転する事で、籾に衝撃を与え、籾殻が外れていくのではないかと考えた。

実際にやってみた。

籾は赤米(紅吉兆・神丹穂がメイン)1合弱。籾をセットして、10秒づつ様子を見ながら回転をする。計40秒程回したあと、蓋を開け、キッチン用のゴミネットを被せて、ドライヤーの風を当てることで、外れた籾殻を吹き飛ばした。

割りといい感じで、籾殻は外れたのだが、一定量の籾がどうしても残ってしまったのと、割れた米が目立ってしまった。

回転時間を増やせば籾殻をほぼ外せるが、割れた米が増えるというトレードオフが起きている。

そこで少しでも、米が割れるのを防ぐために、回転する金属製の刃を、鋭くないプラスチック製に変更したら良いのではと思い、3Dモデルを作り3Dプリンタでプラスチック製の刃を作ってみた。

果たしてその結果は?

次回お伝えしたいと思う。