先日は、さいたま市丸ヶ崎にある田んぼの排水路の草刈りに参加してきた。
4月中旬には、用水のU字溝の堀さらいがあったが、この日は排水路やその周りに生えた草の草刈りを行なった。排水路の水の流れを良くするのが目的だ。用水の溝はU字溝に整備されていたが、排水の溝は素掘りであり、いい感じの小川となっていた。ただ、水の流れる期間は限られるのが残念なところではある。
先頭を進む部隊は草刈り機で草を刈っていき、後ろの部隊が、ノコガマで、流れの邪魔になるような草を刈って、溝の横にどけて行く作業であった。
溝の中を歩いていると、たくさんのザリガニ、カエル、、タニシに出くわした。1匹だけ弱っているフナも見つけたが、他の魚は確認できなかった。近くのザリガニがそのフナをハサミで挟もうとしていたが、私はその場を見守るしかなかった。もし助けたら、フナの恩返しのようなストーリー展開になっていただろうか。
さて、この地域の田んぼでは、用水と排水がそれぞれ分かれているが、水の流れがどうなっているか気になったので整理してみた。
まず、見沼用水(見沼代用水東縁)の水は、基幹の水路を通り、地域の田んぼへと向かう。水は、さらに細い水路(幅20cm程のU字溝)へ枝分かれし、各田んぼの側まで運ばれる。各田んぼに水を入れる場合は、U字溝と田んぼを繋ぐ管が施設されているので、その蓋を開けることになる。
一方、排水は、およそ逆のプロセスを辿る。
各田んぼの側には細い排水路(幅50cm程の素掘り)があり、用水のU字溝より低い構造となっている。排水したい時は、やり方はいくつかあると思うが、田んぼと排水路を仕切る畔に小さい溝を切る。田んぼの水は、排水路を通り、基幹の排水路へと流れる。そして基幹の排水路から最後は、深作川へ注ぐ。
考えてみると、人間の心臓から送り出された血液が動脈から毛細血管を通り各細胞へ送られるのと同じような感じだと思う。
血液が酸素や栄養素を運んで来て、細胞でそれらを利用して、命を維持するためのエネルギーを生産するのと同様に、用水が栄養素を運んで来て、田んぼ(稲)でそれらを利用して、人の命を維持するためのエネルギー(お米)を生産するのだ。
昨今は血液の流れが悪くなることでさまざまな病気を引き起こすと言われているが、用水・排水の流れも同じで、流れを常によくしてあげる必要がある。
そう考えると、用水・排水のメンテナンスはとても重要な作業であると言える。
この作業のおかげで、きっと健康に稲が育ってくれることを祈る。