微生物燃料電池のDIYやってみた〜その4〜


前回では、炙ったステンレス網とグラファイトフェルトを使った電極の組み合わせによって、それぞれどれ程の電圧が出るのかを試した。4つの微生物燃料電池を作り、1つは900mV、2つは700mV以上の電圧が発生し、まずまずの結果を得ることができた。

今回は、いよいよ、これらを直列につないで、LEDを点灯しようと思う。

一般的な赤色のLEDでは、順電圧が2V程度で、LEDが点灯できるので、既に十分な電圧ではないかと予想している。

LEDの点灯

これまで作った微生物燃料電池4つを直列に繋ぎ、その電圧を測ったところ約2.7Vが確認できた。その後、10kΩの抵抗、LEDを直列に繋ぎ回路を組んだところ、めでたくLEDを点灯することができた。

構想から約二ヶ月もかかっただけに、このLEDの光は、どんなクリスマスのライトアップよりも感慨深い。

さて、この時の電池電圧は、2155mV。負荷を繋ぐ事で、解放電圧から500mV以上下がった。この状態で一晩(8時間)経った後は、2092mV。少しづつ電圧が落ちているがまだまだ点灯している。

10kΩ抵抗の両端の電圧は、404mVが測定できたので、この回路に流れる電流は、計算上約40μAになる。

2日ほど連続運転させたが、電圧約2Vを保ちLEDは点灯を続けている。しばらくの間は、このまま点灯を続けそうだ。

壁掛け時計を動かす

さて次は、壁掛け時計を動かしてみたいと思う。

と、その前に、それぞれの微生物燃料電池の解放電圧(mV)を計っておこう。

電池1(実験1) 電池2(実験2) 電池3(実験3) 電池4(実験4)
509 740 421 793

電池1はこれまで900mVの電圧があったが、LEDの点灯で状態が変わってしまったようで、電圧が509mVにまで下がってしまった。しかしそれでも直列につないだ合計は約2.4Vある。通常は1.5Vで動作する時計に2.4Vを入れて大丈夫?と思うが、負荷を繋ぐと電圧が下がるので、この電圧でまずやってみた。

洗面所に、単三電池一本で動作する壁掛け時計があったので、これを拝借した。(無印良品のもの)。その結果、見事、時計が動くのが確認できた。

負荷接続時の電池電圧は1406mVであった。約2時間後、1362mVにまで下がったので、時計が止まるのも時間の問題か?と思ったが、約12時間後の電圧は1448mVで、時計も順調に動いていた。

その後も連続運転を続けたかったが、「洗面所の時計が消えた」という我が家の事件を解決すべく、この実験はここで終了とした。

さて、ここまでで来たので、次の目標を考えたいと思う。同じものを量産して、スマホが充電できるようにするとか、よりコンパクトになる構造を試すとか、いくつか考えられる。

何か報告できるようになったらまたお伝えしたいと思う。