小川の世界観を映し出すために2015年から開発してきたのが、カメラ付きラジコンボートである通称「あめんぼボート」だ。2015年の10月にVer.2.0として運用を続けながら、2018年までに新たな改造を施してきた。今回はその点についてリポートしたいと思う。
まず、それまで作り込んだものは、以下のリンクから過去を振り返ることができる。
見えてきた問題点
2015年の10月に完成したVer.2.0では2年以上の運用に耐え、いくつもの小川の水上映像と水中映像を映し出してきた。
しかし、運用している間に、次の問題点が見えてきた。
- 流れが早いと遡上が遅い。
- 直進性が悪い。舵を操作していないのに、少しづつ曲がってしまう。
- フロート(浮き)部分が手作りなので、カッコ悪い。
- カメラ映像をスマホで見られる距離が短い。一般的にアクションカメラでは、見通し距離で10m程離れて、wifiの信号を受け、スマホでカメラ映像を見られる。だが、水中の映像をスマホで見ようとした場合に、水中ではwifi信号が著しく弱くなってしまうので、カメラを水面下数センチに置いたとしても、1〜2m離れると、カメラ映像が途切れてしまう。
- プロポにスマホを取り付けられない。
改善点の検討
まず、1について。これはボートが受ける水の抵抗が大きいことが一番の原因と推測される。特にカメラの平面レンズの面積が比較的大きいため、水の抵抗を受けているようだった。そこで、これまでソニーのアクションカメラ(HDR-AS30V)を使用していたが、水の抵抗を受ける面積の小さい、GoPro HERO4 sessionへ変更することとした。この新しいカメラを取り付けるマウントも新たに作ることとした。
また、推進力を増すことも解決策の一つだ。ただし、現在の船体構造を変更せずにいきたいので、モーターの基本仕様は保ちつつ、モーターのパワーアップを図ることとした。。
次に2について。直進性については、手作りのフロートに問題があると推測した。手作りが故に、フロートは対称的になっておらず、フロートが受ける水の抵抗が異なっているのではないかと推測した。そこで、手作りのフロートをやめて、新たに3Dプリンタでフロートを作ることとした。
続いて3についてであるが、2で3Dプリンタのフロートを作ることで、同時に解決とする。
そして、4について。世の中には既に、無線LAN中継器という機器があり、WIFIルーターの電波を中継・増幅し、電波を受ける範囲を広げることができる。あめんぼボートにこの無線LAN中継器を取り付ければ、WIFIルーターとなるカメラのWIFI電波がより遠くへ届くようになるはずだ。この無線LAN中継器を取り付けるためのマウントも新たに作ることとする。
最後に、5について。プロポにスマホが取り付けられれば、あめんぼボートに乗っている視点で、プロポからあめんぼボートを操作することができる。臨場感あふれる体験ができるのだ。ドローンの業界では、FPVと呼ばれていて、専用のゴーグルやヘッドマウントディスプレイ(HMD)が使用されることも多いようだ。FPVは「First Person View」つまり一人称視点のことを意味する。FPV体験を可能にするため、スマホをプロポに取り付けるマウントを新たに作ることとする。
以上、まとめると、改善ポイントは次のようになる。
- カメラの変更(GoPro HERO4 session へ)
- モーターの変更
- フロートの変更(3Dプリンタで作成)
- 無線LAN中継器の追加
- スマホマウントの作成
次回へ続く。
「小川の世界観を映せ!あめんぼボートの改造リポート~その1」への1件のフィードバック
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