小川の流れを地図で辿っていくと、いろいろな地名を目にすることになる。その中でも、地形に関係する漢字を含む場合は、そこへ実際に行ってみると、その高低差を感じことができ面白い。
地域の地形が見えてくる。
私の住んでいる西東京市並びに近隣地域の例を挙げてみたいと思う。
谷戸(やと)
西東京市に新川という川がある。といっても雨が降った時に水が流れるだけで普段は水は流れていない。流路のほとんどは暗渠になっている。
その川の上流を辿ると、西東京市谷戸町にあたる。ちょうど谷戸小学校の前あたりだ。
谷戸というだけあってゆるい谷状の地形になっていて、昔はこの谷戸から水が湧き、新川を形作っていた可能性がある。
Google Earthで標高差を見ると、新川の始まりの場所は、周辺より2m程低い地形をしている。実際に行ってみると、そのような土地の高低差を見ることができる。
沢(さわ)
東久留米市を流れる落合川の周辺には、沢(さわ)が付く地名がいくつかある。南沢、前沢だ。落合川やその支流の流れが「沢」であり、ここから地名が付いたと思われる。
沢の中心部(水の流れ)へ近づくにつれて土地が低くなっていくのが感じとれるだろう。
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沢 ・細い川、もしくは短い川の通称である。(Wikipedia) ・低地で浅く、水がたまり、植物が茂っている所。 また、山間の小さな流れにもいう。(goo辞書) |
沢については辞書によって定義が異なるようだが、落合川の支流を例にとると、低地、浅い、植物が茂っている、細い川という要素をもっている。
沢登りをするような、山間の小さな流れとはまた異なる趣である。
沢は小川のひとつと言えそうだ。
窪(くぼ)
西東京市芝久保という地名がある。一般的に「久保」は「窪」の当て字なので、窪地がある可能性が高い。芝久保の場合は、例外ではなく、実際に窪地は存在する。
芝久保の地名が地形に由来していることが想像できる。
ちなみに「さいかち窪」という小平霊園にある窪地は黒目川の最源流部であり、2~3年に一度くらい水が湧き出る状態が見られるそうだ。
このように「窪」が小川の源流部になっているケースもある。
まとめ
地名に見かける地形に関係する漢字を3つ紹介した。
小川へ訪れる際、この漢字を含む地名を発見したら、その漢字が示す地形をしているか、歩きながらぜひ確かめてみて欲しい。
地域の地形が見えてくるはずだ。
辛いだけの上り坂は、地域の地形を感じる貴重な資源に見えてくることだろう。