小川からの〇〇除去が大事!


こんばんは。

今日は小川の水質浄化について考えてみようと思います。

昔から「三尺流れると水がきれいになる」という言葉があります。少し汚れた水が流れても、川の自浄作用によってきれいになることを表しています。

しかし、自浄作用はどこまでやってくれるのでしょうか?

川の自浄作用

川には水をきれいにする力があります。これは自浄作用(じじょうさよう)と呼ばれていて、川に汚水が流れると水中のバクテリアが汚水に含まれる有機物を食べて分解してくれるのです。

もう少し詳細に言うと、バクテリアが水中の酸素を使って有機物を無機物(あるいはよりエネルギーの小さい有機物)へ分解してくれます。

水質を測るBOD値(生物科学的酸素要求量:有機物の量を表している)について言うと、この作用が働くとBOD値が下がることになります。BOD値が低いことは水がきれいという指標になっています。つまり自浄作用は水がきれいになると言えそうです。

水域からの物質除去が重要

では、BOD値が下がって、有機物の量が減れば良いでしょうか?

ある意味、汚水が無機物へ分解されれば、水がきれいになったと言えるかもしれません。しかし水中にある無機物(栄養塩:PやN)は、いずれ植物に取り込まれ、再び有機物が作られることになります。つまりBOD値が上がる要因になるのです。

水域全体でみてきれいな状態にするには、有機物あるいは、無機物(栄養塩)を水域から除去する事が大事なのです。

川の自浄作用では水域からの物質除去はしてくれないのです。

水域からの物質除去の例

小川でヨシを育てて刈り取る

よしずやすだれの原料であるヨシは、水中の無機物を吸収して成長します。成長したヨシを刈り取ることで水域から物質が除去されます。近年はよしずやすだれを使う人も少ないでしょうが、窓の外へ置く事で、夏の直射日光を遮り、室内の温度上昇を減らすので、エアコンの節電に良いと言われ見直されています。

モク取り

水中の水草(モク)を採ることをモク取りといって、畑の肥やしにすることを目的に昔は、モクモク取りが行われていたそうです。この伝統はまさに水域からの物質除去といえます。代替肥料の出現で昔の営みが薄れてしまったのは残念です。

小川で二枚貝を育てて収穫する

淡水のマシジミは、植物プランクトンや有機物を餌にしていると言われています。このマシジミを収穫することは水域からの物質除去につながります。マシジミを収穫して美味しいしじみ汁を頂きたいものです。

 

このように水域からの物質除去の例は、意外にもあるのです。小川から得られる資源を有効活用すれば、小川の水質浄化に貢献できるかもしれませんね。

参照
津田松苗(1972). 水質汚濁の生態学 公害対策技術同友会