石神井川・上流の中を歩いてわかったこと、○○の高さ!

先日、石神井川上流の中を歩いて、わかったことがある。

水の流れの始まり

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この日の水の流れは、雑排水から始まっていた。南町貯水池の東側(れんげ橋)からすぐ下流あたりにある排水口だ。写真には「55 流入有(雑排?)」とチョークで記載されていた。

排水口の周りには汚水が広がり白いものが浮いいて気持ちがわるい。雨水以外に生活排水が流されている可能性がある。

なんとも残念な結果だった。

だが、この汚水エリアは、下流までずっと続いている訳ではなかった。

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50m程下流へ行くと、白い気持ち悪いものは消えていた。水中の微生物が有機物を分解しているのだろう。自然の浄化能力は本当にすごいと思う。

では、雑排水が石神井川の水の全てなんだろうか?

私が歩いた「れんげ橋」から「坂下橋」(田無警察署 坂下交番付近)までは1km程あるが、この間に雑排水の流入が確認できた排水口は、5箇所あったが、どれもチョロチョロの流れであった。

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青梅街道と交差する橋(柳沢橋)付近では、上の写真のように、水量はそこそこあるように思えるので、雑排水のチョロチョロな水量とは収支が合わない気がしている。

それに、この付近の淵に溜まった水の透明度もとても良い。

これらのことから、この付近にも湧き水があることが予想される。

歩いている最中にも、川底から空気泡が出てくるのを見かけたので、そこから湧き水が出ている可能性もある。今後、湧き水の場所を明らかにしたいと思う。

お魚はいるの?

石神井川上流は、垂直のコンクリートの護岸に加え、川底には小さなテトラポットのようなブロックが敷き詰めれらていて、生き物の棲みかに適した場所に乏しい。

また、雑排水の流入もしており、水中の酸素量が心配な場所も多い。

しかし、それでも、小川の世界があった。

お魚達は、ちゃんと自分達の居場所を見つけ、たくましく生きていた。

まだここは、ドブ川に成り下がった訳ではない。少ない湧き水を集めて、本来の小川の姿を維持し、お魚達の居場所を提供していた。

小川としてのポテンシャルの高さを感じることができた。

石神井川の中を歩いてみると、〇〇が味わえる

石神井川の川の中を歩いてみた。

IMG_9425自分の素直な感想ではあるが、これは、間違いなくおもろい

非日常が味わえる。

人の生活空間とは分断された場所だからだ。

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その訳は2つある。

1つは、構造上の理由だ。石神井川上流域は、垂直に切り立った護岸が続く。親水性の川とは真逆である。川底に降りるためには、いくつか設置されている梯子を使って降りる必要がある。もちろんその梯子は、基本的に河川の関係者が使用するものだろう。

もし一般の人がここへ降りようとするなら相当な労力が要るはずだ。一般の人を寄せ付けない構造になっている。

もう1つは、見た目の理由だ。一部個所からは、雑排水が流れていて、汚水が溜まっているのが見える。間違ってもそんなところには入りたくないと考えるのが人の心情だ。その気持ち悪さが人を遠ざけている。

このように、石神井川上流域の中は、人の生活空間と分断された、人が近寄らない場所なのである。

だが、人が近寄らない場所だからこそ、逆に行ってみたくなることもある。何が出てくるのかわからないというドキドキ感だ。

実際に、川底に降り立つと普段は感じない緊張感を感じる。何が起こるか予想がつかないことからか、危険を察知しようとする感覚が研ぎ澄まされているように思えた。人間が本来持っている、身を守るための能力なのだろう。

川底には、小さいテトラポットのようなブロックが敷き詰められていて歩きにくいため、転倒するかもしれないリスクがある。

さらに、急に側面の配管から汚水が吹き出してくるかもしれないリスクもある。

石神井川の中は、常にリスクが隣り合わせだ。その意味では、前人未到のジャングルのようなものかもしれない。前人未到のジャングルを進めば、きっと、いつ敵に襲われるかもしれないというリスクと隣り合わせになるだろうから。

石神井川の中を歩く目的

では、そもそもなぜ石神井川の中を歩きたいと思ったのか?

私の掲げるビジョンとして、あそべる小川を増やす活動をするというのがある。3年以上続けているが、良さげな小川で遊んでばかりで、小川を増やす具体的な活動ができていない事に気がついた。

ちょうど新年を迎えたばかりなので、基本に立ち返り、小川のゴミ拾いからでも始めようと思ったのだ。

そこで、思ったのは、「池の水を全部抜く」というテレビ番組の異常な人気ぶりだ。胴長を履いて、水の中に入って、何が見つかるかのドキドキを楽しんでいるように思えた。恐らく、テレビで観ているだけでなく、実際に胴長を履いて水に入る経験をしたいという人が多いのではないかと思っている。

それならば、胴長を履いて、石神井川の中に入って、ゴミを拾うことをみんなでやったらおもろいのではと思ったのだ。お宝が出てくるかはわからないが、何が出てくるかわからないドキドキを味わえる点は人気の番組と共通していると思う。

なので、まず自分が、石神井川を歩いてみようと思った訳だ。

そして、歩き始めると、さまざまな疑問が湧いてきた。

水の流れがどこから始まっているの?
どんな生き物がいるの?
どんだけゴミがあるの?

この疑問については次回にしたいと思う。

その側溝が繋がっている先は?

年末の体験であるが、大掃除でよくある風景について書きたいと思う。

IMG_9378写真は、誰もがよく目にするであろう、側溝だ。雨水を排水する目的があり、大抵は川へ繋がっている。

この写真の側溝も、写真奥にある右から左へ流れる川(暗渠になっている)へ繋がっている。通常は雨水が流れるが、年末の大掃除の時期ということもあり、泡を含んだ汚水が流れたのだろう。流し残した泡が側溝に溜まっていた。

私も側溝に汚水を流してきた経験があるが、最近は、注意していることがある。

中性洗剤などを含む汚水はできるだけ側溝に流さないようにしている。

側溝から流れる汚水が、最終的に川に繋がっている可能性が高いため、川を汚さないための配慮からだ。

こういった汚水は、キッチンや洗面所など、下水と繋がったところに流すよう心がけている。

昨今の都市部では、下水道普及率の高まりが良く、川の汚染が激しかった頃に比べると水質はだいぶ良い。汚染源の一つである家庭排水が川へ直接流れ込む事はほとんど無くなってきた。

しかし、一方で、掃除などで使用した雑排水が、雨水排水路を経由して川へ流れているケースがけっこうある気がしている。どれくらいの影響があるのかはわからないが、とても気になっている。

写真の川は3面コンクリートの小川であるが、上流の台地に降った雨が少しずつ湧水となって集まった流れで、見た目とは裏腹に、意外に水が綺麗だ。そんな水が汚れる原因が、すぐ側にあることを知ると、ちょっと考えさせられる。

自分の経験から想像すると、やはり、悪影響についての認識が無い事に尽きると思う。

掃除で使った汚水をを、側溝に捨てても、川を汚している意識はきっと無いんだろうと思う。下水処理場に繋がっているんでしょ!くらいの勢いだ。

でも実際にこの側溝は、下水処理場ではなく、川に繋がっている。汚いものを何でも吸い込んでくれる魔法の穴では無いことを少なくとも認識しておきたいところだ。

年末の掃除の時に、この事を思い出してもらえたら幸いだ。