小川へのポイ捨てを減らすアプローチ


先日、石神井川の清掃活動に参加してきた。毎月第一土曜日に開催されるボランティア活動だ。

集合場所である弥生橋まで行く途中に石神井川の様子を見ながら向かうのだが、いつも清掃する場所では、ゴミは少な目であった。

それならばと思い、少し上流に位置する、いつもゴミがあり気になっていた場所へ出張することにした。通常の活動場所ではないため、ゴミが多めな場所だ。

この場所でゴミを拾うには、まず川へ降りないといけないが、この付近に降りやすい緩斜面や階段はない。弥生橋の緩斜面から川をずっと歩いて行く方法も考えられるが、途中深い水溜りがあるため、胴長を着ていても渡るのをためらう難所がある。したがって、コンクリートの岸に備え付けられている梯子を使って降りる事とした。

水の流れが草で堰きとめられており、水が溜まっている箇所に無数のゴミが浮いている。空き缶、ペットボトル、弁当ゴミ、タバコの吸殻等…

ゴミの回収には、持参した20Lのゴミ袋4つをすぐに使い切ってしまったが、まだこの2倍の量が残ってる様子であった。集積場所まで手持ちで運ぶには4つが限界であったので、この日はこれぐらいとし、来月再挑戦する事とした。

この場所での戦いはしばらく続きそうである。

ところで、約一年前にも清掃活動の記事を書いたが、その時は、ナッジについて少しだけ触れた。

ナッジ(nudge)とは、直訳すると「ひじで軽くつく」という意味で、強制することなく自発的に人々の行動を変容させるアプローチを指す。小便器にハエのシールを貼ると、無意識にそこを狙ってしまうので、小便の飛散を抑え、トイレ清掃費を削減したという話は、私が初めて知ったナッジの一例だ。

一方「ナッジ」に似たアプローチとして、「仕掛学」というものがある。「仕掛学」は大阪大学経済学研究科に所属する松村真宏教授が提唱している手法で、ナッジとは少し異なるそうだ。ナッジは心理的バイアスを使って「意識させないで」行動を誘導するが、仕掛学は仕掛けを使って「意識させて」行動に誘導する。

その仕掛学の例として、ゴミのポイ捨てに関するものが紹介されていた。

一つ目は、「ミニチュアの鳥居」だ。目的の場所にミニチュアの鳥居を設置すると、鳥居の持つ神聖なイメージが影響して、落書きやポイ捨てといったネガティブな行動を抑制する効果が生まれるそうだ。

二つ目は、スウェーデンで実験された「世界一深いゴミ箱」だ。ゴミ箱にゴミを入れると数秒間に渡りゴミが落下するような音が流れ、最後には底にぶつかるような衝撃音がする。音を面白がり、人々は自ら進んでゴミをゴミ箱に入れていくという。

どちらもとても興味深い。このアプローチは石神井川でも応用できそうな気がしている。

ゴミの多かった先の場所に、ミニチュアの鳥居を置いたらどうなるだろうか?ゴミのポイ捨ては本当に減るのだろうか?社会実験として、とっても面白そうである。神聖なイメージという事であれば鳥居以外も考えられるかもしれない。

また、世界一深いゴミ箱であるが、ゴミが投げ入れられた事を検知するセンサーとラズベリーパイなどの小型コンピュータ、スピーカー、電源等を用意すれば簡単に作れそうである。ただ、全く同じではつまらないので、「〇〇なゴミ箱」としてオリジナリティのあるものを作りたいところだ。

小川のゴミを減らすアプローチとして、ナッジや仕掛学は今後も注目していきたいと思う。